PIPプロデューサー濱野氏の発言炎上についてわたしが考えたこと

発言炎上の経緯

 数日前、社会学者であり最近ではアイドルプロデューサーである濱野智史氏の次のツイートが話題になり、いろいろなアイドルファンの議論の話題となった。以下のような経緯でのことだ。

ある人のツイキャスににて自身の運営するアイドルグループPIP(Platonics Idol Platform)の運営方法への批判、「ただの地下アイドルヲタ」で何もわかっていないという扱いを受けたことに対する怒りのツイートの中でのことである。

この「在宅死ね」という発言は以前ニコ生で発言し、ネット上を検索する限りまとめサイトなどにも載りある程度炎上したようだ。そのきわどい言葉をわざわざ掘り返して使ったのだが、それがわたしの周りのアイドルファンの間で話題となり、この発言への批判派と擁護派がタイムラインの中に出現した。

最終的には濱野氏が以下のツイートをして謝罪するという顛末となった。

しかし、「在宅死ね」論議は濱野氏の意図するところがまったく伝わらずに反対派、擁護派とも発言してずれたところで話題が広がっていたように感じるので、ここでわたしの解釈を記しておきたい。当の濱野氏は大人の対応のために今回は自分の言い分を収めての謝罪をされているようなので。


濱野氏の描くPIPの将来像

 重要なこととして今回の濱野氏の「在宅死ね」発言は社会学者濱野智史氏の運営するPIPという特殊な思想、構造をもつアイドルの中での話なのである。なので、一般論として発言批判派の「在宅に情報アクセスさせて話題になることが重要でそこを取り入れて人気は拡大していく」とか、発言擁護派の「金も落とさないで口だけだすのは迷惑」とかで言いあうことは濱野氏の発言の意図とは全くずれたところでの議論になっている。

さらっと、わたしが理解している濱野氏のPIPの将来像を解説したい。詳しく知りたい人は濱野氏の著作を読めばいいし、以下のPIP公式サイトのコンセプトを説明するページを参照すれば良いだろう。

PIPのコンセプト

濱野氏が考えるコンセプトはこうだ。

濱野氏の作るアイドルグループPIPのメンバーが次のアイドルグループの運営となりアイドルグループを作る。そして次の下流にできたグループのメンバーも下流にグループを作って運営するというようにつながっていくシステム。そして、それは単純に計算すればねずみ算式に増えていくのでアイドルになりたい女の子は誰でもアイドルになれるであろうというもの。そして、運営がアイドル自身であるので中間搾取されずに安定した収入を得られるであろうというもの。

そして、難しい横文字使うなとちょっと話題になっていた「サステナビリティ」(持続可能性)も、そのつながりによって実現されるということである。

わたしには完全に絵空事に思えるが濱野氏はこれを信じてPIPをスタートし、結果はまだ全然見えないが運営を頑張っていらっしゃる。

「在宅は死ね」とは

 ここで、誰でもアイドルになってそこらじゅうにアイドルがあふれたとき、そのファンはどこにいるのだということを念頭に置いての「在宅は死ね」という発言であるのだ。「死ね」という言葉はセンセーショナルすぎるので「在宅は必要ない」と言い換えた方がいいかもしれないが。

濱野氏自身も先日の怒りツイートの終盤につぎのようにツイートしていらっしゃる。

PIPとは、地下アイドル(ライブアイドル)の進化形である。アイドル一人当たり比較的少数のファンがその子やグループにお金を使いアイドルを直接支えるシステムだ。その小さい世界がたくさんできることによって大人数(2020年にはAKBグループの人数を超す計画だという)になったPIPを支えていくという計画である。

上記の小さい地下アイドル現場が無数にあるシステムにおいては在宅は存在しないということである。

既存メディアやランキング、そういったいわゆる今の多くのアイドルが目指している「上」より、「横」や「下」を広げて自活していくという方に重きを置かれるはずなので、在宅がいないと「売れない」というのは違うということであろう。在宅によって小さい地下アイドル現場は支えられないからである。そしていわゆる既存メディアなどに「売れる」ことを目的としていない。

以上が濱野氏の発言の意図であるとわたしは考える。わたしの解釈が間違っている可能性は多分にあるが。

 PIPの理想とする将来像がわたしにとって絵空事に思えるのは複数の理由があるので時間があればまた記しておきたい。また、PIPの現状については最近直接拝見していないので、拒否されることなければ近いうちにうかがいたいと思っている。

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