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CAPEレシオから見たS&P500株価の現状:2024年3月10日現在


こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
株式投資において、投資家は将来のリターンを予測するために様々な指標を用います。その中で、CAPE(シャープ)レシオは長期的な投資戦略を立案する際に役立つ指標の一つとして存在します。

今回はこのCAPEレシオについて解説します。
それではどうぞ!


CAPEレシオとは?

CAPEレシオ(Cyclically Adjusted Price-Earnings Ratio)は、過去10年間の実質利益の平均に基づいた株価収益率です。通常のPER(株価収益率)と異なり、景気変動の影響を調整するために、過去10年間の実質利益の平均を用いる点が特徴です。

因みにCAPEレシオは、アメリカの経済学者ロバート・シラー教授によって考案されました。シラー教授は、2013年にノーベル経済学賞を受賞しています。
シラー教授は、CAPEレシオを考案する際に、以下の点に留意しました。

  • 株価は景気の影響を受けやすい

  • 企業業績は景気の影響を受けやすい

  • PER(株価収益率)は景気の影響を受けやすい

これらの点を考慮するために、シラー教授は過去10年間の実質利益の平均を用いたCAPEレシオを考案しました。
CAPEレシオは、シラー教授の著書「Irrational Exuberance(非合理的な熱狂)」の中で紹介されました。この本は、2000年のドットコムバブル崩壊を予測したことで有名です。

CAPEレシオは、以下の式で計算されます。

CAPEレシオ = 株価 / (過去10年間の実質利益の平均)

CAPEレシオの見方としては、以下の点に注意する必要があります。

1. 過去平均との比較

過去のCAPEレシオの平均は約17倍です。
歴史的に見ると、CAPEレシオが25倍を超えると割高、15倍を下回ると割安と一般的にはされています。

現在のCAPEレシオが過去平均よりも高い場合、市場は割高であると判断できます。逆に、現在のCAPEレシオが過去平均よりも低い場合、市場は割安であると判断できます。

2. 景気の影響

CAPEレシオは景気の影響を受けやすい指標です。景気拡大期には企業業績が改善し、CAPEレシオは上昇する傾向があります。一方、景気後退期には企業業績が悪化し、CAPEレシオは下降する傾向があります。

現在のCAPEレシオはどうなのか?

2024年3月10日現在のS&P500のCAPEレシオは約33.87です。これは過去平均(約17倍)と比較すると、S&P500は割高な水準と言えます。
しかし、過去最高値(約44倍)と比較すると、まだ余裕があるとも言えます。過去平均(約17倍)と比較すると、この指数ではS&P500は割高な水準と言えます。


https://ycharts.com/indicators/cyclically_adjusted_pe_ratioより過去1年
https://ycharts.com/indicators/cyclically_adjusted_pe_ratioより過去5年

CAPEレシオから見たリスク

CAPEレシオは過去データに基づいた指標であり、将来の市場パフォーマンスを保証するものではありません。要は万能ではありません。
現在の経済状況や金利水準、企業業績など、様々な要因を考慮して総合的に判断する必要があります。

景気の影響を受けやすい指標

CAPEレシオは景気の影響を受けやすい指標です。
景気拡大期には企業業績が改善し、CAPEレシオは上昇する傾向があります。一方、景気後退期には企業業績が悪化し、CAPEレシオは下降する傾向があります。

世界経済はアメリカ以外は減速懸念が強まっており、景気後退期への移行リスクが指摘されています。景気後退期に入ると、企業業績が悪化し、CAPEレシオは下降する可能性があります。

金利の影響

金利上昇は株価にとって逆風となります。金利上昇は企業の資金調達コストを増加させ、企業業績を悪化させる可能性があります。

現在の米国金利は上昇傾向にあり、今後も上昇が続くと予想されています。金利上昇はS&P500株価に下押し圧力となる可能性があります。

企業業績も影響する

企業業績はCAPEレシオに直接的な影響を与えます。企業業績が改善すると、CAPEレシオは上昇する傾向があります。一方、企業業績が悪化すると、CAPEレシオは下降する傾向があります。

結論

CAPEレシオから見ると、2024年3月10日現在のS&P500株価は割高な水準と言えます。しかし、過去最高値と比較すると、まだ余裕があるとも言えます。


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