人工知能とロボットについて

人工知能とロボットについて

最近話題になっている人工知能について、荻上チキのsession22をメインにその他幾つかのニュースを加えてまとめました。

世界経済フォーラム(通称ダボス会議)において、人工知能やロボットなどによって、雇用の喪失、格差が広がるという報告がされています。
また、アメリカ・中国・日本人・ASEANなど15カ国などで今後5年間で200万人の雇用が生まれるが、余剰人員として714万人が職を失うとも言われています。
一方で、野村総研とオックスフォード大学の共同研究においても、601種類の職業のうち235の職業については、10年から20年後には人間でなくても行うことが可能になるかもしれないということが報告されています。

しかし、このAI(人工知能)とロボットの問題に関しては、仕事を奪うか与えるか、という単なる極論だけで考えてしまうと少し見方が狭くなってしまいます。
例えばドイツでは、ロボット・AIと人が連携する方向性の工場を目指しています。
このような連携の議論は今後とても重要になってくると思います。

人とロボットが連携するためにはロボット側でもかなりレベルの高い技術が必要になります。
2015年の春に注目を集めたファナックの次世代ロボット「CR-35iA」は、自身の制御には悪影響を与えず、人に接触した時にのみ自動的に停止するセンサーを搭載しており、このようなロボットは人と協調して働くことができます。

さて、AIやロボットについて考える時には、「代替」と「補完」という考え方がポイントになるそうです。
「代替」はロボットが仕事をうばうこと、「補完」はロボットと人が連携していくことです。
今回のダボス会議での議論は、が今後生まれるであろう技術に、どれだけ代替性があり、また補完性があるのかという点があまり論点となっていませんでした。

また、もう一つの論点として、新しい技術によって仕事が奪われる、「技術的失業」が714万人になる、と述べていますが、これはその国や地域の経済が低下することによって生じる「経済的失業」を考慮する必要があります。
この2点を考慮に入れて数字を見ると、今回ダボス会議で報告されたこれらの具体的数字はやや正確性に欠けるかもしれません。

先ほどでてきた「補完」の一例として、IA (intelligence amplifier)という言葉があります。これは、人の「知能」をAIやロボットで「増幅」すること考え方です。
アームド・スーツなど、人の一部にAIやロボットを組み込み、連携するものもあります。

人工知能に関しては、現在3度目のブームが到来しています。
このブームの原因は、「コンピューターの小型化」、「処理速度の速さ」、そして「ディープラーニング」です

特に、三つ目のディープラーニングという技術によって、様々なことができるようになりました。
例えば、物体認識(画像認識など)の性能が75%→95%まで進化しています。人間に制度は95%と言われているので、これはもう、人間の目とほぼ同じ能力を備えています。

このような技術によって車の自動運転中に車の周囲の状況を認識し、状況に合わせて運転できるといった、活用ができます。
また、最近ではグーグルの人工知能が遂に囲碁のプロに勝ちましたね。囲碁は将棋やチェスと比べて碁石の置ける場所が圧倒的に多いことから、10年間はプロには勝てないと言われてきたので、物凄い快挙です。

このように、現在人工知能は加速度的に進化していますが、かつて新しい技術によって雇用が奪われたケースは多くありました。
例えば、1800年代におきた産業革命によって、大量の雇用の喪失が起きました。
その結果、ラッタイト運動(手織工たちの機械壊し運動)のような現象も起きましたが、結局は彼らも機械を動かす仕事につき、機会と人間が共存する資本主義がここから始まりました。この時の技術失業は一時的あり地域が限定的でした。

もちろん、今後どうなるかはわかりませんし、技術的失業が年々増えていくのは問題です。

人工知能やロボットがどんなに進化しても、奪われにくい職業に関しては野村総研が出したレポートを参照してください
https://www.nri.com/~/media/PDF/jp/news/2015/151202_1.pdf (野村総研 ニュースリリースより)

ちなみに仕事を奪われない職業として共通するのは、
・人工知能やロボットを作る側に立つ
・機械に対して人間が優位性のある仕事につく
この優位性に関しては
Creativity ; 芸術家
Management ; 会社の経営など
Hospitality ; 介護や看護、おもてなし
があげられ、このような職業は、恐らくはなくならないでしょう。

しかし、現状は文字として書くことのできない知能(形式知能)に関しては、人間がかなり上です。
センサーなどを使っても、総合的な知能は人間が優位となっています。
例え人工知能が処理能力が高くても、事務員にすぐに置き換えられるわけではありません。
それは事務員は書類作業だけをしているわけでいるわけではなく、様々な動作もしています。考えながら動作をして、行動できるのは人間しかできません。

なので、しばらくは総合知能においては人間が優位である期間が数十年は続くと考えて大丈夫です。

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大学院で分子生物学を専攻していました。主に生物関連の科学に関することを紹介したいと思います。