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学び続けることをライフスタイルに

武蔵野美術大学大学院での社会人学生としての生活がもうすぐ修了を迎える。リカレント教育の重要性が叫ばれる昨今であっても、社会人学生はまだまだ稀有な存在だ。映画館や携帯ショップのお姉さま方のリアクションがそれを物語っている。携帯ショップにいたっては、こっちだって勇気を振り絞り学生証を差し出したのに、年齢制限だと言われ追い返される始末である。ちなみにタピオカ屋のゴンチャでは、まけてくれる。正真正銘の文句のつけようのないリアルJKに紛れて行列に並ぶ僕。レジでしれっと差し出した学生証を受け取りながら、店員は一瞥する。

「おいおい、オメェいったい何年学生やってんだよ。3浪5留かぁー?しかも美大だぁ??このクソビンボー人のホ●野郎!!」

心の声が痛い、100円程度の割引の代償としては、痛すぎる。ジェンダーフリーはだいぶ浸透してきたが、おっさん学生には、まだまだ世間は冷たい。

ただ、僕にとっては二度目の社会人学生である。3年前の2018年に東京都立大学大学院の経営学修士(MBA)を修了している。翌年の4月に武蔵美の大学院に入学しているので、我ながらリカレント教育を満喫していると思う。

美大に入学した理由はシンプルで、デザインやアートについてよく知らないからだ。そして、得意でないから。苦手なら勉強しなきゃなと。

そんな僕が、デザインやアートの領域に関心を抱いたのは、二十歳ぐらいの頃に読んだ、経営学者であるH・ミンツバーグ教授の『MBAが会社を滅ぼす』という著書がきっかけだ。

ミンツバーグ教授いわく、経営というものは「アート(直感)」と「クラフト(経験)」と「サイエンス(分析)」の混ざり合ったものであり、この3つの要素は、バランスよく、かつ機能的に組み合わせられていなければならないという。

アート、クラフト、サイエンス

過激な本のタイトルはそのまま同氏の警鐘だ。現在のビジネスでは過度に「サイエンス(分析)」と「クラフト(経験)」が重視されており、なかでもビジネススクールにおけるMBAプログラムでは、基本的に「サイエンス」しか教えていないため不十分であるという。

ビジネス環境はさて置き、21世紀のビジネスを先導していく経営者やビジネスパーソンのスキルセットとしては、いずれの要素も求められる。そして、僕のビジネスパーソンとしての長いレベ上げの旅はここを起源としている。僕らの世代は「バブルの崩壊」に始まり、就職活動時期には「リーマンショック」に「東日本大震災」とネガティブなワードが次々と新聞の紙面を飾り、社会人になるまで生涯ずっと不況であった。つまり、幼少期からずっと日本企業のていたらくを目の当たりにしてきた。(もちろん、すべての企業がそうではないのだが、、)

大学生の頃、バイト先の飲み屋で、いつまでも「バブル、バブル」言っているくたびれたスーツのサラリーマンたちに「おい、ゆとり!」と絡まれる。接客しつつも心の中では「うっせぇバブバブじじい!!テメェらのせいで、ずっと不況じゃ、ボケ。」と割と本気で思っていた。そして、だからこそ、自分が社会人になるからには、日本企業を変えなきゃいけないという中二病的な使命感を勝手に抱いていた。そして、今なおその旅の途中。

自分でも序盤にしてはなかなか面白い旅をしていると自負しているが、旅の顚末は本稿の主旨とズレるので、またどこかで。要は、クラフトは印刷会社の営業職としての経験から、サイエンスはMBAの学びと経営コンサルタントとしての実務により培っている。アートはどうしようかなーと悩んでいた矢先に、社会人でも通学可能なデザインスクールが創設されたので、武蔵美に入学した。

武蔵美で何を学んだかとか、書きたいことはまだまだあるけど、くたびれたので、今日はここまで。またそのうち更新します!

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