コント「未送信ボックス」

コント「未送信ボックス」

左右に椅子。客席から見て右側の椅子にBのスマホ。

Aが板付き。スマホの前


明転
AがBのスマホを触っている。しばらくしたら、左の椅子に戻る。ポケットから取り出した自分のスマホを触っている

Bが右側から入ってくる

B「うわっ。スマホここに置きっぱだったわ。開けっぱだし。」
A「そうね」
B「危ねえ危ねえ。」  

B「うん?そうね?」
A「うん。ロック解除したままだったね。」
B「いやいやお前、なんか触った?」
A「うん」
B「えっお前何いじった」
A「あの、メール送っといたよ」
B「メール?まじっ?誰に?」
A「あの、未送信ボックスに、下書きとして保存してあったやつ、あったでしょ。あれ全部送っといたよ。」
B「は?」
A「いやだから下書き全部送っといたよ」
B「え、本気で言ってんの?待って待って待って。本当だ。たくさん送信してあるじゃんふざけんなよ。」
A「送り忘れてたやつじゃなかったの?ごめんごめん」
B「そんなわけないだろ。送ってなかったうやつだよ。いくつ送った?」
A「5つ位かな。一気にポンポンポンポンポーンって」
B「いやポンポンポンポンポーンじゃないわ。これついさっき打ってたゼミの教授宛のメールだよ。中途半端なところで送っちゃってるわー。うわ。元カノ宛のメールもあんじゃん。最悪だわー。」
A「何書いてたの?」
B「そんなの言いたくないわ。てか本当に何も本文見ずに送ったんだな。」
A「うーん。勢いでおくったからね」
B「怒りというかただただ怖いわ。うわっ。教授から返信きた。『書き途中のメールを送ってしまったようですね。十分気をつけてください。』だって。最悪だよ。」
A「それは本当に申し訳ないなー。でも、悪気はなかったんだよ?」
B「悪気がないのが一番怖いんだよ。」

B「うわっ。元カノからも返信きた。」
A「マジで?」
B「どういうつもりで送ってきたのかは知らないけど、私もやり直したいと考えていた」
A「おっ?」
B「なんて言うわけないでしょ。私はもうとっくにに切り替えています。ふざけた真似しないで。」
A「ヒーー」
B「まじふざけんなよ。なんて返せばいいんだよ。」
A「でもさ、またこれで切り替えて、次に進めるんじゃない?」
B「お前は本当に恐ろしいやつだな!」

(暗転)

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