スキナーの心理学 第8章 応用行動分析

今回はスキナーの心理学 第8章の応用行動分析を読んだ感想を書いていきたいと思います。

この章は、行動分析の中でも実戦に用いられている、特に教育領域・福祉領域で用いられる応用行動分析について書かれています。

そして・・・スキナーのこと、徹底的行動主義のこと、もっというと行動分析のことが嫌いな人にも、ぜひ読んでいただきたい大事な理念がここにあります。

それは、『個人差を考慮する』ということです。これがそもそも行動分析の基本だと思いますし、行動分析は決して行動だけを見る学問ではないことの証拠ではないかと思いますね。

そして、それは他の心理学の学派と個人的には道を違えるような、そんなものではない。本来もっと血の通った、温かなものであって、もっと活用されてもいいものではないかと私は思います。

ただし・・・スキナーのその性格というか、特性というか、あまりに科学科学言い過ぎたというか、窮屈過ぎた感はあります。

行動分析は強化する、特に正の強化を多用するものだと推奨されていると思いますが、専門としてる人の中には、強化するより弱化してしまう、そんなやり方は行動分析ではない、もっときちんと機能アセスメントしろ、もっとちゃんと随伴性を考えろという人が一定数います。

そのため、距離を置く人がいるのも事実ではないかと思うし、活用が広がっていないからこそ、表層の心理療法のように捉えられがちであるとは感じますね。

行動分析は、表層、深層という心理的な次元にとらわれるものではない。
あくまでも行動を扱い、分析するものであり、応用行動分析はそこに応用が加わるとともに、個別性を重視し、誰でも同じようにやればできることを目指した組織化された手続きなのですよね。

つまり、一般的には深層心理学で扱われると思しきものでも、タクトできる(宣言できる)ことであれば、刺激として扱うということであろうと考えられますね。

スキナーの本に限らず、行動分析の本はなかなかに適用が難しい事が多いものもあると思うし、科学性を求めたがゆえに、きちっとしすぎている麺もあるとは思うんです。この章も少し窮屈さを感じなくもない。

しかし、やはり応用行動分析は有用な技術なのです。

特に、学校には広まって欲しい。
ルールや社会的な力動で人を動かすのではなく、ぜひ望ましい行動を強化しあえる世界になってほしい。

良い世界になるために・・・スキナーが本の中からそんな願いを発信しているように感じます・・・。

今回も駄文でした。
ありがとうございました。


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