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スカイウォーカーの夜明け・直後

早速『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』観ました。
写真はオレのライトセーバー歯ブラシを盗んでジェダイの騎士ぶっている息子です。
そう「オレの息子は生きているさ。」ですね。いいシーンだったなぁ(涙)


そのスターウォーズ完結譚を見て自分も24時間以上は考え続けたところですが思うところはかなりありました。感じたことをすこし綴っておきたい気持ちになったので残してみます。
本筋に関するバラしは避けながらなのでこれは大丈夫な範囲だと思います。

と思ったけど微妙にダメかな?間接的に少し触れちゃってるか。
まぁ超好きなこだわりの人はすでに観に行ってるだろうからいいかなと。


基本的には面白かったです。まず目につくのはEP7,8と同じ映画とは思えないテンポの速さと情報処理。焦らしと勿体つけが目立つ7, 展開の重々しさと作戦の無謀さ故に話がなかなか進まない8とは打って変わり、とかく直線的にグイグイ進む今回。
冒頭からしても「Dead speaks!」から始まるインパクトは大きい。EP7の「スカイウォーカーが消えた!」に近い。
しかしこれは裏を返すと、ゆっくり広げすぎた風呂敷を一回休んでたJJ エイブラムスが大急ぎで畳んでいく様を記録しただけのような結果なんじゃないだろうか。それ映画か?

EP9単体を通してみると話はまとまっているし、面白かったような気もする。観てる間はそう思えなくもなかった。でも。
それを言っちゃあということにはなるかもしれないけど、一番大きいのは『結局これだったらいいわけ??』という点。
予告を見た段階で、え、今までその話してなかったじゃん、てゆーかその先の話だったんじゃないんかいとはうすうす思っていたが。。
最終章でいきなりいつもの敵が急に設定されて、それを今までと同じやつの超強い版でやっつけるだけなんだったら結局EP何だろうと毎回それやってりゃいいじゃねーかよ。何のために4年も勿体付けてきたというのか。
EP8「最後のジェダイ」は確かに世評通りで脚本からしてめっちゃくちゃではあるし、ひどい出来だったかもしれないが、主題として持っていた「誰でもジェダイになれる “可能性がある”」は非常に自分好みなメッセージだったし、過去誰も挑戦しなかった。荒削りだけど批判を恐れず革新性と勇気をもって前に進んで見せた1本だった。エンドロール直前のラストショットは今観ても泣けるが、それは作り手の覚悟も同時に見えるからです。だからクオリティがどんな低くても個人的にEP8こそが自分はいまのところ一番好きと言える。
そのスタンスで観るとどうだろうか。今回は不評だった8の要素を何とか消し去り、場合によってはキャラごと存在消したりして歴史修正しながら、みんなが好きな6みたいにすることに特化されすぎてるきらいが「隠す気すらない」ように見える。
ちょっとひどくないかそれはクリエイティブ面で・・・。

EP9だけ観ると確かによくまとまってはいるけど、自分にはどうしても両手を挙げて好きにはなれないし、それ以前にシリーズ中もっとも幼い作品に落ち着いてしまった印象がいまは強い。
子供を喜ばせること、老人をなだめること、両者は実は行為として似てくる。どちらも「あやす」ようなやり方になってしまうのだ。これはファンの責任だろう。これまでと違う、外れたことした前作は叩かれすぎてしまった。

こまかく追うと良いな面白いなと感じたエッセンスもたくさんあったので面白かった気持ちも絶対あるんだけど、僕には本質的にこの巨大な違和感が透けて見えてしまってる状態だったのでバイアスはかかってしまっていたと思います。
しかしそれを別にしても非常に好ましく思った場面は2点。
ひとつはEP8の要素をギリギリ受け継いでいた、レイを励ます中盤のシーン。血統がなんだ、大事なのはいまの自分だろ、と言ってやれる資格があるのは、それを証明して見せた勇者たるこの人物だけだから。そこまで汲み取って考えると胸を打つ展開ではありました。
ただし。でもだね、オレは汲み取ったからあれだけど、作ってる側も本気で同じように思ってんだったらこんな結末とタイトルにするなよと言いたい。特に結末は「レイは結局あんま話聞いてなかった」としか思えないよ!あとレイアはスカイウォーカーじゃねえ!
そしてもうひとつはカイロ・レンことベン・ソロのエピソード全体ですね。
I Know. とかね。死ぬほど泣けたこれ。たぶん唯一ベンの話だけが当初から構想されていた通りの結末を辿れたのかなと思ったりしています。かつて祖父アナキンは葛藤の末、救うことはジェダイにはできないというシディアスの言葉が引き金になりダース・ベイダーとなってしまったが、その少し前にアナキンはパドメに自分でこう言っていた。「ジェダイは執着を禁じている。でも無償の愛なら」
・・・まさにその通りでしたね。今回EP9でベンはその、アナキンも成しえなかった境地に達したと言えると思います。ここは号泣だよ本当によかった。

総じて新シリーズはカイロ・レンまわりは全部良い、超良い、そしてその1点を以て新しいスターウォーズということだったんだなということはできると思ってます。
でもそれ以上にEP9はなんか、映画という一種のアート表現というよりは、もはや不健康なまでに肥大した現代のマーケティング志向が生み落としてしまったモンスター商品のようなもの、だというのが2019現時点での僕の結論です。
まだ変わるかもしんないけどね。

はあ、久々に映画で長めに書いたな。。

Merry Christmas & May the force be with you,,,Always.


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