クレーマーになり損ねました

 クレーマーと言う言葉もなんだか昔懐かしくなりました。いろんなことにクレームを出す人のことですよね。しかし、本人はクレームを出しているつもりはなく、むしろ「こうすればこの商品・店はもっと良くなる」と助言してあげたつもりなのに、めんどくさい客と言われて、助言してやったのにその態度は何だと切れる人のことだったのですよね。かなりの人は退職する前はある程度の地位にいて部下を指導する立場だったようで、、商品・店を見て「君、これはこうすればもっと良くなるよ」と上から目線で指導したのに無視されて立腹したようです。週刊誌何かにも「俺の助言で、この店が非常に良くなりました」と感謝されたいと思って言ってやったのに無視されたので、責任者を呼べと言ったら出禁にされてしまった。納得がいかないという投稿を見たことがあります。ですからその助言の中には良い物もあったかもしれないとは思っています。そして、会社・店側もマニュアル人間が対応するとめんどくさい客となってしまう場合もあると思いますが、またそれを感謝して受け入れた場合にも困ったことが起こりえます。クレーマーと呼ばれる人は自分の意見が受け入れら感謝されると「ああ良かった。自分も役に立った」だけでは終わらないのです。もっと感謝されたいと次々と改善案を出してくるのです。次々と的を射た案を出せるような人なら、会社が定年だからと手放すことはしないはずです。定年後も会社に残ってもらおうとするはずです。新しい部署・役職を作ってでも。ただ本人はそれが分かっていないだけです。そんな人が自分の意見に感謝されたとなるともっともっと、となりますよね。そして出てくるアイデアは陳腐な物が多くなるのは当然でしょう。そこで不採用となると「なぜ、私が言ってあげたアイデアを実施しないのか」となって、結局クレーマー扱いになってしまうようです。定年退職者も邪魔者扱いされるだけだと理解したので、クレーマーが減ったと考えられます。

 ここで私の話に戻ります。上に書いたようなクレーマーではないのですが、納得がいかなかったのでクレームを言い続けました。本にも書いたように学生時代が長かったので(本には大学が離してくれなかったと書いていますが)、勤務年数が短い上にリーマンショックのあと公務員の給料が初めて下がり始めました。退職したとき、妻から退職金・年金ははあなたが管理して毎月の家計費を私に渡して、と言われ協議の結果互いに納得のいく額に決まりました。ところが年金が減少し続け、ここ何年もの間、妻に渡す家計費(私は上納金と言っています)が私の年金額よりも多くなりました。その他に固定資産税・電気料金は私の負担です。つまり私の財布は真っ赤っかなのです。そして、二人だけの家庭なのに、皆にもびっくりされるほど電気代が高いのです。これを少しでも安くしようと原因を探し始めました。いくつか思いつきました。1つは大型テレビです。液晶ではなくプラズマテレビなのです。構造上の違いで消費電力は3倍以上違うと思われます。家にあるもう1台の32型液晶テレビと比べると10倍以上違います。2つめはエアコンです。前にも書きましたように、私は大嫌いなのですが、妻は大好きですし、特に台所にはなくてはならない物です。3つめは家庭浄化槽用のエアポンプです。100ワットを少し超える程度ですが、休みなく回り続けていますから、トータルするとすごい量になります。

 これらはどうしようもないので、自分の使うこのパソコンくらいはどうにかならないかと、節電と災害時のためにモバイル電源を購入してソーラーパネルで充電することにしました。ソーラーパネルはかなりの枚数持っていましたから。モバイル電源を値段だけで1台購入しました。そこで気づいたことがもう1つ。私のこの2台のパソコンの消費電力も大きく、プラズマテレビに負けないことが分かりました。テレビよりパソコンを使っている時間の方が長いのでトータルとしてはこちらの方が大きいのです。そしてこのモバイル電源も結構不便です。最も実感したのは充電と給電が同時にできないことでした。こんな設計をする奴の気が知れんと腹が立ちました。仕方なく充放電が同時にできるもう1台購入しました。モバイル電源にしたから電気代がただ!に近いからラッキーと思ったのです。そう思ったのもつかの間でした。

 モバイル電源は当然ネットオークションで購入しました。ところが2台目の物が1ヶ月で故障してしまいました。新品だし、この商品ができたのもそんなに古くはないので補償が効くだろうと製造会社にメールを送ると本社指定の店舗以外で買った物は新品と判断できないので、修理は実費となりますとの返事でした。製品を出すときは自信を持って送り出せ、変な使い方もしていないのに1ヶ月で故障するような物は作るなと腹が立ちました。何回か言ってみましたが同じ返事でした。そこで消費生活センターならなんとかしてくれるかなと行きましたが、同じことを言われました。お上はやはり製造側の味方なのかとがっかりしました。クレーマーになってやろうかとも考えましたがその末路はあまり良いものではないことも知っているので諦めて修理費の見積もりがいくらになるのかおっかなびっくり待っていました。結果はバッテリー異常なので修理不可とのことで、本機を着払いで送り返すか、当方で廃棄処理するかの選択を迫られました。納得できないので、バッテリーが原因と分かっているのならバッテリーを交換すれば良いではないかとメールを送ったら本社ではバッテリー交換をしていません。バッテリーが原因の場合の補償は新品と交換になるのですが、その対象は本社指定の店から買った人だけですとの返事でした。

 日本製は良いとの信頼が根底があるからネットオークションは使われていますが、それを逆手にとると製品検査でだめだったものを廃棄するのではなく、安くネットで売ると、だめ製品が多少安くても売れたり、修理費も取れる良い品物になるのだなあと呆れましたが、太刀打ちできません。納得できないが承服するよりほか手立てはないと思う。お騒がせしましたと返事をすると、こちらもなんとかしてあげたいのだけど、規則上どうにもできませんと帰ってきました。一番納得できないのは、なぜバッテリー交換できないのかです。本機のバッテリーは車で言えばエンジンに相当すると思うのです。エンジンが壊れているので本社では修理できませんというカーメーカーがありますかということです。

 学生時代にこんな話を聞いたことがあります。英国のロールスロイス社は「我が社の車は故障しませんと販売していたそうです。そんなはずがないと思いませんか。そして、ある人が砂漠の真ん中で故障して、会社に連絡したところヘリコプターで迎えに来てくれて、車も修理されて帰ってきたそうですが、修理費等の請求は一切なかったそうです。そこでその人が会社に連絡したところ、我が社の車は故障しませんので、そんな記録は一切ありませんと言われたそうです。多分英国だから会社が保険に入っていたと思われますが、そのプライドはすごいと思います。しかし、この会社は今は倒産しています。そして、約50年前トヨタのスポーツカーのエンジンはヤマハ製だったことは有名です。そして今の日本は明日の信用より今日の利潤なので、新しい分野の物はしっかり保証の効く買い方をしなければと肝に銘じました。しかし次何かを買うときはまず、オークションで探すだろうなと思いながら。


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