参議院選挙と改憲阻止の運動


2022年4月24日(日)宮前九条の会が開く法政大学名誉教授五十嵐仁さんの講演会のレジュメです。

はじめに
 岸田政権―アベスガ政治との違いと共通性、同じことを違った手法で、危険性と手ごわさ
 ウクライナ侵略―主権の尊重・領土不可侵・武力行使の禁止、国連憲章と国際人道法違反
 歴史の教訓―ポーランド侵攻、満州事変、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガン介入
 
1,ロシアによるウクライナ侵略の教訓
 誤算―短期決戦の失敗、国際的包囲網の形成、ブチャ虐殺への批判、侵略は割に合わない戦争にしてはならない―必ず犠牲者が出る、破壊と死傷者、避難民、戦争できない
パラドクス―安全を求めて安全を損なう、大軍拡とNATO加盟、力対力という誤りは共通
 侵略は困難―陸続きの大国でも苦戦、海で囲まれた先進国、旗艦「モスクワ」の撃沈
原発―存在自体が大きなリスク、戦争が始まれば攻撃目標、占拠されれば電源喪失
安倍元首相の責任―引き金はプーチンの増長、対ロ外交の失敗、核共有、中枢攻撃の暴論
 9条―軍拡と軍事同盟への歯止め、攻撃することもされることもなく、恐怖ではなく信頼
 
2,危機便乗型改憲策動と憲法闘争
危機の利用―新型コロナ感染拡大と緊急事態条項、ウクライナ侵略と自衛隊の明記
新局面―衆院で316から334へ、維新と国民が推進力、首相の積極姿勢、推進から実現へ
 敵基地攻撃論―発射されたら防げない、専守防衛の逸脱、先制攻撃、誤ったメッセージ
 核共有―火事場泥棒、非核三原則・原子力基本法・核拡散防止条約に違反、核ゼロこそ
戦争法の危険性―集団的自衛権、制定時には中東、台湾有事での米軍防護、自動参戦
危機と好機―好戦的雰囲気、関心の高まり、対話のチャンス、丁寧な説明、論戦力
憲法闘争―多面的な取り組みが必要、発議の阻止、憲法違反を許さない、活憲の政府
 
3,憲法の蹂躙を許さず活憲政府の樹立を
 多面的―改憲阻止は前提、法・制度の違憲部分の廃止、誤った外交・安保政策の是正
 自立性の回復―独立国家ではない、米軍の2軍、日米地位協定、辺野古での新基地建設
 従米の誤り―戦後のアメリカは間違い続き、中南米、ベトナム、イラク、アフガン
危険な火遊び―安保環境の悪化、米中対立で火花、火事にしないためには水をかけるべき
 防衛政策―9条違反の選択肢は排除すべき、2%以上の大軍拡、9条の経済効果の喪失
活憲政治―地位協定の改定、辺野古新基地建設中止、核先制不使用、朝鮮戦争終結宣言
独自外交―核被災国としての責務、非核の政府、核禁条約への参加、隣国との関係改善
 
4,参院選の特別の意義と野党共闘の課題
総選挙―自民は嫌、政権交代は不安、途中下車で第3極へ、活憲政治のビジョン示せず
 悪魔の囁き―狙いは野党の弱体化と分断、共闘は無力、野合ではないか、反対ばかり
部分的閣外協力―政府の樹立と維持に不可欠、首班指名・当初予算・法案の成立で協力
行き詰まり―新しい資本主義、民主主義の危機、新自由主義からの転換、金融所得課税
目的は政治転換―当選と政権交代は手段、新しい政治が目的、維新との協力は政権後退
 連合批判―自民すりより、根拠なき反共、好き嫌いではなく労働者の利益を優先すべき
 共闘の再建―参院選1人区での統一、複数区での躍進、足腰の強化、草の根の力を発揮
 
むすび
学ぶ―先ず知ること、フェイクニュース、NHKと読売、真実を見極める、情報リテラシー
 伝える―確信を持つ、伝え方の工夫、伝わる言葉、伝える手段、ネットとSNSの活用
 諦めない―何もしなければ何も始まらない、既成事実に屈しない、声を上げれば変わる
 
【参考】個人ブログ「五十嵐仁の転成仁語」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/
五十嵐仁・小林節・高田健・竹信美恵子・前川喜平・孫崎享・西郷南海子『市民と野党の共闘で政権交代を』あけび書房、2021年
五十嵐仁『日本を変える―「新しい政治」への展望』学習の友社、2020年
五十嵐仁『18歳から考える日本の政治〔第3版〕』法律文化社、2021年
五十嵐仁「岸田政権の危険な本質と憲法闘争の課題」『月刊全労連』2022年5月号


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?