「採用学」4~6章 #my bookshelf

人材育成とは:企業が戦略目的達成のために必要なスキル、能力、コンピテンシー等を確定し、こうした能力などを人材が学習する過程を促進・支援することで、人的資源を計画的に供給するための活動。

人材採用とは:採用とは、①企業の目標および経営戦略実現のため、②組織や職場を活性化させるために、外部から新しい労働力を調達する活動

優秀さの因数分解:もともとの能力(採用判断)+能力の傾き効果(採用判断)+教育効果(育成効果)

【変わる資質、変わらない資質】

比較的簡単に変化:リスクに対する志向性、(技術的知識的に)最先端であること、教育、経験、自己に対する認識、コミュニケーション(口頭)、コミュニケーション(文章)、第一印象、顧客志向、コーチング能力、目標設定、エンパワーメント

可変的だが変わりにくい:判断能力、戦略的スキル、ストレスマネジメント、適応力、傾聴、チームプレー、交渉スキル、チームビルディング、変革のリーダーシップ、コンフリクトマネジメント

非常に変わりにくい:知能、創造性、概念的能力、部下の鼓舞、エネルギー、情熱、野心、粘り強さ

【入社後の育成機会の有無と採用基準】

自社にとって必要な能力か否か→

(yes)変わりにくいか→(yes)採用で見るべき、(no:必要な能力ではない)見なくてもいい

必要な能力かつ変わりにくくない→育成機会の有無→(有る)育成で見るべき/(無い)採用で見るべき

【ブランディング】業界の魅力or企業の魅力のいずれかもしくは両方を兼ね備えている場合、求職者は「なぜ、そこがいいのか?」という問いに明確に答えられない⇒明確な答えがないというのが正しく、むしろそれこそがブランディングである。採用ブランディングによって自ずと求職者が情報を調べ、他社と区別できるようになる。セルフスクリーニングにつながる⇒採用ブランディングの確立は募集広告に多大なコストをかけなくても、十分な数の求職者を惹きつけることができる。情報処理コストの削減と広告コストの削減につながる。

【経営学者による良質なエビデンス】

「具体的で、挑戦的な目標を設定することで、業績は改善する」(Latham, 2009)

「正確なフィードバックは、業績と学習の向上をうながす」(Kluger&DeNisi, 1996)

「金銭的報酬は、それが当該個人にとって重要である場合のように、ある種の条件下においては人々を実際に動機づける」(Rynes, Gerthart&Parks, 2005)

「個人の業績に連動した金銭的報酬は、当該個人が期待された水準の業績を実際に達成する前の段階で、当人に多くの学習の余地があるときにはうまく機能しない」(Durham&Bartol, 2009)

「個人の業績に連動した金銭的報酬は、人々が相互に依存する度合いが高い時にはうまく機能しない」(Shaw et al, 2002)

【データ分析】企業において、各部署によってデータの捉え方、ニーズが異なる。~~~それぞれ「問い」が違うから、集めるデータが異なる。(ex.採用担当は採用、経営企画は経営企画、業績評価は業績評価…)

翻って、問いの立て方を変えれば、データの見え方も変わってくる。例:「わが社に合う優秀な求職者は誰?」⇒「入社後3年を経過しても、満足して企業にとどまり続け、かつ高い業績を上げる社員とは?採用段階、入社後に、企業として可能な方策とは?」

「問い」が「想像力」の及ぶ範囲を限定し、「データの活用範囲」を限定する⇒「問い」の拡大が「想像力」を拡大し、「データの活用範囲」を拡大する

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