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2021年 CJ1菖蒲谷レースレポート 後編XCO男子エリート

2021年のCoupe du Japon開幕戦"CJ1菖蒲谷"の本戦、XCOのレースレポートをまとめる。

CJシリーズ屈指のハードコース

菖蒲谷のコースはCJシリーズ屈指のハード&タフさを誇り、それでいて走っていて楽しい良コースと言える。
昨年は"北壁"と呼ばれる凄まじい斜度の登坂があったが、今年はそれもなく、上り下りともに多少マイルドになった印象。
まぁタフなことに変わりはないが。

今回のコースは1周回の間に車が通れる道を3回横切り、大きく分けて3パートに分かれるコース設定となっていた。
第1パートはスタート直後の急な上りから始まり、完全ドライでパフパフの急斜面を降りてくるセクション。
第2パートは池の横を進んで比較的緩く登り続け、狭いシングルトラックを駆け降りてくるセクション。
第3パートはゴール前最後の緩く下りながら斜面をトラバース気味に走るセクション。

このコースはドライコンディションなら乗車率100%だが、ウェットコンディションとなったら著しく乗車率は下がり、さながら地獄絵面になることが想像に難くない。
そのため土日ともに晴れたことを内心非常に喜んだ。

招集、そして漂うあなた誰感

XCOの1〜8番までのスタートグリッドは、前日のXCCの1〜8位となっており、自分は6番目にコールされた。
1列6人での整列のため、最前列に並ぶことになる。

順番にコールアップされ、6番目に私の紹介。
「NESTO Factory Team 詫間選手。XTERRA年代別日本代表・・・」とMC。
おぉ、よく調べてあると妙に感心。

一列目一番左が私。
左隣には東京オリンピック日本代表の山本幸平選手が並んでいる。
山本選手がこちらを向いてにこやかに「よろしくお願いします」と言ってくださったのがとても印象に残っている。
と同時に、瞳の奥底に「見ない顔だな、誰だろう?」というような感情も見た気がする。
そりゃあそうだ。去年までこの規模のレースでトップ10内なんて夢のまた夢レベルだったんだから。
自分の前に誰もいないコースが開けている光景はとても新鮮だった。

砂埃の中から現れる白ジャージ

13時50分レーススタート。
ものすごい勢いで加速する51名のライダーたち。

スタート直後の急登坂も最前列スタートで詰まることなく6位前後で抜ける。
しかし落ちることのないハイペースにジリジリと離され、道幅が広くなる箇所で後続2名ほどに抜かれ、そのまま下りへ。

そしてここで派手に落車してしまう。

逆キャンバー気味の右コーナーで、浮いた砂に前輪のグリップを失い転倒。
急斜面だったたそのまま3〜4m転げ落ちる。
目の前で落車してご迷惑をお掛けした山鳥レーシング西山選手に謝るとともに、上手く避けてくれて感謝しかない。

すぐに起き上がってバイクを手に取るが、ハンドルとサドルが右を向いてしまっている。
そしてコース復帰しようにも続々とライダーが駆け降りてくるため、なかなか戻れない。
8位前後で下り始めて、どんどん後続に抜かれて30位前後でやっとコース復帰した。

走り始めてすぐに右シューズが緩い事に気付き、BOAダイヤルを締め込もうと思ったら手応えがない。
落車の時にダイヤルがもぎ取れてしまっていた。

この先のフィードでテクニカルサポートを受けるかどうか考える。
把握出来てる問題は3つ。
ハンドルが右に向いている点、サドルが右に向いている点、右シューズのBOAダイヤルが1つない点。
右半身に擦過傷的痛みはあるが、走るのに支障は無い。
フィードで出来ることはハンドルとサドルの復旧のみ、時間にして60秒弱は掛かると思われる。
直すことでその60秒以上のアドバンテージを得られるかと考え、すぐに答えは出た。

貪欲に前を追う

いつもなら80%カットによる足切りを気にするところだが、この日は違った。
ひたすら前走者をパスする事しか考えていなかった。
落ち着いて1人、また1人とパスしていく。

フィードでの補給も全て断る。
チャンスがあったらひたすら踏む。
スタミナ切れも感じず、昨年よりも間違いなく走れている。

一時は30位前後まで落ちた順位も、最終周回に入る時には16位程度まで上がっていた。
この周でも1人パスして15位。

しかしこれでタイムアップ。
6周回15位完走でレースを終えた。

リザルト

カテゴリ:XCO男子エリート
コンディション:ドライ
距離:3.9km×6Laps=23.4km
出走:51名
DNF:2名
DNS:4名
リザルト:15位

悔しさと期待

レースにたらればはない。
そうは分かっていても、あの時落車しなかったら・・・と考えずにはいられない。

レースの一瞬一瞬のベストの積み重ねが15位なのだ。
悔しさが残る内容でも15位で終えられたとポジティブに捉えて、次こそは満足行く内容でレースを終えられるように、成功も失敗も次に活かしていきたいと思う。

使用機材

Frame:NESTO TRAIZE PRO-B
F.Fork:SR SUNTOUR AXON WERX34 Boost 100mm EQUALIZER
Components:SHIMANO XTR M9100 34×10-51T
PowerMeter:Stages Power meter XTR M9100 Race
Wheel:P&P COMPONENTS WH-C1600M
Tire:MAXXIS IKON 29×2.20 前後1.20Bar
IndoorTrainer:SARIS H3 Direct Drive Smart Trainer

Photo by 伊東秀洋さん、高野光夫さん

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