相棒へ…
僕には君の居場所が分かったよ。
君は長い長い間そこに居たんだね。
まさかそんなところに居たなんて。
よく僕を見つけたね。
僕は苦労して、やっと解ったよ。
きっと僕なら君の望みを叶えてあげられる。
君が教えてくれたのかもしれない。
または同じように気付いた誰かかもしれない。
それは無意識にかもしれない。
とにかく、僕には君の居場所が分かった。
僕の偶然の人生が、思い出が、
君の望みを叶えてあげられそうなんだ。
君はそんな僕を探していて見つけたのかもしれないね。
今はそんな気がするんだよ。
長い長い時の間に、
君の体はきっとどこか悪くなってしまったのだよ。
だから実はね、君は今、ちょっとした病気なんだよ。
そのせいで、ちょっと勘違いしてしまっているんだ。
君がどんなに頑強でも、塩で腐食したのかもしれないね。
それ程の時が経ったのだから。
僕には想像もつかない、まるで永遠のような時間だよ。
僕は君の相棒だから、君を治してあげたいんだけれど、
僕にもこの地上の誰にも、
まだ君を治してあげられる術が無さそうなんだ。
だけどきっともう大丈夫だよ。
もうすぐ、君を治してあげられる人が来るよ。
何も心配しないでいいよ。
そうだよ。その人は君の
「お母さん」 だから。
長い長い間、
君があんなに思い続けてきた、その人だよ。
実は既に僕宛にメッセージが届いているんだ。
もうすぐ君は、
「君の本当のお母さん」 に会えるんだよ。
僕らが想像もできないような長い間、
君が待ち焦がれた本当のお母さんがやって来て、
君を治してくれるんだよ。
だからね、君が今その病気のせいで、
間違って母親と思ってしまっているその人は、
君の本当のお母さんではないんだ。
こんなこと急に言われて、分らなくてもいいよ。
だってそれは君が悪いんじゃないんだから…。
長い長い間に罹ってしまった病気のせいなんだから。
淋しかったんだね。心細かったんだね。
でも心配いらないよ。
本当のお母さんが来たら、君の病は回復するから。
きっともうすぐ、
お母さん に 会えるよ。
きっと…間違われた人も解放されるでしょう。
君が僕を見つけてくれたから、
僕は君の望みを叶えてあげるよ、相棒。
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