見出し画像

ステージレース用マットの選び方

レーシングプラネット、サハラ砂漠マラソン(MDS)、beyond the ulitmate など、食事、シュラフ、着替えなどを、すべて背負って移動するレース参加者方向けに書きました。
荷物は、少なく軽いほど動きやすくなります。軽ければ軽いほど体力の消耗をさけれます。
ただし、
睡眠は個人差がかなりあります。
本番まで、繊細な方ほど、実験しながら決めていきましょう。

繊細or鈍感
暑がりor寒がり
少しの違いが、7日間あるため大きく影響してきます。
大会が始まれば、慣れますが、シミレーションできてると精神的に余裕がでてきます。



1.スリーピングマットサイズを確認する

ステージレースで利用するマットは、長さを短くすることをお勧めします。
重量を少しでも減らしいためです。

マットのサイズには、縦サイズ×横サイズで大きさが決まります。
特に長さには、90cm〜200cmほど種類があります。
横になった際に、マットが必要な場所により大きさが変わります。

ケース
1)上半身部分のみをマットでカバー、下半身部分はバックパックなどの上に足を上げて寝る
2)全身をマットでカバーする

横幅は、ほぼ50cmから60cm程度なので、あまり選択としては考えなくても大丈夫です。

どこでも寝れる方
荷物を軽くするため、短いもので大丈夫です。
背中部分だけがマットに当たっていれば平気かもしれません。
もしくは、レースによって持参しないことを選択される方もいます。
長さ120cm程度

寒いと寝れない方
レースの最低気温を確認してください。
その基準よりも、寒さ対策をするマット、R値が高めのものがおすすめです。(R値はのちほど説明)
身長と同サイズのマットが良いかもしれません。
長さ180cmや女性用などのモデルもあります。

腰や肩が痛くなり寝れない方
慎重に選択してきましょう!
安眠や快適性をより求めるなら、サイズは等身大が良いです。
固めが寝やすいか、柔らかめのエアータイプが良いかもカラダの柔軟性とも関連してきます。
身体が硬い方は、柔らかい方が深くなりやすいかもしれません。
固めの方が、起床時に調子が良い方もみえます。
スマートウォッチなどを使って実際に利用して、睡眠の質などログで確認していくのも一つの方法です。
少しでもカラダと地面の空間を減らすように選びましょう。
大会当日までに、カラダを改善方法もありますが、こちらは別でお伝えします。

私は、比較的よく寝れる方ですが、寒さにはあまり強くないと思って荷物を選択しています。
足元は、バックパックに足をあげて、寝るために
スモールサイズとして、120cm×50cm程度のものを選んでいます。

実際にアタカマで利用したマットレス

2.R値を参考にする

R値とは、断熱力の高さの指標です。
数値が高いほど、断熱力が高くなります。
ただし、各メーカーが同じ基準を使っていなため、あくまでメーカー内での比較として考えてください。

レースによって選び方が、変わります。
レースの期間中の気温を見直してください。
夜間が、0度や10度以下が基本の場合は、少し気をつけて寒さ対策が必要です。
寒さいだけでも、翌朝回復できず寝不足でレースになる方もみえます。
よく寝れるかどうかは、ステージレースでは大変重要なスキルになります。
ロングのレースは、睡眠の質や回復力が強い方は、日々強くなっていきます。最後までレースを楽しむ事ができます。

寒い場所は、R値が高めのものを選択しましょう。
暑いレースは、R値は4以下でないと、暑くて寝れなくなりますので要注意です。
通常はR値2程度を目安にしましょう。

個人の温かさの感覚で大幅に変わります。
事前に、レース環境に近い場所で、実験してみてください。
・ベランダで寝る
・自宅の庭などで寝る
・窓を開けっぱなしで寝る

色々なケースを体験して
自分のカラダを知ることは大切です。

R値が高いほど熱伝導力が高く、熱損失がさけれます。
R値には足し算が可能です。(R値2.0+R値4.0のパッドを足すと、R値6.0の断熱力になります)

R値は厚さ1インチ、2.5cmで計測しています。
R値0は
コンクリート 0.08
硬木 0.71
軟木の上 R値 1.01
ダンボール R値 3.0〜4.0

段ボールは、R値が優秀です。
段ボールだけ重ねても十分寝れるようになります。
余談ですが、災害時はこのようなパターンも有効です。

寒いよりは、暖かい方が回復しやすいですし、暑いよりや涼しい方が睡眠の質があがります。
自分の体調を予想して、本番ならではの環境に対応できるように、選択していきましょう。

3.種類と厚みを知る


スリーピングマットは、3種類あります。
取り扱いが繊細だったり、丈夫なものなど、
ご自身の性格や、睡眠に求める条件によって選択しましょう。
しっかり比較して、商品を絞り込んでいきましょう。

商品によっては、女性用として冷えにくいところを暖かく感じるように設計している商品もありました。(サーマレストプロライト)

インフレーター(オープンセル)
軽量コンパクト・楽に設置
ウレタンマットが内部に入っており、広げると自然に空気で膨らむ 
厚み 2.5cm程度
カスケードデザイン社が1972年に初めてつくったサーマレストから発祥。
現在まで約50年使われて続けて進化しています。
私がキャンプ道具を購入し始めた大学生時代は、カスケードデザインのサーマレストは、まだ高級品でした。
バイクツーリングで小さくなるために使っていました。銀マットが、1000円だった時代に、15,000円ほどだった記憶があります。
寒さには、少し構造的に弱いのかR値2〜3程度が多いです。
保管方法は、空気を抜いた状態でぶら下げておくことを推奨。
強み:小さくなる・自動である程度膨らむ
弱み:コストが高め・広げての保管が必要




クローズドセル
簡単・壊れにくい・かさばる
空気を入れずに広げれば使えるマット 厚み 2cm程度
昔で行くと銀マットもこのジャンルです。
アルミの蒸着面があったり、軽量化されています。かさばるが気にならなければ丈夫です。手軽に好きなサイズにカットできます。
180cm程度のものを120cmまでカット利用すれば、200g程度で作れます。
折り畳んだものを、リュックの上やサイドにはさんで留めて運びます。
使い方は雑でも壊れることはありませんが、レース中に落としてしまうリスクだけはあります。
薄いOMMなどのリュックの中に入っているものを使用するのでOKであれば便利かもしれません。
こちらも、実際に屋外で練習してみてください。
強み:丈夫・安価
弱み:かさばる


エアー
軽量・コンパクト・繊細

空気で膨らますマット 厚み 7cm〜9cm
空気で膨らますため、手間がかかります。
厚みや空気の層が厚いため
エクストリームコンディションと言われる寒いエリアでは、ほとんどがこちらになっています。
R値8など、かなり暖かく、路面からの冷却をさけて、体温の逃さない構造になっています。
弱点としては、破れると使えなくなります。補修用品も持参した方がよいでしょう。 価格が高めになります。

強み:R値が高い・小さくなる
弱み:エアーが漏れると使えなくなる。コスト高


3つのポイントと、ご自身の就寝感度に合わせて選びましょう。

天候や気温も、誰もがレースが始まるまでわかりません。
シミレーションをできている方ほど、レースが始まると、さまざな対応ができるようになります。いろんなケースを想像しながら選択していきましょう。

私の持っている商品
現在この2種類を持っています。

左:テンサー(エアー式) 右:プロライト(インフレター式)


初めて参加した、MDSでは、プロライトを使いました。途中から、砂地でそのまま寝れるような気がしましたが、人生初の経験でしたのでこの選択で間違いなかったと考えています。

2度目のステージレースは、アタカマ砂漠でした。
夜の気温が寒いこと、標高が2500m以上あることから、寒さに強い商品を選択しました。
結果的には、大変快適に寝ることができました

・NEMO TENSOR 20 INSULATED SHORT(廃盤) 122×51cm 265g
エアー 
厚さ 7.5cm  R値4.2程度(-9度〜−4度対応)
収納サイズ 20cm×φ6cm 

・THERMOREST プロライト S  119cm×51cm   350g
インフレータブル 断熱材オープンセルフォーム
厚さ 2.5cm  R値2.4
収納サイズ 28cm×φ8cm 


テンサー120cm 青のカバンが枕(アタカマ2017)

<今購入するなら>

毎年より良いものが、発売されるのがアウトドアギアの面白さの一つですね。
2024年、私が出場するならこちらを購入を考えます。
私は比較的どこでも寝れるので暑そうな大会であれば、この2種類で考えます。価格が3倍ほど違いますが、荷物を減らして軽くしたい時には価格はしょうがないと考えます。

NEMO ZOR ショートマミー 122cm×51cm  295g  厚さ 2.5cm  R値2.7
インフレータブル 
断熱材オープンセルフォーム 厚さ2.5cm R
収納サイズ 20cm×φ10cm 

https://amzn.to/3HEgSI2



サーモレスト ネオエアーウーバーライト ショート 119cm×51cm  170g  エアー 厚さ 6.4cm  R値2.3
収納サイズ 15cm×φ8cm 

参考にマットレスメーカー
いろいろなメーカーから発売されています。軽量という視点で確認していくと一つの基準になります。
モンベルにも、エアーのものもあるのですが、サイズと重さを考えると海外勢が有利になっています。

サーマレスト: アメリカ1972年創業 オープンセルフォームの開発メーカー
NEMO:アメリカ2002年〜
エススペド EXPED:スイス
モンベル
シートゥサミット


<おまけ、まくらについて>
枕は、横向きで寝る時に特に大切です。
私は、衣類を入れているバックに翌日の服をいれて枕にしています。
横向きで寝る時に、実際にエアーマットだと枕とのバンランスが気になるかもしれません。
事前の練習で、寝やすいポジションや高さを見つけ出してください。
枕は、重さが増えるので持参するのか、使っている袋を枕にするのか悩ましいところだと思います。


<おまけの2、腰部や肩の痛みなどで起床時が怖い方>

ステージレースまでに、問題点が出現する筋肉と骨格を治療しましょう。
そして、日常生活での改善方法も身につけましょう。
可動域改善は、今日の使い方から理解できれば、未来の不安が大幅に減らすことができます。
腰であれば、股関節と腰椎の可動域を改善
肩であれば、肩甲骨と肋骨と鎖骨と胸椎の可動域を改善
毎日できることが、たくさんありますのでレース開始まで少しでも改善していきましょう!

怖くないことが、正しい健康な状態です。

ステージレースにチャレンジするきっかけを生かして、もう一段レベルアップした骨格を取り戻しましょう!
生活24時間の過ごし方が、大会の練習になってきます。

ステージレースを通じて、人生の健康レベルをあげて、今後もさまざな体験をするお手伝いができれば幸いです。

誰もが、残された時間は有限です。
どこでも寝れる、どこでも不安がない、アドベンチャーな日々を少しでも長く過ごせるように、応援しています!

姿勢治療家
仲野孝明

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?