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第29回NHKマイルカップ 出走全馬解説

1,ダノンマッキンリー
前走のファルコンステークスは不利を受けたり脚を余す馬が多いなかで力を出し切っての勝利だったため、高い評価はできない重賞制覇。1600mは少し長いし、クロッカスステークスで1番人気5着だった際は関東への輸送で折り合いを欠いていたこともあり、狙いづらい。

2,ノーブルロジャー
前走の毎日杯も2走前のシンザン記念もトラックバイアスを味方につけての好走といった印象。父Palace Malice(ミスプロ系)×母父More Than Ready(ヘイロー系)の配合がG1で勝ち負けになるイメージもしづらいことから、人気ほどの評価はできない。

3,ディスペランツァ
アーリントンカップは残り250m付近までゴーサインを出すことはできなかったが、そこからキッチリ差し切り勝ち。マイルに路線変更してから2連勝となった。過去5年、父キングマンボ系×母父ノーザン系配合かつ単勝9番人気以内だった馬の成績は 2-1-0-1 で4頭中3頭が馬券になっており、2023年シャンパンカラー(1番人気2着)、ウンブライル(8番人気2着)、2022年ダノンスコーピオン(4番人気1着)と好走馬を続々と輩出しているので、3連勝でG1制覇の可能性も十分。

4,イフェイオン
桜花賞はイレ込みがきつかったし、外枠から厳しい競馬にもなっていた。2走前のフェアリーステークスの勝ちっぷりはなかなかのものだったので、力を出し切れば一発もあっていい。

5,ボンドガール
間隔が空いて本調子になかった前走のニュージーランドトロフィーでも0秒1差2着と能力の高さを見せていた。ダイワメジャー産駒は2019年アドマイヤマーズ(2番人気1着)、2020年レシステンシア(1番人気2着)、2022年マテンロウオリオン(3番人気2着)とこのレースと相性のいい種牡馬。ケンタッキーダービーで悔しい3着だった藤田オーナーの鬱憤をこの馬が晴らしてくれるか。

6,ロジリオン
前走のファルコンステークスでは直線で進路がなく、何もできないままレースを終えてしまった。3走前の京王杯2歳ステークスでも仕掛けを待たされながらコラソンビートにクビ差の競馬をしているように能力は相当高いはずで、ここでも勝ち負けのチャンスは十分ある。

7,チャンネルトンネル
前走のアーリントンカップはスムーズなレース運びができていただけに、仕掛け遅れても差し切ったディスペランツァとは着差以上の能力差を感じた。この中間はコンディション重視の調整ということで大きな上積みもなさそうなので、馬券は見送り。

8,エンヤラヴフェイス
デイリー杯2歳ステークスこそジャンタルマンタルに0秒3差2着だったものの、ここ4戦はすべて8着以下。4走前は外枠のロス、3走前は1800mが長く、近2走はバイアスや展開が向かずと敗因は明確だが、G1のメンバーでは厳しそう。

9,キャプテンシー
前走は出遅れて接触し、馬が怒ってしまい最下位と度外視できる内容だが、そもそもG1で勝ち負けできる能力があるかも疑問。さらに過去5年父ロベルト系種牡馬産駒の成績はすべて5番人気以下とはいえ 0-0-0-10 で一度も掲示板に載れていないので、買いづらい。

10,ウォーターリヒト
陣営によるとここ2戦は中山コースで力を出せなかったとのこと。きさらぎ賞3着・シンザン記念2着と重賞での実績はあるし、一昨年のこのレースで18番人気3着と大穴をあけたカワキタレブリーと同じ父ドレフォン×母父サンデー系という血統。狙ってみる価値はありそう。

11,アレンジャー
コントロールが難しい面が残っている馬なので、父からとはいえ横山和生騎手に乗り替わることはプラスとはいえない。口向きの関係で左回りでパフォーマンスを上げてきそうな可能性も感じるが、評価は相手まで。

12,ゴンバデカーブース
重度の挫跖のため4か月ぶりのレース。サウジアラビアロイヤルカップでボンドガールを負かしてはいるものの、今回は陣営も完全な状態とはいえないことを認めている。モレイラ騎手騎乗で過剰人気になってしまうことも考えると厚く買うことはできない。

13,シュトラウス
素質の高さは間違いなくG1級だが、気性面の難しさが災いしている状況。前走は控える競馬を試みていたが、それが今回に生きてくれば一発の可能性はあるかもしれない。

14,アスコリピチェーノ
桜花賞は勝ち馬のモレイラ騎手に上手く乗られてしまったが、能力の高さをしっかり見せてくれた内容だった。口向きの関係で左回りの方が良さそうという声もあるし、過去3年のNHKマイルカップで3連対のダイワメジャー産駒。牡馬相手でも能力は劣らないだろうし、ケガから復帰のルメール騎手がいきなりG1を勝つ場面を見られる可能性が高そう。

15,マスクオールウィン
「マイルは少し長いが出られるなら」ということで出走した桜花賞で1秒3差14着。今回は牡馬も加わってのマイル戦。さすがに勝ち負けは厳しいか。

16,ジャンタルマンタル
昨年暮れの朝日杯フューチュリティステークスの勝ち馬。今年初戦の共同通信杯はビッシリ仕上げていない状態に加え1800mで折り合いを欠きながら0秒2差2着、前走の皐月賞も一線級を相手に0秒1差3着。その皐月賞ではラスト1ハロンで止まっていたし、マイルへの距離短縮は間違いなくプラス。中2週の影響さえ出なければ、ここも勝ち負けになりそう。

17,ユキノロイヤル
前走のニュージーランドトロフィーマイペースの逃げに持ち込んで3着。一戦ずつ良くなっているのは確かだが、G1では力不足の印象。

18,アルセナール
前走のクイーンカップは不利さえなければ勝てていそうな内容だったので、素質の高さは間違いない。このレースの過去3年で3連対のダイワメジャー産駒だが、この馬は母父がダイワメジャーなので、警戒は必要か。

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