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エクシア合同会社の研究 その1

 エクシア合同会社は、社員権を販売し、出資を募っていた。集めたお金については、親会社である外国法人に貸し付け、外国法人が証券口座を開設し、その口座内で、金融商品(FX)の投資を行い、出て利益から、エクシア合同会社に利息と元本を返すことで、運用するという説明がなされていた。

 当初のエクシア合同会社の投資スキームにおいて、外国法人において何が行われていたのかが、エクシア合同会社の実態を把握する上で、必要な調査事項となる。

 エクシア合同会社自体は、2015年4月1日に会社設立されている。当初の商号は、エクシアジャパン合同会社(2019年9月1日に「エクシア」に商号変更)であった。代表社員は、菊地翔(1977年3月25日生まれ)という人物。

 エクシア合同会社の投資スキームにおいて、重要な外国法人は、イギリス法人からシンガポール法人に変遷している。

 イギリス法人は、2013年7月15日に設立されている。当初の会社名は、「EXUSIA LIMITED」であった。同社は、2015年3月10日に会社名を、「EXIA LIMITED」に変更している。

 同社は、100万ポンドを資本金として設立された。この100万ポンドについては、支払われることなく、会社は2018年7月17日に解散している。会社の事業実態があったのかであるが、イギリスのCompanies Houseが公開しているデータを見ると、2014年の段階から一貫して「dormant company」、休眠会社の扱いを受けている。会社の資本金の振り込まれず、休眠状態のまま、会社は解散しており、この事実からすれば、イギリス法人における事業実態があったとはいえない。
 エクシア合同会社の設立は、2015年4月1日であるが、投資名目での資金集めは、それよりも前に行われいてた。その際には、イギリス法人名目で配当について報告がなされていた。EXIA LIMITEDに事業実態がなく、資金が集められた事実がこの時点で存在していたのだ。

 菊地翔という人物が何者であるのか。これは、非常に興味深いテーマである。
 菊地翔が、エクシア合同会社のホームページで公開していた情報によると、1996年東京モード学園ファッション基礎学科卒業とある。ファッション基礎学科というのが存在するのかを検索エンジンで「ファッション基礎学科」というキーワードで検索すると探知できなかった。
 その後の経歴は不明な部分が多いが、2008に独学で専業FXトレーダーになり、2009年には15営業日で利益率2,520%を達成し、2011年国内プライベートファンドの為替トレーダーに就任、2012年海外ヘッジファンドのアドバイザリーに就任、2013年資本金100万ポンドをもとに英国法人を設立、2014年海外証券会社のか為替トレーダーに就任、2015年エクシアジャパン合同会社を設立と自称している。

わかる範囲で、ひも解いてみていこう。

 菊地翔は、エクシア合同会社を設立する前に、株式会社ロギアという会社を設立している。2011年1月5日の話しだ。住所は、東京都千代田区丸の内一丁目8番3号丸の内トラストタワー本館20階。この住所は、エクシア合同会社の設立時の住所と同じである。株式会社ロギアのホームページを調べてみるとウェブアーカイブにその残滓を確認することができた(https://web.archive.org/web/20110416080912/http://www.logia.co.jp/)。そのホームページをみると、「金融取引業 投資顧問 運用 助言 代理業」等と記載している。当時から第三者からの資金を募り、運用をしようとしたことがわかる。上記ホームページ上には、「LOGIA UK LIMITED」とイギリス法人について記載があるが、調べてみるとそのような法人は、Companies Houseのデータベース上では確認できていない。ちなみに株式会社ロギアは、金融取引業に関するいかなる登録も金融庁でしていない(https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kinyushohin.pdf)。

 菊地翔について、Companies House上で調べてみると面白い情報に行きつく。菊地翔は、2013年7月10日、別のイギリス法人を設立していたのだ。「EXUSIA LIMITED」、別に設立していた法人と同じ名前である。同会社は、設立翌日に、「EISYO HK CO LIMITED」と商号変更している。菊池翔は、2014年8月22日に、法人の持分をShuang Yanなる人物に譲渡し、役員を退任している。同法人は、後に、「DREAM FOR A LIVING LTD」(2016年7月27日)(以下、「D社」という。)というイギリス法人のカンパニー・セクレタリーとして登場する。D社は、2017年2月、無登録で金融商品取引業を行うものとして、(https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/mutouroku/03.pdf)金融庁から警告を受けている。

 既に述べたが、2013年資本金100万ポンドをもとに英国法人を設立としているが、払込がされないまま同法人は解散になっている。

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