働きアリは「老化しない」

働きアリは「老化」しない:英研究結果 という記事について
簡単な要旨とコメント
 
本記事はこちら
http://wired.jp/2016/02/09/ants-dont-age/

「ざっくり要約」
人間は年を重ねるごとに不可逆的に老いていきますが、一部の働きアリは、命が尽きる瞬間まで、老化による衰えを一切示さないという報告が、英国王立協会が発行する学術論文誌『Proceedings of the Royal Society』に掲載されました。
この論文によると、Pheidole dentata(北米に生息するオオズアリの一種)の小型の働きアリ(マイナーワーカー)は、140日間の命が尽きるときまで、老化の兆候はまったく見られなかったそうです
研究者たちはこれらの働きアリたちに、人間に見られるような老化現象が現れるかどうかを観察した結果、働きアリは死の直前まで最高の状態で生き続けるということです。
この原因として、働きアリに生殖能力がないことや、低酸素状態の環境が、彼らの健康によい影響を及ぼしたと、研究者は考えています。

「感想、コメント」
なぜ、生物は老化するのかというのは実は未だに明確な答えが存在しません。
もちろん、酸化ストレスによるものだとか、DNAの損傷の蓄積だとか様々な老化の原因はあげられるのですが、「なぜ老化という現象が起きるのか、それは生物にとって必要なのか」ということについては未だに意見が分かれています。
1つの意見としては、ガン細胞などの異常が蓄積する前に、細胞自らが機能低下することによって異常な細胞の出現を防いでいる、ということがあげられています。
この働きアリのようなケースは非常に面白くて、「老化」を介さない「寿命」というものが一体何故起こされるのかについて考えさせられる研究成果だと思います。
また、ポイントは「働き」アリなのかもしれません。
生殖機能を持たないが役割が明確である、という事は個体の死もプログラムされているのかもしれませんね。
エラーが起きる前に個体そのものを殺すことで調和をとっているとしたら面白いですね。

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