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【'Shape of You'で学ぶ英文法】疑似分裂文(psuedo-cleft sentence)編

少し古いけど、Ed Sheeranの 'Shape of You'って良い曲ですよね。

今回はShape of Youに使われていて、実際の会話でも役に立つ文法を共有したいと思います。

早速ですが、Shape of Youの出だしはこんなふうに始まります。

The club isn't the best place to find a lover so the bar is where I go「クラブは恋人を探すのに最適な場所じゃないから、バーが僕の行く場所だ

the bar is where I go「バーが僕の行く場所だ」は、the bar「バー」を強調しているという点で、単なる I go to the bar「私はバーに行く」とは違います。こんなふうに、Wh- などを使うことで特定の名詞を強調する文を「疑似分裂文」(psuedo-cleft sentence)と言います。

代表的な疑似分裂文(psuedo-cleft sentence)には以下のようなものがあります。Shape of You では Whereが使われていますが、Whatを使うものが代表的ですし使いやすいと思うので、Whatを使った例文を載せます。

What really troubles me is ...「ちょっと困っているのは ... ということです」
What I don't think I would do is ...「したくないと思っているのは ... ということです」
What is shocking to me is ... 「私にショックなのは ... ということです」(『英文法総覧』p.257)

こんなふうなWhatの使い方、会話でもめちゃくちゃ便利そうじゃないですか?おまけに日本語母語話者は「〇〇は〇〇だ」という文を思いつきやすく、英語で最も一般的なSVOの英文に転換しにくいので、特に便利なんじゃないか、と思います。

また、Whatなどの Wh-を使わなくても、「一般性の高い名詞+関係詞節」で疑似分裂文っぽい文を作ることができます。

All you need is love.「君に必要なのは愛だけだ」(ビートルズの曲ですね)The Internet is great. All you have to do is click.「インターネットはすごい。クリックするだけいいんだから」(ウィズダム英和辞典)
The person who invited me to the party was your mother.「パーティに私を招待してくれたのはあなたのお母さんです」(『英文解体新書』p.110)

ところで、1つ引っ掛かることがありませんか?そう。「疑似分裂文」という奇妙な名前です。「分裂文」の方は、確かに文が分裂しているように見えるから良いとしても、「疑似」って何だよ!?と思いませんか。

実は、「疑似」ではないただの「分裂文」(cleft sentence)は、学校で習ういわゆる「強調構文」の正式名称。こんな文ですね。

It was John that saw a UFO last week.「先週UFOを見たのはジョンだった」(『ジーニアス総合英語』p.587)
It is our choices, Harry, that show what we truly are, far more than our abilities.「人の真の姿を示すのは、その人が何ができるかなんかより、その人が何を選ぶかなんだよ」 ('Harry Potter and the Chamber of Secrets' p.352)

(簡易的に説明すれば、)元の文(今回は John saw a UFO last week.)の強調したい要素(今回はJohn)を It is と that の間に挟む、っていうやつです(正確には「強調される要素」は「焦点」(focus)と呼ばれます)。

いずれにせよ、この「分裂文」と強調の方法は似ているけれど、正確には違うもの、ということで「疑似」分裂文という名前がつけられているみたいです。

ばーっとここまで書いたら、めちゃくちゃ長くなっちゃいました。

Shape of You にはこの他にもいろんな語りたいポイントがありますが、それらは次回以降に語ろうと思います。What we need now is some rest.

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