日大事件

 ちょっと前に日大の理事長が逮捕されましたね。お金に関することで・・・。私くらいの年代の人は思い出すことがあるのではないでしょうか。そうです約50年前に起きた事件です。これがあの壮大な学生運動の1つの起因だったのですから。
 それまでの学生運動は政党下にある組織に属する学生によるものです。大きく分けて社会党系と共産党系の組織でした。例えば菅直人元首相は社会党系だと思います。市川房枝さんを担いで国会議員になったと思われます。だから大多数を占める一般学生は殆ど参加していなかったと思います。
 その頃から日大は学生数10万人と言われていました。その頃の大学の授業料が数十万円でした。その他に受験料・入学金も入りますから数百億円規模になるはずです。その頃の中小企業では考えられないほどの収入だったと思います。そこに日大で使途不明金問題が発生します。そして組織に入っていない一部の学生が大学側に説明を求めて座り込みを始めます。しかし大学側は無視し続けましたが、ある日、日大の運動部の学生が、座り込みをしていた学生たちに襲いかかりました。けが人も多数でました。だから、その頃は正義の味方と言われていた警察に連絡します。かなり短時間に警察隊は出動してきます。まるで待ち構えていたようだという人もいます。座り込みを続けていた学生は正義の味方と信じていた警官たちに「あの学生たちに襲われた」と、訴えたのですが、警官たちは有無を言わさず、けがをしている学生たち全員をごぼう抜きにして学外に排除するだけで運動部の学生には何もしなかったのです。
 その頃の人が幼かった頃は大家族制で、子育てはおばあちゃんという家庭が多く、無理を言ってごねると「そんな悪いことしよったら、お巡りさんにいうで」と言われていました。つまり警察官は怖いだけでなく正義の味方だったのです。
 だから座り込みをしていただけなのに襲われたのですから正義の味方が駆けつけてくれたと「お巡りさん、あいつらに襲われた」と一斉に訴えたのですが、自分らだけが排除されたのです。大きな騒ぎですから周りにも一杯見物人はいましたし、マスコミでも流れました。それらの人々が感じたことは「警察は正義の味方ではない。お偉いさんの味方だ」と今までの信頼を完全に裏切られたのでした。当然警察に対して大きな不信感を持ち反発し始めました。例えば泉谷しげるさんは今では俳優ですが、出発はフォーク歌手です。彼の持ち歌に「黒いカバン」というのがあります。職質を受けた若者が警官に反発する内容です。つまりあの大きな学生運動は、この事件に対する警察の初動ミスが一番大きな原因ではないかと考えています。
 もちろんこれだけが一般学生が主体の壮大な学生運動になったわけではありません。もう一つ重要な起因は青医連でした。いわゆる医者の卵たちの集まりです。インターン制度に不満を持った人が動いたのも大きな要素でした。
 最近は警察はかなり下手に出るようになったと思います。昔はかなり高圧的でしたが、かなり前からそうなったと思います。例えば交通取締で速度違反者を検挙したときでも「急いどったんですね。しかし慌てて行っとって事故を起こしたら、余計遅くなるけんね」と言うようになりました。(これは実話です)何も言えないのですが、心の中で「そう言う考えをあの時に持っとったら、あの学生運動はあんなに大きくならんですんだでぇ」と吠えていました。そして数年前アメフトの違法タックル事件があったときに、この大学は少しも変わってないなと思いました。
 だから座り込みをしている学生に運動部の学生が一斉に暴力を振るったときに、暴力学生たちを逮捕して、取り調べれば誰がこれらの学生に指示をしたかを突き止められたと思います。自然発生的にこの暴力事件が起こったとは考えにくいと思いませんか。それは大学中枢部まで遡ったかも知れません。そうなれば一時的に大学は混乱したかも知れませんが、違法タックル事件も今回のこともなかったのではないかと思っています。


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