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地域文化を潤すうなぎ

2020年7月20日、武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論の授業内にて、地域文化商社である「うなぎの寝床」の白水高広(しらみずたかひろ)さんのお話を聴講した。

地域文化を紐解き循環させる

白水さんは、地域文化をモノを通して伝える「うなぎの寝床」と、体験を通して地域文化を伝える「UNA Labs」、そして、最近では「サイセーズ」というモノの循環を支えるブランド立ちあげて運営されている。地域文化とは「ある一定地域における、土地と人、人と人が関わり合い、生まれる現象の総体」をさすという。そして、「もの」と「ひと」を介した本質的な地域文化の継承と収集、そのあり方を思考し、行動し続ける生態系を作るということをビジョンに掲げて、地域文化商社を運営されているとのこと。

地域文化商社としての5つの実行項目

「うなぎの寝床」では、特定の地域で以下の5つをフローで回しモデルをつくる。今後様々な地域で応用していく。

1.地域文化の探求・研究

2.地域文化の経済循環

3.地域文化支援顧客の創造

4.地域文化のアーカイブ

5.地域文化間の交易の促進

地域文化社としてのポジション

地域には様々なプレイヤーがいるが、それぞれ意識もレイヤーも違う。「うなぎの寝床」は、それをつなげたり、それぞれがやれていない領域を事業化し、まちとひとを再編集・再構築することで、地域を文化的にも経済的にも高いレベルにもっていく。

つかいて(消費者・関わる人)の問題意識を変える

人は印象的な「体験」によって「意識と行動」が変わる。ものを買って、使ってもらうだけだと何も変わらないという問題意識から、「UNAラボラトリーズ」を立ち上げた。

文化から地域を変える

白水さんの講義を聴講して、文化から地域を変えることの重要性を知った。私自身、出張などで地方都市を訪れた際に、大手小売業のチェーン店が乱立し、首都圏とさほど変わらない風景の地方都市には寂しさを感じていた。

しかし、「これも時代の流れだろう」と受け流していた。誰かが何かやらないと変わらない。本来であれば、地方の行政に任せたいところではあるが、あまり気概を感じない。苦労をいとわず地域文化を再興させようとする白水さんの試みはいつかこの日本に大きな恵をもたらしててくれそうな気がしている。そして、私自身も地域文化に目を向けられるビジネスパーソンを目指そうと強く思えた。

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