日本の科学技術

 数年前(安倍政権の頃)ある週刊誌で「日本のワースト総理大臣は誰か」と言う記事があったのをご記憶の方もいらっしゃると思います。ワーストスリーは順番に菅直人氏、麻生太郎氏、安倍晋三氏でした。
 その中でワースト1は菅氏という結論でした。その理由は当然東日本大震災で東京電力福島原子力発電所事故の時の首相としてヘリコプターで乗り付け「何やっているんだ。そんなことをやっていたら水素爆発が起きてしまう」と怒鳴って防災活動の邪魔をしたからです。ご本人は今でも正しい行動だったと主張されているようですが・・・・。
 科学技術の面から言うと菅氏には「日本の科学技術をなめている・知らなすぎる」としか言い様がありません。確かに彼は工学部の東大と言われている東京工業大学で応用物理学を専門とされたようです。しかし彼は社会党系の学生運動家だったようですが、きちんと勉強もするため1年留年までされたと言うことです。そして卒業後は特許事務所に勤務しながら政治活動をされ、市川房枝氏を担いだようです。私が言いたいのは彼は現場経験がないと言うことです。
 皆さんもご存じのように大学を卒業するのに卒論が必要なのは文化系学部だけで、理工系学部にはありません。なぜか考えたことはありませんか。
 大学はご存じのように最初の2年間は教養学部で、専門については殆ど習いません。2年生になるとほんの少し専門が入ることもありますが、基礎の基礎部分です。3年生になって専門の勉強ですが、4年生になると卒業後の進路も考えなければなりませんから、たいしたことは研究できません。だから卒論が書けないのです。あまりにも初歩過ぎて読むに値しないから、書かなくて良いとなったと思います。逆に言えば会社は新入社員には仕事を任せられません。優秀な社員を採用して、社内で必要な社員に育て上げなければならないのです。その前提が終身雇用だったと思います。何年もかけて社内研修をして育て上げ会社に必要な社員となってから後に収穫期に入るのです。
 少し話がずれますが、昭和48年度まで公務員の給料はものすごく安かったということは前にも書いたと思います。大学教授にしても今とは比較にならなかったのではないでしょうか。しかし、その頃でも年収1000万を超えていた教授たちがいたはずです。私は3種類いたと思っています。トップは当然医学部教授です。次が何と工学部教授なのです。ここに菅氏が思いつかない原因があると思っています。
 工学部の学生も卒論はありませんが、卒業研究があります。ここに会社が目をつけたのです。自分の会社に入る学生にはこの程度のことは知っていて欲しい内容を「委託研究」と言う名前で教授に依頼します。つまり新人研修を4年生でやってもらうのです。そして卒業後は当然その学生を我が社に入れて下さいという意味も込めて委託研究費を教授に払うのです。しかし卒業研究費は当然予算として付いていますから、やり方によっては教授丸儲けです。研究室は教授の王国ですから、誰も・国家ですら介入できないのです。学生も指定された会社を拒否すると、その大学に来た求人の最下層しか回してくれません。
 しかし、この制度は今はないかも知れないと思っています。何故なら終身雇用制度が崩壊したからです。新人を時間と手間・金をかけて教育して、これからというときに退職されるのですから、育て上げるより最初からその技術を持つ社員を多少高給でも雇う方が良いからです。日本はもはや工業立国ではないと私が考える理由です。ある人に言ったことがあるのですが、一流の会社とは規模等ではなく、普通の新入社員を会社の役に立つ人財に仕上げるプログラムを持っている会社だと。
 話を元に戻します。以上のことを現場経験のない菅氏は分からなかったので「俺が指導してやる」と出しゃばって現場を混乱させたと思います。しかし、吉田所長や現場の人はその事を知っていたので面従腹背で部下には違うことを指示したので、あの程度のことですんだのだと思っています。もし吉田所長が安倍政権下の財務省幹部のような人間で、首相様がおっしゃる通りにいたしますと部下に指示していたら本人たちは当然のこと、福島県全部と北関東・新潟県・宮城県・山形県のかなりの部分は今でも人が住めない場所になっていたと思われます。
 さて、最初に戻ってワースト首相は誰かを私なりに考えました。吉田所長・所員の努力のおかげで最悪の状態は避けられましたので、菅氏は阿呆首相くらいかなと思います。
 2009年にオバマ氏が黒人初の大統領に就任しました。そして彼はすぐ(2月)に欧州各国を訪問する計画を立てます。ところが出発間際に最初の訪問国であるフランスで暴動(テロ)が起こりました。そのため欧州訪問を中止します。そして本国で仕事をするのですが、少し時間ができたからと日本の首相にアメリカまで来るようにさせました。喜び勇んで首相は行きますが、時間がないと話し合いだけで食事も出さずに追い返します。それまでも日本はアメリカの財布とかアメリカの子分と言われていましたが、一国の代表を呼びつけて飯も出さなかったことから「日本はアメリカの召使い」と他の国々から認識されました。つまり召使いを呼びつけ「余が新しいお前のご主人である。分かったら下がってよし」と各国に理解されているのに、訪問から帰ってきた日本の首相は「新大統領に会ったのは世界で一番早いのだから、なんだかんだ言っても、アメリカにとって日本が一番だよ」と宣ったみぞうゆうの首相がワーストだと思っています。この急な訪米は断るべきだったと今も思っています。日本でも新大統領は人気がありましたが、欧米には新参者として自分から出かけるのに日本だけを何故呼びつけたのかと考えると「あんたは黒い服を着た白人至上主義者か」と言いたいです
 予断になりますが、私は未だに外国に行ったことがありません。唯一のチャンスがこの年でした。地元出身でパリに住んでいる知人がいます。その息子さんが有名なヴァイオリニストでオーストリアを中心に活躍されていて、春にウィーンの国立オペラ劇場でコンサートがあるから来ないかと言われていて、まずパリに来てくれたら案内してあげると言われていたのです。私もかなり本気で考えていたのですが、やはりテロのため今は来ない方が良いといわれて諦めました。だから当時のことはよく覚えています。

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