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2021 Movie Ranking

2021年に「劇場で」観た新作(※リバイバル, 4Kリマスターなどはカウント外)

劇場鑑賞 54回、自宅は映画だと35本なので Total 89本。
今年正直少なかった、、と思う。海外ドラマにかなり時間割いたので自宅が例年より少ない。
それと1位のアレを毎週のように通って観たりしてせいもあってカウント対象だと45本。
いざ順位となると…今年は例年になく自分の中でまだ全然揺れてる感じがするけれど、しかし1〜4位は固い。
もう2021年も終わってしまうし、映画を通してその都度いろんなことを考えているので自分が思ったことを記録する意味も兼ねて今年も並べてみようと思います。


第1位 花束みたいな恋をした
第2位 BLUE ブルー
第3位 空白
第4位 ドント・ルック・アップ
第5位 フリー・ガイ
第6位 Swallow スワロウ
第7位 街の上で
第8位 モータルコンバット
第9位 マトリックス レザレクションズ
第10位 最後の決闘裁判

第11位 くれなずめ
第12位 オールド
第13位 ベイビーわるきゅーれ
第14位 プロミシング・ヤング・ウーマン
第15位 あのこは貴族
第16位 JUNK HEAD
第17位 シン・エヴァンゲリオン劇場版:II
第18位 孤狼の血 LEVEL2
第19位 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ
第20位 ゴジラ vs コング
第21位 シャン・チー / テン・リングスの伝説
第22位 スイング・ステート
第23位 ラストナイト・イン・ソーホー
第24位 ライトハウス
第25位 すばらしき世界
第26位 21ブリッジ
第27位 ノマドランド
第28位 エターナルズ
第29位 アナザーラウンド
第30位 ブラック・ウィドウ
第31位 ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
第32位 トムとジェリー
第33位 SNS 少女たちの10日間
第34位 ワイルド・スピード / ジェットブレイク
第35位 モスル あるSWAT部隊の戦い
第36位 新 感染半島 ファイナル・ステージ
第37位 デューン 砂の惑星
第38位 聖なる犯罪者
第39位 ガンズ・アキンボ
第40位 ビバリウム
第41位 黄龍の村
第42位 あの頃。
第43位 マリグナント 狂暴な悪夢
第44位 ヤクザと家族
第45位 竜とそばかすの姫



やはり1位は揺るがず。もうこれについては…こればっかりはどうしようもないわ。心からいい体験させてもらったと思う。結局何回観たかな?
この時期 友達にもこの話ばっかりしてきたし いまさらもう何も書きませんけども (笑) 改めて思うのは「みんな」なんて居ないってことに尽きるのではないかと。これマーケティング的なリサーチと全く逆の作り方だったそうなので。
一人一人が集まって「みんな」という場があるかのように思っていただけだった、という意識へ緩やかに移りつつあることを感じる。
それにしても【フリー・ガイ】に登場した「君を助けたいと思って取った行動は、それは本物(リアル)だろ?」という場面には感動のため息が出た。これ人間の役が言ってるセリフではないので。テーマが深く極めて現代的。

年末にこうやって並べてみることは長年やってきたけれど 1位が邦画って初めてかも。
それにしてもコロナ明け(?)で一気に放出された影響なのか、邦画がとても充実していた1年だったように思う。
しかし中でも吉田恵輔 監督の2本【BLUE / ブルー】【空白】が心をとらえて離さない。
勝利、とか努力の成就、とか彼女がいる、子供がいる、確かにそれは一面的に幸福と言えるのかもしれないが、逆は不幸と言えるのか?
いや、ちょっと違うな。
望まない状況に置かれた人にとって、よしんば不幸に感じている気持ちが「どのくらいの大きさ」で「なぜそう感じているか」はグラデーションになっていて、いかに精緻に順を追って描かれたとしても「第三者にはわからない」と知ることの重要さを叩き込まれた思いだ。
…まだちょっと違うかもしれないけど、今年感じたこと、いまの自分の表現力だとこれが限界。
こういう人はこうであろう、という「線」は各自の中で無意識に引かれている。


いまから敢えての仮定文を書くが、これは差別かもしれないので断って謝っておく。
(「えっと、これは差別じゃないんですけど」という前置きをする人間は信用できないので)

片足の膝から下が欠損している男性がいたとして、

A. 足が無いなんて生活に不便だろう
B. もしプロDouble Dutchプレイヤーになりたいと思っても叶わないだろう、かわいそうに
C. 義足で歩けていて見た目にそうとはわからないのだから普通の人として接してあげないといけない
D. たしかに足は不便かもしれないけど超イケメンだし頭もよくて、羨ましいよ
など。
このように彼を観る目は十人十色、存在する。

B氏の場合これが善意からだとしても「かわいそうだ」と思っているので、分類すると「憐憫」である。このように書くと差別主義者の匂いが急激に立ち上ってくる。あるいはD氏はかわいそうだとは思っていない。しかし彼のロジックを悪く捉えるならば「障害者はブサイクよりマシだと思っているのかい?」と言い換えることも可能だ。
どの反応が正解ということを言いたいのではなく、各自の中に「線」は存在するということをここでは言いたい。

ちなみに片足の膝から下が欠損している男性はオレの血縁者に実在し、彼はこのことをどう思っているか本人から聞いたことが何度かある。
しかし彼がどの程度本気で言っていたのか、なぜそう思っているか、本当のところは「第三者にはわからない」。

他人を自分の物差しで「安易にかわいそうとか思うな」ということを言いたわけではないので強調しておきたい。
(ていうか、これがなくなると「助け合い」が消えた世界になるし、人の善意は誤解があったとしたって善意なんだから素直に受ければよく、誤解の部分をこそ丁寧に会話していくべきであると考えている。)
そうではなく、自分の中にある「線」が相手への期待へと勝手に成長してしまう可能性があってそれは恐ろしい、ということをこの2本の映画から感じた。
少し飛躍するが、「責任を感じているなら(一般的に)このように振る舞うのが望ましい」というように、線が「ま、こういうもんだろ」てな具合に周囲の線とつながったものが現代社会で常識と呼ばれているものの正体である。
将来の自分へ。もう一度書くよ。
本当のところは「第三者には決してわからない」からね。忘れたころに必ず自分に返ってくるぞ。


あ、オレ今年ディズニー/ピクサー観なかったんだなぁ。
あと「ファーザー」観逃してるのが本当に…まったく何をやっているんだ自分は、と。
職場の後輩からも熱く感想送ってもらってたのになぁ。。など、こうして振り返ると後悔の気持ちが湧いてくるのは何歳になっても変わらない。

【ベイビーわるきゅーれ】は最高だし、【プロミシング・ヤング・ウーマン】などなど今年も名作は大量で悩んだけど、この辺は十分他の媒体とかでいくらでも素晴らしい評論が出てくるだろうし、自分なんかじゃうまいこと書けないなということで。
しかし個人的にということなら【OLD】はかなり思い入れた。なにもできないまま歳だけとっていく無力感…が2021年の日本に居た自分にはリアルに感じられ、なんとか10番以内には入れたかった気もまだ少し残っている。
泣きの瞬間風速は【くれなずめ】のクライマックスの展開。演技を超えて迫るものがあった。
ベスト of 悪役 2021 は【孤狼の血】 鈴木亮平の演じる上林。これはヤバかった。
【ゴジラvsコング】、いうても怪獣対決でまさか膝蹴りまでやるなんて本当にアメリカはどうかしてると思う。これからもこの調子で頑張って欲しい。


自分の中にあるバイアスを完全に0にして作品に触れることは不可能と書かれている方がおり、本当にその通りだと思う。
【エターナルズ】を巡っては映画クラスタで多様な議論が交わされた。
本編よりも映画を挟んで交わされた論争の方に激しく当てられてしまい、誰かの意見に「あなたのその考えは無意識の差別であり、自覚し、勉強すべきだ」という強い指摘が突き刺さるのを時には直接聞いて、また悩み、ぐるぐると考え、一時期「もう映画を観る自信がない」というところまで追い込まれてしまって少し病みかけた。オレが言われてんじゃないのに。しかし意見を表明すらしなかった(というかそこまで思いもせずに観た)ことが、それは自分がマジョリティであり世の不均衡に目を向けないで済む優遇された立場にいることの証明であることも思い知った。
しかしエターナルズ自体はそんなに面白いと思えなかったのだ。差別とかじゃなくて。
>>いや、そうじゃなくてそれこそが差別なのだ。
え?じゃエターナルズすげーって思わないと差別主義者なんですか?と。
>>いやそんなことは言ってなくてですね、それは問題を単純化していますよアナタ。
そうなのかもしれない。自分はまだ何が論争を呼んだのかわかってないのかもしれない。

ああダメだコレまた病みそうだ。けど、自分はまだ全然わかってないのだと今は思うことにしている。
正直いまMCUが怖いし、年明けのスパイダーマンに身構えてもいる。

ここで【最後の決闘裁判】という作品から感じたことを自分のために残しておきたい。
我々には物語を見出してしまう、という性質がある。

・妻が陵辱されたと言っている。そういえば私はお前に軽んじられてきた。
・私の行為はそのようなものではなく、彼女と私は運命である。
→では、決闘により正義を神に委ねようではないか。

これが要約であり、要約として不備はない。
しかしこの映画はこれを3者の視点で3周するため、要約で捉えていると同じことが3度繰り返されるように見えてしまう。
誰も嘘は言っていないからである。しかし各自の目に見えている物語は全く異なるものだった。
2021年は『ファスト映画』が話題になったことも記憶に新しいが、「要約」では描けないものの代表例のような映画。
そして「オレの考えたオレが観ていたい物語」の背後で置き去りにされていく被害の当事者。
かようにして現代においても「コロナに打ち勝った証としての五輪」とかいうありもしない怪物語は爆誕してしまうわけである。
人が、オレらと同じ人間が、確実に亡くなっている事実があるにも関わらず。打ち勝ったことにしてしまおうという想像力の無さには恐怖を禁じ得ない。


最後に【マトリックス レザレクションズ】
全国に厨二患者を産んだマトリックスが公開されたとき自分は JUST 中学2年生だったため順調に大変なことになった世代で、
同じく修学旅行の飛行機で7回も観てたバカと今回も一緒に2人で鑑賞。
当然のように黒のロングコート着て行ったら彼は普通のマウンテンパーカーだったのでバカはオレの方でした。
彼と飲みながら話したのは「マトリックスをどういう風に思っていたか」によって評価が分かれる新作だよねということ。
「スプーンがそこにあるという固定観念から意識を解放しないと曲げられない」ことがやっぱり一番重要な教えだったんだと今は思う。
自分がいる世界がMatrixでも現実でも本質的にはどっちでも良くて、自分を縛る概念さえ知覚できればあとは無敵、
いつからでも何にでも自分の好きな感じになればいい。
そういえば最近服のテイストがまたちょっと変わった。もちろんよりカッコいいと自分が思っていられるようにありたい。オレは着道楽なんでね。

来年も映画館で映画を観ていたいなと思う。そして多くのことを考えたり感じたり省みたりしていきたい。
 
今年もお世話になりました。あんまり会えなかった人が多いけどオレはMatrixのように着々とVersion更新中だよ。
またどこかで会えることを。
良いお年を*

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