インフル治療薬アビガン、マダニ感染症に有効 厚労省研究班

インフル治療薬アビガン、マダニ感染症に有効 厚労省研究班
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASDG22HEV_S6A220C1000000/

インフルエンザの治療薬として富山化学工場が開発したアビガンがマダニを媒介としたウイルス感染症にも有効という記事です。

この、アビガンは去年エボラにも有効だということで注目を浴びました。副作用として胎児の奇形などがあるので、現在日本では対応できない新型インフルエンザのみ適応されます。

このアビガンは、これまでのインフルエンザの薬と違い、様々なウイルスに対して効果が見込める非常に期待できる薬です。

それはアビガンの作用機序にあります。

アビガンは、「RNAポリメラーゼ阻害剤」であり、RNAがDNAに逆転写する部分をブロックします。
そして、この「逆転写」という機構はウイルスの持つ非常に特殊なシステムなのです。
本来生物はDNA→(転写)RNA→(翻訳)タンパク質という流れ(セントラルドグマ)が基本となりますがウイルスはこの機構と逆にRNA→DNAという逆の転写反応を利用します。
なぜ、逆なのかについては諸説ありますが、もともと世界はDNAではなく、RNAから始まった(RNAワールド)ということが1つの理由かもしれません。

つまり、逆転写を標的にすればウイルスのみを叩けるという事がすぐにわかります。勿論世界中の科学者がそれに気づいて創薬に取り組みました。その成功例が富山化学工場のアビガンというわけです。

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