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EVのリーディングカンパニーはバッテリードリブン

最近BYDの勢いが止まらない。テスラを抜いてEV世界一となったBuild Your Dreams、中国BYD。

何と言ってもその要因はブレードバッテリー、即ちバフェットが投資し続けた安価なLFP正極バッテリーである。

LFPバッテリーは性能は三元系に比べると7掛けだが、価格も7掛けで安くなる。年々バッテリーの搭載量が多くなるBEVではセル価格の差が大きい。

そして中国の補助金政策によって調整係数の傾斜配分と目標設定の妙から、電池パックでみた場合にはLFPは三元系を上回る電池容量を示すことにもなり、元々O2が発生しにくく安全で電池寿命も長いLFPは一躍BEVのデファクト・バッテリーに。

それまでのデファクト・バッテリーは、テスラのNCAやハイニッケルの三元系(NCMもしくはNMC)バッテリーでした。航続距離をミリオンマイルと謳うために、高容量な三元系が求められ、今でも世界各地のギガファクトリーで生産されています。

BYDも今から3~4年前にはLFPとNCMを半々で生産していましたが、LFPはバスやタクシー向けが殆どで、BYDとしてもこれからは三元系のNCMが主流で、しかもハイNiのNCM811の開発競争に加わるべく試行していました。

しかしハイNi競争は、LGとSKの北米での大規模リコールや韓国国内のESS火災によって半ば終焉。NCMAなどというNCAを回避するためだけに開発した進化版をGMはありがたくもUltium CellとしてLGESに作らせましたが、その間BYDはブレードバッテリーを搭載したBEVを開発し、今やリーディングカンパニーに。

その間テスラは2170NCAセルのサイズアップとドライ製法に自ら乗り出すも、まともに捲回することが出来ずサイバートラック数百台分のセルしか未だに作れませんでした。つまりバッテリー開発の失敗がBEVリーダーの陥落をもたらしたとも言えるのです。

BEVが誰でも作れると発言するような人は既に過去のものとなりましたが、単に垂直統合で製造し続ければ勝てる市場でも無いことをBYDが証明しました。モデルチェンジはエクステリアではなく、目に見えないバッテリーこそ改良し続けて更にセル価格を下げ続ければならないということが改めて明らかに。

では次はどうなるのか。バッテリー専業のCATLがSodium Ion Batteryを量産しようとしてますが、OEMが右へならえで搭載するか。LFPは性能アップのためLMFPが量産化されます。

そしてガラパゴスさながらだった全固体電池も中韓が追い上げようと本気モードになりました。しかしコストは20倍とも言われる全固体電池は高級車にも載せられるかどうかの価格になるでしょう。

バッテリーのデファクト・スタンダードはこれからも正極材料に着目して変化を追うことで、本当の次世代電池が何かが見えてくると思います。


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