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【釣りコラム】Blitzを分解してみる

前回はピーナッツⅡを分解してみかけの密度を計測しました。今回はOSPのブリッツです。ブリッツと言えばハニカム構造を利用してボディの軽量化を図っているということで、どのくらいの性能があるか定量的に分析してみたいと思います。

分析の目的

分析の目的は樹脂製ルアーを製作する上で一つの要素になってくる、「みかけの密度」を知るためです。樹脂製ルアーはバルサと違って、質量がボディの中で偏っている「偏在系」の素材にあたります。3Dプリンタールアーのデザインにとって数値設定は重要事項なので、その知見を得るために心苦しいですが分解していきます。

重さを量る

デジタルスケールで重さを量ると、公称通りの9g。製品に狂いがないところは大量生産のなせる技ですね。ハンドメイドではそうもいかないことも多いですが、市販品ならではといったところ。さすがOSP。

体積を計る

体積の測定方法はお馴染みのこちらのリンクから。水の体積が質量と同じということを生かして測定します。ブリッツの体積は11.0g/cm3でした。

分解する

分解はまずヒートンを取り出します。はんだごてを使ってヒートンを温めて樹脂部分を溶かし、ゆっくりと引き抜きます。

続いて、ノコギリを使って半分にします。断面が観察しやすいように精密のこを使いました。

ブリッツの特徴であるハニカム構造が見えました。厚みは1.5mm程度でピーナッツⅡの2mmと比較するとその厚さは3/4程度に抑えられています。ハニカム以外にも、いくつか補強のための棒のような樹脂パーツが確認できます。ハニカム部は0.8mmでした。半分近くボディの厚みを減らしていることになります。

おそらく、張り合わせ部の強度を落とさないために厚いままにして張り合わせとは関係のない部分は思い切り薄くして良い、と言う発想でしょうか。

ボディからはみ出すほどに低重心化が図られたウェイトは2.6g。
樹脂を除くパーツ全体は4.5gでした。これで分解とみかけの密度を知る準備は整いました

分解するうえで気づいたこと

もう一つ、ブリッツの特徴といえば基盤リップを採用しているところです。厚みは0.8mmでした。大きさに関しては下の図のような感じです。

もう一つはリップ角度。水面を0°とすると角度は 32°ということがわかりました。

みかけの密度を計算する

計算結果は以下の表のようになりました。比較のため、ピーナッツIIも書いておきます。

こうして比べてみると、体積はブリッツの方が大きいですが、樹脂の量はピーナッツIIの方が大きいです。密度はブリッツは0.41となっており、木材だとヒノキやスギくらいの密度です。木材と樹脂では構造が違うので一概に同等の性質を持つとは言えませんが、ブリッツは非常に躯体が軽い方のルアーだと言うことはわかります。

まとめ

今回はO.S.Pのブリッツを分解してみました。特筆すべきは体積あたりの樹脂の少なさです。それでいて、市販品として耐えうる強度を持つルアーを生産できるところは素直にすごいと思います。分解シリーズは数値化してルアーを分析できるので学びと発見がたくさんあると思います。ルアー作りをされている方や深く知りたい方は是非分解してみては。

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