仕事で疲弊したこと

IPOを目指すことは大変なことだ。

これまで思い付きで好きなようにやってきた組織を変えないといけない。
普段の業務に加えて、監査法人と付き合い、正しい会計処理、内部統制を整えていく。
難しいことを調べながら各所の特性に配慮しながら仕組みを変えます。
すごくエネルギーが要ります。この組織を良くしたい、絶対IPOしたい、そんな気持ちが必須です。
でも私はそんなエネルギーがありませんでした。
これまでいろいろなことを誤魔化してきた組織、目先の利益を求めてた組織から変わらなければいけません。

でも経営者が変わらければ組織はなかなか変わらないです。

何かに共鳴して参加した従業員は、価値観が合わなくなったり、対立し始めて退職者が一気に増えます。欠員を補充しようとするので年中採用してます。新しい人も入れ代わり立ち代わりです。突貫工事でものごとが進み、業務委託も増えます。IPOの蜜を吸おうと、話が上手ければ、投資家も増えます。

企業は利益を上げ続けなければいけないですが、株主や証券会社や監査法人に経営者は自分をよく見せたくなります。
社内では売上ノルマは厳しくなります。外部には将来IPOすると公言して先行投資してもらっているので、後にも引けない状態になります。

また、退職した人の代わりに、優秀な人を採用しようとします。うまくいけばステージが上がります。うまくいかないのは、優秀な人の正しい意見を聞かないとき。
人は頻繁に入れ替わり始め、良くも悪くも文化が変わっていきます。

うまくいかないと、IPOが目的のようになり、何かに付けてIPOを引き合いに出します。

会社を良くしたいのかIPOがしたいのか。
IPOしなくても素敵な会社はたくさんあるはずです。そこには素敵な人が集まり、良いプロダクトやサービスが生まれるのでしょうか。

経営者目線だと右肩上がりの売上を見ること自体が好きで、サービスやプロダクトや人に対しては知らなさすぎるというか、早く売上を作るための目先の施策をとります。

私はそんな環境で何度も疲弊し、この組織がつまらない、ここにいる意義が見いだせない、一緒に働きたい仲間がもう誰もいない、働く幸せが薄れていきました。
続く。

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