阿蘇ロックフェスティバルFIRE2023

阿蘇ロックフェスティバルFIRE2023、2日間いつもの阿蘇のアスペクタで開催された。

僕は東日本のフェス事情はほぼ全く知らない。ロッキンに10年くらい前まで数回行ってたくらいだし、フジロック、ライジングとかの日本を代表するフェスにも行ったこともない。
でも敢えて言おう。
阿蘇ロックは最高であると!

2日間丸々体験した阿蘇ロックにロックフェスとしての1つの『完成形』を見た気がした。

ロケーション
ホスピタリティ
アーティスト
フェス飯

これらを全て兼ね備えていた。
アーティスト(タイテ)に関して言えばMCの方も言っていたが、阿蘇ロックはなかなかエグいことをやっている。
初日に関して言えば、なんてったってアイドルこと小泉今日子というリアルアイドルからのトリがバーチャルアイドル、星街すいせい。
知識不足であれば申し訳ないが、この流れは日本初じゃないだろうか。冷静に考えるとこれはヤバイ。

2日目に関してもきゃりーぱみゅぱみゅからのCocco。
なんかもう…製造業の最先端技術と匠の技を一気に見せられた気分。
どちらも時代を写す鏡のようだったし、意図的にこのタイテを阿蘇ロックが組んでいたのだとしたら末恐ろしい…。

他にもライブレポ的なことを挙げるとキリがないので、表彰的に表現するとこんな感じになる。

衝撃を受けたで賞
yama
ZAZEN BOYS

思いっきり泣いたで賞
BLUE ENCOUNT
サンボマスター
Cocco

究極のエンターテイナーで賞
C&K

最優秀新人賞
歩行者

やっぱり歩行者は触れざるを得ない。インストバンドはACIDMANという最高のお師匠さんがいるので全く抵抗がなかったし、それよりも曲の世界観がマジで最高過ぎた。
お昼にフードエリアで普通にメンバーが食事しててその後で少し英語で話して写真も撮ってもらった。
…これは、初の海外アーティストとの接触だったんだと家に帰ってから実感した。
やっぱり一歩踏み出してみるもんだな。

DJの肥後のび太くんとも会えたし、今までで一番阿蘇ロックを満喫したと思う。
次回は1/6の夢旅人をぜひかけてほしい。熊本、樋口さんの地元だしね。

ブルエンも5年前ぶり2度目の出演。
5年前は曇り空だった阿蘇に『もっと光を』を歌い始めたら本当に日差しを引きずり出したというミラクルを起こしたし、今年も同じ曲で阿蘇ロック最初のシンガロングを起こした。田邊くん本人も「阿蘇ロックのクライマックスをあなたと作りたい」と言っていたが、あの瞬間は間違いなく阿蘇ロックのクライマックスの一つだった。


あと、阿蘇ロックは音がいい!泉谷しげるもワイドナショーで話していたが、阿蘇の中で掻き鳴らされる爆音は本当に心地いい。一番後ろのテントエリアにいてもあんなに音がクリアに聞こえるのは阿蘇ロックの大きなアドバンテージでもある。

行政の繋がりもきちんとPRできる時間もある。町の教育長が挨拶するフェスあるかい?地元の高森高校の生徒さん達もアーティスト紹介のイラスト描いたり、マスコット作ったり、ハンバーガー作ったり大忙し。
自分も学生時代にこんな機会があったらと、本当に羨ましかった。
渋谷陽一はロッキンの初期の頃ホスピタリティの充実を掲げていた。ロッキンだけでなく、日本を代表するメガフェスとなると最も難しくなる側面ではないかと思う。でも阿蘇ロックは今の規模であれば、十分なホスピタリティを維持できているし、ボランティアやスタッフの人数もこの規模としてはかなり多い気がする。滅多に人がごった返すことがないのは、まさにストレスフリー。
またフェスをやる上で誰がどんな思いでこのフェスをやるのか、主催や関係者が表に出てくることも大切な側面でもあると個人的には思う。

※長崎のスカジャンもMCでFM長崎のYUJIさんが出てくるし、九州のフェスは地域振興と切っては切れない関係性を構築できているんだと感じる。

阿蘇ロックは毎回、大抵そうなるのだが、自分が見たいのが基本ロックバンドで、他のお客さんはそれ以外がお目当てのアーティストな感じ。だからフロントエリアでごった返すことがほとんどなく、同時に飯もほとんど並ばずに食べれた。
定番もの、中華、イタリアン、海鮮、和食、デザート、何でもあり。言うことがない…。
フェス飯に十分な選択肢があるというのはとても重要。今年の阿蘇ロック飯は過去最高を間違いなく更新した。朝から川魚食えるなんて、旅館の朝食かよ(笑)


ナイトイベントも初開催。
2年前はキャンプファイヤーで、それも良かったけど、日付が変わる頃までゆっくり音楽を楽しめる九州のイベントを僕は知らない。キセルのライブが終わったのが23時半頃。キャンドルジュンさんの作ったステージを初めて生で見たけど、幻想的という言葉が本当にしっくりきた。

個人的な来年以降課題としては移動手段、お風呂、キャンプかな。
今年のように帰りのツアーバスが運行キャンセルになる可能性もまたあるかもしれないし、お風呂もやっぱりある程度自分のタイミングで行きたいのもある。らくらくキャンプは場所的に傾斜があるのでやはり今回も月曜日は平衡感覚が少し狂った。もちろんそれを承知で申し込んだのだから阿蘇ロックに100%非はない。完全自己責任。2日目GLIM SPANKY見たかったのに完全に寝落ちしてしまったし、睡眠をしっかりとる必要性を痛感した。
来年はペンションに泊まる、行き帰りに車で行くことも検討する必要もあるとは感じた。


正直阿蘇ロックの魅力を1人でも多くの方に知って欲しいという気持ちは今年参加するまで大きかったが、終わった今では少し逆の感情もある。

阿蘇ロックは知る人ぞ知る的なフェスでいいんじゃないか。
隠れ家的ロックフェスがあってもいいんじゃないか。

ここまで阿蘇ロックが理想的なフェスになってしまうと、もはや他の人に知られたくないとさえ思う自分もいる。
出演アーティストだって毎回、できるなら一度は見てみたいと思えるライブが見れるし。
(これまでもELT、清水ミチコ、金爆、泉谷しげる、ワイドナショーコラボ等、今年は小泉今日子、BEGIN)

阿蘇ロックは
音楽を楽しむこと
大自然を感じること
食を堪能できること

全てが揃っている。

自分が知ってるフェスの中で一番時間がゆっくり流れてる感じがする。
ライブは一瞬だけど。

非常に個人的な感想だが、今年の阿蘇ロックはいろんな新興フェスが目指すべき運営面での方向性を完全網羅できている気がした。

こんなフェスがあったらなぁと思うことがだいたい叶うフェスはそうそうない。

阿蘇ロックは今の規模のまま、中身の充実度を極めていって欲しい。

最後に一言。

ACIDMAN呼んでくれ!!!!!
このロケーションと合わないはずないから!

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