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山村精一愛妻物語第一弾 第11話「愛すればこそ」 脚本:永原秀一、峯尾基三 監督:金谷稔

永原秀一初の太陽脚本。

5-3「元恋人への慕情と引きずる絆」
5-4「ふと出会った見知らぬ者同士の親愛の絆」

・元恋人(元妻)への慕情とは
 太地喜和子と勝手に離縁された小池(郷瑛治)

・ふと出会った見知らぬ者同士とは
 マカロニと高子(町田祥子)、、ようこと読む

山村高子がシリーズ初登場する。
★町田祥子(まちだ ようこ)
1956年に「ミス松竹」に選ばれ、松竹に入社。

太陽にほえろ!準レギュラー

第11話「愛すればこそ」(1972年)
第23話「愛あるかぎり」(1972年)
第29話「奪われたマイホーム」(1973年)
第97話「その子に罪はない!」(1974年)
第114話「男の斗い」(1974年)
第127話「非情な斗い」(1974年)※欠番作品
第151話「刑事の妻」(1975年)
第179話「親と子の条件」(1975年)
第188話「切札」(1976年)
第206話「刑事の妻が死んだ日」(1976年)
第290話「執念」(1978年)回想シーン

マカロニが高子に夢の中で(死んだ母への慕情)を
重ねるシーンがある。年上の女への切ない慕情。

尚ボンも年上の女には慕情を擽られる。

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刑務所から出た小池は、一途に恋したう情念を以って
元妻由起子の所在を探す。
しかし元妻が刑務中に勝手に離縁していた。
また再犯の可能性を危惧する山村は小池の
落ち着き先を確認しようと付け回す。

マカロニは、それが山村の性分だからと
ゴリや野崎が言う「仕方のなさ」を一笑に伏す。

その時山村の奥さん高子が
中央病院に担ぎ込まれたという電話。
「心臓病の発作が再発し予断が許されない」
「今度ばかりは今迄と違う」と病院はいう。

マカロニ11話

★この時視聴者は
 山村高子が心臓病を患っている事を初めて知る。

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山村にやっと連絡が取れたとき、
公衆電話(赤い)昭和時代の電話☎️。
いまや過疎地でしか見られないだろう。
懐かしい昭和の風景。しかしここは東京だ。

ここで間奏されるのは、
井上堯之バンドの名曲
♫「冬の黄昏」、、メインテーマのバリエーション曲です。


ボスも「今度ばかりは勝手な独走は許さんぞ」
「早く病院に行け!」

この電話を切ったあと、岡田プロデューサーが
好きな西部劇クリントイーストウッドの
「真昼の死闘」が上映されている看板が画面に映る。

真昼の死闘

「起きないかも知れない」犯罪に
現(うつつ)を吐(ぬ)かすより、今は奥さんの
ところに早く行ってくれ、とマカロニ。


しかし山村は「起きるかも知れんのだ」と。

掛かって来るのを待つ電話では埒があかない。
マカロニには小柴刑務所に行かせて再犯の可能性を探らせ
ゴリに小池の5年前の調書を再調査。
さらに
ボスは山村の交代要員としてゴリを、向かわせる。

更に連絡を絶つ山村。

またまた、
山さんの所在が掴めず、躍起になる捜査一係。

✅携帯電話が無かった時代に、
一方通行の連絡待ちで中々次の作戦が
立てられない時代の象徴風景が描かれている。

今回は殿下、シンコの二人が欠場。
ボス、野崎、石塚、マカロニのたった四人で
機動力の無さの一係が露呈する。
だからボスも自ら出動する。
その時誰が電話番ですか?ね。

病院からは「早く近親者に連絡を」と乞うている。

マカロニは居ても立っても
事件のことよりも
山村に腹立たしい気持ちでジムニーを駆る。

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「あんた、どう思ってんだ?
 早く病院へ行ってくれ!」と山村に怒り。

病院では、(山村だと認識している)と
看護師、、当時看護婦はいう、、、
差し伸べた高子の右手をマカロニは握り返す。
「僕が看護させてもらいます」

♫「希望のテーマ(M20 2)」間奏

母の暖かさを知らない23歳のマカロニは
心の妄想の中で、高子と公園で高子とデートしている。

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年上女性との愛のジャイブを感じる。
マカロニの手の温もりが高子に伝わっている。

マカロニと高子手

高子の手を取り
「しなやかで白く細い腕。
 この手のどこに
 こんな力が潜んでいるのか?」
と淳。

また山村を強引に病院に連れて行こうと
夜の街中を白いヘッドライトのジムニーは走る。
マニュアルトランスミッションをマカロニが
トップギアに入れる!
※当時のジムニーにはATはない。

時間が経ち、手術は成功。
しかし、
「生きようという強い意志があれば、
 必ず衰弱に打ち勝つ事が出来る」
と医者は言う。

✅医者はある回で、殺しのスポンサーを
演じた弘松三郎。

ここで♫「追跡のテーマ」間奏

「生きようという強い意志!」
それでも山村は病院には来ない。

マカロニは
「山さん、あんた何考えてんだ?
 奥さんどうなるんです?
 山さんあんたの奥さんじゃないか!」

やはり山村は由起子の身辺をフォローしていた。

妹さちこを盾に小池は由起子を襲う。
剛を煮やした山村は、憎いのは由起子でなく、
「小池の中にいる、お前が抱いている、
 心の中の由起子を殺してしまえ!」と。

山村もだんだん、小池をここまで追い込んだ、
浮気者の由起子を憎む気持ちが湧いてきたのだ。

倹(つまし)くて夫を愛する高子との対比が演出されている。

「小池、俺はお前が好きだから、
 二度と人殺しを犯させたくないんだ!」と。


逮捕したその後に山村は病院へ。
一夜空けてマカロニも高子と山村の側で
眠りこけていた。高子の夢を見ながら。

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またマカロニの前で

目を開けた高子に対して山村は
「いつまで経ってもいい亭主になれそうもない」

それに高子は
「せめていい刑事になってね」と。

男からすると、愛妻が発するこの台詞には
どんな男でも泣いてしまう。

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「マカロニにはすっかり世話に
 なってしまった。」

「私が退院したらうちにお呼びして、、。」

「今度うちで一緒に飯でも食うか?」

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「マカロニ、、ありがとよ」
時代劇口調が抜けない露口茂。

この話から徐々に仲間としてのマカロニを見る
山村が描かれていく。
しかし捜査は厳しさを教えていく。

愛ある夫婦の会話をこっそり聞いていたんだろう淳は、
しょんべんに行くと行って部屋を出て
病院を飛び出して、
見舞いにきたボス、野崎、石塚を振り切り、
ジムニーで走り去っていく。

注目点

✅次回予告でジムニーの右前バンパーが
曲がっている。まだ11話めなのに。


✅次回予告で露口茂に対して
「刑事さん、あいつ、あの○○を撃って頂戴!」
と太地喜和子の台詞がカットされている。
○○は台詞が不明。放送出来ない文言だったか?

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しかし、本編には取り直しされたのか、
○○の台詞は無くなっている。恐らく○○は
「K Iちがい」
dailymotion では確認出来ません。
↑ここにご注目。

✅小池(郷瑛治)の靴がボロボロになって、
古い時代のしかも穴が空いて汚い靴。
小柴刑務所で刑期中、流行は
コンチ型➡︎あんこ型に変わっていた。
ここも時代の変遷の上手い演出だ。
しかし平成から令和にかけて
またコンチ型が流行っている?

✅当時の大ヒット映画「ゴットファーザー」が
上映中であった。また同じく尾行途中に
ストリップ劇場のポスターが電柱に貼られている。
また豪華四本立てのポルノ映画館。
四本立てのポルノ映画は私も見たことない。
令和の現在の雑多な人通り街中ではあまりお目にかからない。

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『ゴッドファーザー』(原題:The Godfather)は、
1972年に公開されたアメリカ映画。
監督はフランシス・フォード・コッポラ。
マリオ・プーゾの小説の映画化。

✅新品の靴でコガネムシを踏み潰し
その踏まれたものを映像化して放送している。
コガネムシのジゴが映っている。

✅太地喜和子が裸足で追いかけられるシーン。
有名女優を裸足で走らせる金谷稔監督。

✅ゴリが珍しく赤と紺の縞のネクタイ。
チョーさんは7.3の髪型。
殿下は出演せず。

高子の病名「大動脈弁併殺不全症」
診断された。

✅萩原健一が太陽に出演する事になったのは、
岸恵子との共演の映画がキッカケ。

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↓↓↓
斎藤耕一監督の映画「約束」(1972年)で共演。
ショーケンは撮影当時21歳。これが映画デビュー作品。
岸恵子とのキスシーンもある。
ここから半年後?太陽デビュー。

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岡田、梅浦両プロデューサーが
この映画を見に行って、
この番組の新人の成長物語は彼だ!と
太陽にほえろ!出演を強引にアプローチした。

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ショーケンにとって太陽がテレビ番組デビュー作品となる。

そしてこの話。太陽にほえろ!第11話。
この21歳ショーケンと岸恵子の映画でのイメージを

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マカロニと年上の高子との「妄想の中のランデブー」にダブらせている。
これは演出の旨さ。
岡田プロデューサーの意志を具現化したものだったろう。

次回は第23話「愛あるかぎり」は
山村精一愛妻物語第ニ弾です。

動画検索➡太陽にほえろ!第11話「愛すればこそ」Rutubeで可能


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