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コント:オンラインサロン



純朴そうな青年 A
悪そうな青年   B

(本を読んで歩くA)

B あのすいません。三田駅どっちですかね。
A  え、あ、駅ですか。
 あっちの方です。
B あっちって北西ですか、北ですか、西ですか。
A いや、携帯持ってないんですか。
 調べたらすぐわかりますよ。
B いや、あなた、携帯で、インターネットで何でもわかると思ったら大間違いですよ。
 ときに、あなた、その本は、まさか、あの、インフルエンサー、カリスマのカルゴさんの本ですか。
A  あ、はい。
B あなたは素晴らしい、簡単に、楽に、賢く生きられる本を読んでいらっしゃる。あなたはお目が高い。
A いえいえ。
B 私はその人のオンラインサロンに入ろうと最近考えていまして。
A はい。いいんじゃないんですか。僕もサロン生です。
B なるほど。それもまた素晴らしい。月に一万円、その費用は自己投資だ。その投資をできた決断こそ、自己決定、ときに、洗脳。
A はい?なんか言いましたか。
B 千に一つの脳。
A ・・・すいません。ありがとうございます。。。
B その本は、何が書いてあるんですか。
A バカと付き合うのは時間の無駄だ。
 議論はまともにするな。相手と噛み合う必要はない。
 世代間格差が広がっているとか。
 世の中には必要のない人がいるとか。
B なるほど、賢い。
 バカな相手は、話す必要がない。私がバカだとしましょう。そんな私があなたに話をかけてしまうと、あなたには得るものがない、時間を浪費するだけだ。ときに、話が噛み合わなくてストレスをかかえるかもしれない。
A まあ、そうなりますよね。
B しかし、バカとはどういった基準で決めるんですか。
A 偏差値とか、職業とか、学歴とか、話している内容とか。
B あなたは、そのヒエラルキーの中で生きていらっしゃる。
A ヒエラルキーって何ですか。
B バカな人が作る階層、それをヒエラルキーと言います。
A そうなんですか。階層ってなんですか。
B バカの階段のことです。
A なるほど。ちょっとまってください。
 バカな人が作る階段で生きている私はバカということになりませんか。
B あなたは賢い。
 でも待ってください。あなたはその階段を上り続けるので大丈夫です。上に上に行きます。
 カルゴさんについていきましょう。
A はい。ありがとうございます。
B そう、私、カルゴさんのオンラインサロンについてもっと詳しく知りたいのですが、是非今後連絡を取らせてもらえませんか。LINEの交換をしていただけたら。一緒にカルゴさんの教えを身につけていきたいなと。お願いします!
A ・・・ いいですよ。えっと、どうやったらいいかな。
(LINEの交換に戸惑うA)
B 任せてください。
(鮮やかにLINE交換をするB)
A あ、駅は大丈夫ですか。
B はい。あなたの教えに従い、携帯で調べてみます。ありがとうございました。
(別れる二人)
(携帯が鳴る、BからのLINEのメッセージの着信を教える。)
A 「先程はありがとうございました。大変助かりました。つきましては、今度お礼に新宿のルノアールをご馳走させてくださいませんか。かわいい友達も連れて行きます。そのあとみんなで食事に行きましょう。」
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「あなたは、我々、マルチネットワーク、Gowayの幹部になれる人だと考えています。ご連絡お待ちしております。稼いで一緒に海外に行きましょう」

(Bからのメッセージを読み上げるA)
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マルチネットワークってなんだろ。






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