Zwift Powerランキング日本1位が、なぜ全日本選手権MTB XCO19位なのか
この話は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令前まで遡る。
内容はZwift経験者が読みやすいよう、初心者向けの説明は省いている。
Zwiftを始めた理由
以前から屋内でのローラー台を使ったトレーニングと屋外での実走を併用していたが、緊急事態宣言発令により趣味として自転車で外を走る事が憚られることになるだろうと予想した私は、発令前からインドアサイクリングアプリ"Zwift(ズイフト)"の導入を決意。
とてもじゃないけど屋外実走分のトレーニングを、通常のローラー台メニューに置き換えるのは不可能だと感じていたからだ。
絶対に飽きる。心がもたない。
幸いにして導入に必要な設備は揃っていたことから、大きな出費無く始める事が出来た。
なお、自分の場合は当初からZwift内で開催されるレースしかやっておらず、レースを走る事をトレーニングとした。
Zwift内では10〜20分置きという高頻度で"レース"が開催されている。
仕事終わりに気軽に高強度のレースが出来るなんて自転車先進国に仲間入りした気分だ。
Zwift Powerの存在
Zwiftのアプリケーション自体はゲームとしての機能しかない。
別でZwift CompanionというSNSアプリがあり、これで友達を作ったり簡易的な走行データを見たりする。
さらに、Zwift Powerというより詳細な走行データ分析や、レースのリザルトから登録者をランク付けする外部サイトがあり、Zwiftガチ勢の多くはこちらにも登録している。
かく言う私もこれに登録した。
Zwift Powerに登録すると、レースのリザルトや出力データから国別ランキングと世界ランキングにランク付けされる。
たくさんレースして、良い結果を出すと少しずつランキングが上昇していくのである。
これによりまたレースに出たくなるのである。
これはもはや中毒だ。
ある時国内ランキングを見ると10数番まで上がっている事に気付く。
「これもしかしてトップ10は入れるんじゃない?」なんて思った。
しかしそこからなかなかランキングが上昇しない。
そもそもこのランキングってどうやって付けてるのだろう?と思い調べてみると、レースの上位数名の持ちポイントと自分の着順によってレース毎に持ちポイントがアップデートされるかどうかが決まり、その持ち点順にランキングされると言う事がわかった。
簡単に言うと、強い選手がたくさん出ているレースで上位に行くほどランキングが上がる可能性が高いということだ。
それが分かったら今度は出るレースを選ぶ。
Zwift Powerのサイト上では、開催予定のレースの出走予定選手一覧が確認出来るページがある。
これを見て強豪選手が出るレースの見当をつけて、あとは全力で着を狙いに行くわけだ。
そうこうしていると日本ランキング3位になり、2位になり、そして2020年10月23日、日本ランキング1位となった。
ただし、このランキングは日々更新されるため、いつ王座から陥落するか分からない。
本日11月15日現在では、まだ1位を維持している。
なぜZwift Powerランキング日本1位になれたのか
ここからが本題。
全日本選手権MTB XCOで19位程度の私が、なぜZwift Powerランキング日本1位になれたのか。
逆にZwift Powerランキング日本1位の私が、なぜ全日本選手権では19位程度なのか。
Zwift Powerランキングで上位に食い込む理由はいくつか思い当たる。
1つ目の要因は、Zwift Powerに日本のプロ選手がほとんど登録してないという点。
つまり選手層が薄いから私程度でも上位に食い込める。
2つ目は、自分がローラー台で出力を出す事に長けているという点。
Zwiftをやり始める以前からローラー台には相当頻繁に乗っており、その時から実走より安定してパワーを出せる感覚があった。
3つ目は、自分の出力特性がZwiftレース向きだと言う事。
Aカテゴリで先頭集団に付いていくのはそんなに難易度が高いわけではない。
私の苦手なMTBリアルレースのようなマイクロバースト的インターバルもあまりない。
とあるXCレースのパワーデータ
問題は着に絡む事だけど、15秒15倍出せてゴールスプリントを掛けるタイミングを間違えなければ、そこそこの頻度でトップ3に入る事が出来る。
4つ目は実に単純で、飽きずにZwiftを続けているということ。
強くても数回勝つだけじゃランキングで上位にはなれない。
以上のような様々な要因が重なって、運良く1位になれたのだと考えている。
なぜ全日本選手権MTB XCO19位なのか
ではなぜZwift Powerランキング日本1位が、リアルレースの全日本選手権では19位程度なのか。
これは単純で、リアルレースはバイクをコントロールしなければならないから。
ただパワーを出すだけのZwiftとは異なり、自らバイクをコントロールして走らなければならず、この点において他の選手に対して大きく劣っている自覚がある。
なぜなら私はレースの時以外、ほとんどオフロードを走らない。
基本的に、昔体得した技術と感覚でオフロードを走っている。
これらの理由からZwift Powerランキング日本1位でも全日本選手権では19位程度にしかなれず、全日本選手権19位でもZwift Powerランキング日本1位になれたと考える。
結局目標は何なのか
そもそもZwiftをやり始めたのはトレーニングとしてだが、いつからかリアルレースで勝つためのトレーニングとしてZwiftをやっているのか、Zwiftレースで結果を出すためにZwiftをやっているのか分からなくなってきていた。
自分は結局どちらの成績を求めているのか?
目的と手段を取り違えると目的は達成出来ない。
だからここでしっかり整理をしておく。
全日本選手権を走って改めて気付いたが、自分の目的はリアルMTBレースで強くなる事。
Zwiftはそれを実現するための手段である、と。
これがハッキリすれば自ずとZwiftでの走り方も定まってくる。
勝つために脚を温存する事はナンセンス。
とにかく踏んで可能な限りNPを高める。
なかなかツラいトレーニングにはなるが、来年のCJシリーズでコンスタントにシングルリザルトが獲れるよう、このオフシーズンもZwiftに励みたいと思う。