昔むかし話し29

小百合は人間のもつ不思議な力や、突然湧き上がる感情的、時として自分の中で起こる矛盾した思考、不思議いっぱいの人についての興味が湧き上がってきてつきません。

"義郎さん後一年したら私家に帰ります"
突然小百合は義郎に伝えました。

義郎にとってまさに夢のような一言でした。

生きていたのか?もしかしてと思った事もあった。
その、小百合が元気に帰って来る。
義郎はなぜかソワソワしたり、ワクワクしたり喜びが収まりません。

"一年と言わずすぐに帰ってこれないか?"
拙い絡印(ライン)で義郎は叫びました。

またまた、せっかち病が出ましたね。
そんなに急かせないでください。
私にも私の都合や計画もあるんですよ。

笑いながら小百合はそう伝えてきました。

出会いから2人で暮らし始め、そして大家族になり後に家を去っていった小百合。

一連の日々が走馬灯の様に義郎の頭の中をくるくると回り始めました。

"小百合もいろいろな経験や苦労をかさねたみたいだな〜"
早く会っていろいろ話を聞いてみたい。それにしても元気でいてくれてよかったな。

義郎は一人で感慨に耽っていきました。

      つづく

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