整形レポ 〜人生が180度変わる魔法〜
はじめに
どーもこんにちは!元気と申します!
今回の記事では、僕がインフルエンサーになるに至るまでを「整形」というキーワードを軸に赤裸々に語っていきたいと思います。
なるべく読みやすいよう物語のような構成にしたので、少しでも多くの人に楽しんでもらえたら幸いです。
それでは早速いってみましょう!
第一話「自分の顔が、ずっと嫌いだった」
片方だけ二重、もう片方は一重。
鼻は低く、潰れている。
口ゴボであり、首が、ない。
仕舞いには、唇の上の大きな大きなホクロ。
友達からの呼び名もホクロだった。
鏡を見るたびに、ため息が出ていた。
親に対して「この顔が嫌いだ」と
何度も何度も発狂していた。
誕生日プレゼントには
フェイルシャルフィットネスpaoを親に頼んだり
寝る時には絆創膏で唇を塞いだり
家に帰ってきたらすぐ、鼻にシンクロナイズドスイミングの選手がつけているようなクリップをつけたりしていた。
第二話「高校進学、ホクロ除去」
中学を卒業した春休み、初めて親にこんなことを言った。
「俺、ホクロ取りたいんだ」
ネットを使って、ここの美容外科だったらホクロ取り放題で安く済むな、なんて考え、計画を立て、それを実行に移した。
初めての整形。不安がなかったかと言えば、嘘になる。今まで、自分のアイデンティティとなっていたホクロ。ずっと嫌ではあったが、それを取ってしまうことで自分が自分でなくなってしまうのではないか、そんなことを考えていた。
ホクロの除去が始まった。麻酔をかけられ、薄れゆく意識の中で、スルメイカを炙ったみたいなニオイが鼻に入ってきた。
ホクロを焼いているニオイだった。
術後、軟膏を塗って、絆創膏を貼って、帰った。
数週間後、何度も確認したが、確かにホクロは消えていた。
少し寂しい気もしたが、それ以上に、これで人生が少しでも上手くいくといい、なんて前向きな気持ちで高校に入学することができた。
最高の高校生活が始まるんだ。
青春を送るぞ、そんな期待を胸に抱いていた。
しかし…
第三話「日焼けにより、ホクロ復活」
高校生活は順調であった。
ホクロがなくなったおかげで、明るい人間として、周囲に上手く馴染むことができた。
そして調子に乗り、ラグビー部に入った。
そこから、また全てが狂い始めた。
ホクロ除去というのは、レーザーで黒い部分を焼き切るというふうにおこなわれる。
しかし、俺のは根が深かったのだ。
それはそうだ、ホクロと呼ばれるくらいなのだから。俺の名前、俺の存在よりも目立つホクロだったのだから。
ラグビー部の練習で大量の日光を浴びたことで、皮膚を守ろうとメラニン細胞が黒い色素を生成していった。
そして、また、ホクロが復活したのである。
その事実に気づいたのはしばらくしてからだった。
絶望した。世界が灰色に見えた。
大学だ、大学生になった時、今度は完膚なきまでにホクロを叩き潰し、幸せになってやる。そう心に誓った。
第四話「2度目の整形、ホクロ除去&二重埋没」
大学合格が決まると同時に、親にすぐ頼み込んだ。
「お願いだ、ホクロ除去と二重整形をやらせてほしい」
親は渋々受け入れてくれた。
今度は失敗しないぞ。
そうして俺はインターネットを駆使し、ありとあらゆる情報をかき集め、ここでなら満足のいく施術を受けることができる、とひとつの美容外科に的を絞った。
いざ、当日。
スルメイカを炙った時のニオイ
あの、忌々しくもあり、懐かしくもあるニオイ
ある意味では俺の青春のニオイであり
俺自身のニオイでもある。
無事に施術は終了した。
続いては二重整形。
どのようにおこなわれるのかというと、まず初めに局所麻酔をする。そして次に、目玉を傷つけないよう小さな鉄の板のようなものを瞼と目玉の間に入れる。そして、二重になるように瞼の皮膚を縫い合わせていく。
もちろん意識はあるわけで、
本当に本当に怖かった。
でも、それ以上に、片目が一重で片目が二重、写真を撮るといつも変な顔に写ってしまう自分とおさらばできると思うと、本当に嬉しかった。
そして俺は、完璧な顔を手に入れることができた。
最終話「インフルエンサー」
「みなさんどーも!元気TVのお時間です!今回やっていくのは『日焼け止め王!どの日焼け止めが最強なのかを湘南の海で大検証!』です!パチパチパチ」
お疲れ様でーす!
ふぅ、撮影長引いちゃったな。
今日はこのあと六本木でリュースケさんの誕生日パーティか、ダルいしちょい編集してから行こうかな。
パソコンを開き、動画を確認する。
そこにはパッチリ二重で、ホクロひとつない、透明素肌で満面の笑みを浮かべている自分が写っていた。