アルカリイオン水は口臭に効果があるのか?美息美人で検証すると・・・

アルカリイオン水とはアルカリイオンを含有する水のことです。

一般的にはPH値が9~10の間の電解水のことを指して、このアルカリイオン水が疲労回復やアレルギー、便秘の改善、美容効果など様々な効果をもたらすと期待されています。

そんなアルカリイオン水ですが口臭を予防したり改善したりする効果があるのか?について検証したいと思います。

口臭改善が期待出来るのは強アルカリイオン水

一般的な飲料水となるアルカリイオン水では口臭予防や口臭を改善するような効果は全く期待出来ません。

口臭に効果が期待出来るのはph値の高い強アルカリイオン水になります。概ねphが11以上になると口臭抑制効果も期待出来るようになります。

強アルカリ電解水になるとphが13以上にもなり、それだけ洗浄力も強力で、この強アルカリ電解水は主に掃除の洗浄液として使われています。

口臭改善に使うには口に含めて安全であることが条件になります。つまり、うがい薬として使用可能かという点が重要です。

強アルカリ電解水は刺激が強すぎるので、口腔内ケアには使用出来ません。

美息美人がうがい薬としては適役

強アルカリ電解水では刺激が強すぎるので、口腔内ケア用のアルカリイオン水は【美息美人】がお勧めです。

口腔内に使用可能でかつ口臭にも効果があるとされています。ここでは美息美人に口臭抑制効果があるかを検証します。

・美息美人とは?

ミネラルと強アルカリイオンの洗浄力で、頑固な口臭を改善!舌をピンク色にする!常識を覆す新しい歯磨き剤!と公式サイトでは紹介されています。

原料はホタテ貝殻パウダーです。
このホタテ貝殻パウダーは実際に掃除用の洗浄剤としても使われていて、消臭や脱脂効果があるとして人気があります。

このホタテ貝殻パウダーだけを使って作られている歯磨き粉が美息美人です。

価格や入手方法などについては割愛します。

アルカリイオン水は口臭に効果があるのか?

この美息美人を使ってアルカリイオン水が口臭に効果的かを検証しました。

口臭がどれくらい抑制出来るのか、膿栓(臭い玉)には効果があるのか?舌は本当にキレイになるのか、などをチェック。

・口腔内に問題があるケースを想定

基本的には口腔内に問題があるケースの口臭を検証しています。

ここでの口臭というのは一般的な口臭、つまり生理的な口臭などではなくて濃い膿汁が発生するような強めの口臭を抑制出来るのかを基準にします。

つまり、酷い口臭で悩んでいる人にも効果があるのか?ということを重視して検証します。
ただし、口腔内に問題があるケースを想定しているので体内から発生する口臭はどんなうがい薬でも抑制出来ませんのでその点はご理解下さい。

アルカリイオン水で舌苔がキレイに取れるか?

まずは手始めにアルカリイオン水で舌苔がしっかり取れるのかを検証します。

W-1のような舌専用ブラシを使っても取れないような頑固な舌苔があるブレレボ会員に美息美人を使ってもらって、その舌苔が取れるようになるのかをチェックしました。
(ブレレボ会員とは当方が運営している口臭情報会員サイトを利用している方です。)

結果としては、若干は取れるけど全部は取れないという結果になりました。これに関しては少しガッカリしましたね。公式では舌苔を溶かしてキレイに落とせるようなことが書いてあったので。

舌苔をキレイに取るという点では【NONIO 舌専用クリーニングジェル】の方が優れていると思うとの感想でした。(ただ、どっちを使っても完全に舌苔は取れないので、どちらでも良いかな、くらいなものだそうです。)

それでもNONIOのクリーニングジェルはライオンの製品で安心感があるのは大きいですね。

美息美人で膿汁は抑えられる?

正直、濃い膿汁を抑えるのは厳しいと思っていましたが、結果としてやはり全く無理でした。

うがいをした直後は少しスッキリした感じがあるものの、すぐに膿汁は発生してしまうということです。

そもそも濃い膿汁というものは細菌がバイオフィルムを形成していて、ノリのように粘つきがあります。

これを破ってしっかり細菌を殺菌することは非常に困難なのです。

これも美息美人の販売元ではバイオフィルムをやぶることが出来て膿汁にも効果ありと言っていますが、まあ正直これは難しいのは仕方がないです。

アルカリイオン水はバイオフィルムに効果が少ない

これは2013年に発表された老年歯科医学28巻3号で【カンジダバイオフィルムに対する電解次亜水の効果】という論文に掲載されています。

参考文献は以下
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg/28/3/28_277/_pdf

この論文は効果的な口腔ケアに適した洗浄液についてまとめられた論文です。

試験液として選ばれたのは、強アルカリ性電解水、弱酸性電解質、電解次亜水、市販の洗口液2種、滅菌蒸留水の合計6つです。

この試験で使われた強アルカリ性電解水はPHが11なのでほぼ美息美人と同じと思われます。

この論文は少し長いのでアルカリイオン水に関する部分だけを抜き出して要略すると【強アルカリ性電解水は,わずかながら洗浄作用が認められたものの,試験液からは生菌が観察され,バイオフィルムを洗い流す作用のみを有していることが推察された。】としています。

これはどういうことかというと、簡単に言えばバイオフィルムを抑制する効果が少ないということです。

この実験はシャーレ(平皿)で行われたものと思われますが、これで効果がほとんどなければ口腔内においてはより効果が限定的になります。

通常の実験はシャーレや試験管の中で行われるので高い効果を示すものなのです。なぜなら、環境が完全に整っているからです。

ゴキブリを小箱に閉じ込めた状態で殺虫剤を使って効果があったからといって、台所でゴキブリが出た際に同じ効果があるとは限りません。

素早く動いて逃げ回ることが出来ますからね。

微妙な例かもしれませんが、それと同じことで実験と実際の口腔内では作用が全く変わってくる可能性がある、ということです。

美息美人に危険な副作用は無いのか?

美息美人の原料となっているホタテ貝殻パウダーは通常は掃除に使われるものです。

そのため、口に含んで問題ないのか、危険な副作用は無いのかと心配になるかもしれませんが、その点は問題ないです。

量を増やしてしまうと舌や喉がピリピリする、歯が着色するなどの問題が起こりやすくなりますが、定量を守れば大きな副作用はないと思います。

今までに検証で2年は美息美人やホタテ貝殻パウダーを使っていますが、着色以外には特に大きな問題は起こっていません。

アルカリイオン水では口臭は改善出来ない

結論としてはアルカリイオン水では口臭を改善することは難しいと思います。

もちろん生理的口臭で悩んでいるレベルならば効果を期待出来ます。美息美人は通常の歯磨き粉よりも口臭抑制効果は高いからです。

ただ、人に口臭を指摘されたことがある、もしくは濃い膿汁があって強い口臭を自分で自覚している、というようなケースではアルカリイオン水だけで口臭を改善させることは難しいでしょう。

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