マカロニを語るのに外せない四つの作品2-b 第2話「時限爆弾 街に消える」本編第一ステージ


ここから、
ストーリー概略。
第一ステージに入ります。

脚本:小川英、武末勝
※ 武末氏は「太陽」初執筆作となる。
監督:竹林進
※サインはVのメイン監督でもあった。

彼の名前(竹林)の一字をもらって後のラガー
竹本淳二の役名になった。淳二とは、
マカロニ早見淳の二代目になれるようにと
岡田プロデューサーの希望で名付けた。
(彼が五人目のジュン刑事である)

※しかし渡辺徹はどうだかなー?
やはり初代を超えられない二世代目。
あんなにブクブク太ってはダメだろう?!
ファンからの弁当やケーキを全て
平らげたと言う。そら、そーなるわ!
榊原郁恵夫人の苦労も如何許りか?
お察しします。血圧も常に高かった筈では?

第一話と同様、井上堯之バンド
♫「マカロニ刑事のテーマ、スローバージョン」
この局の間奏から物語はスタート。

レコードBGMタイトルは「マカロニ刑事登場」

旧池袋区役所建物で撮影された最初の七曲署

第二話サブタイトルの表記後に、
七曲署の玄関、が映像に。
階段を上がって入り口へ。この建物は。

※初期の七曲署は旧池袋区役所建物を借りて
 撮影された。以降、あともう一回建物が変わる。

第22話「刑事の娘」ではこの前で野崎と鬼、マカロニが、お疲れ様の撮影。上下の写真では一部が異なります。同様の建物を使っていたか?玄関が違いますね。


3回目から最終回まで利用された建物に。

1981年頃の七曲署ですよ。ドック、ラガーの頃。


しかも門から玄関まで広い駐車場が特徴的。

即ち、
世田谷区上用賀の海上自衛隊上用賀基地内
の東京音楽隊の元施設を

利用させてもらっている。
確か、38話「オシンコ刑事誕生」から利用開始、
太陽!PART2最終回「さらば七曲署」まで。


夜勤明けのマカロニ。
1972.7.21テレビ初登場から一週間経過。
既に何度か泊まり勤務を経験している模様。
(これはシンコの台詞で分かる)

第一話もここ。左下が駐車場。ここからマカロニが階段を上がる。

時計と睨めっこ。朝八時半少し前。

マカロニの背後のポスターを注意して見てください。今回テーマの予告ともいうべきポスターが。「あなたの近くに爆弾犯人が?」
あと二分で勤務終了だ!
やっと帰れる!あともう少し!



皆は
八時半迄出署しなければならない。
それ以降は遅刻となる。もう少しで、皆んな出署だ。

「よーしっ!帰ろーっ」と背伸び。

同じ時間で、山村が出署。

オーっす!

「何かあったか?」と山村。

「それが何も無いんです、退屈で退屈で」

次いで鬼係長ボスの出署。

「おはよう」と淳に。

これに対して
マカロニは、ボスに「お休みなさい」と。

そこに、体育会系ゴリがやってくる。
既に出署していたとみえて、
マカロニに難題を持ち掛ける。

おい。マカロニさん、よ。

「お疲れのところ済まないけどな」
「これ、何だ?教えてくれ」と。

英語に弱いゴリの勉強不足が窺える。
マカロニが
英語に強いとでも思っているのか?

How To Make Morotov Cocktail

「夕べ挙げたフーテンがマリファナを
 この紙に包んで持っていたんだ」と。

何、なに?



マカロニが解読しようと読もうとする。
「どうやって、モロトヴ カクテルを作るか?」

ボスは、「おい!俺に貸せ」と。

すると一読し、
「ゴリさん、公安に回すように」と指示。

「そうか?あいつだ!」と
その紙を持って
部屋を飛び出す体育会系ゴリ。

※初期のこの頃は、石塚をゴリでなく
「ゴリさん」と呼ぶ鬼。

「は?へ?」とマカロニ。

「朝っぱらから間抜けた声をだすな?」と鬼

「英語の教科書には書いてないがな、
 Morotov Cocktailとは火炎瓶の事だ」と鬼

即ち、紙には英語で火炎瓶の作り方が
記載されていたのだ。
流石は東慶大学出身の藤堂俊介。
ボスは法学部卒という設定。

※後にボス代行をする度哲也扮する
橘兵庫も
同じ東慶大学出身の設定。彼も法学部。
東京大学、慶應大学から捩っていることは
すぐに判る。あくまで仮称の大学です。

※この時、裕次郎病欠時は、
石原プロから日本TV、東宝に
応援してもらっていたか?

英語が読めても、書かれている意味を
理解してないマカロニ。
彼もまた勉強不足。
Cocktailを「コックテイル」と発音してる。
しかし意味はカクテルと知っている。


◆ここでちょっとした時代背景の蘊蓄解説

最近の若い人。
特に40歳(未満の人)には
解らないだろう。

※この頃の、1968-70年代中盤は
学生運動華やかなりし時代。

学生が世の中の体制に反発し、
一部では学生が暴徒化する事件が起こっていた。
その手ごろな武器の一つが「火炎瓶」だ。

◆刑事コロンボ 小池朝雄吹替編
「第三の終章」でも冒頭で、

爆弾の作り方を研究して、本を執筆している過激派が登場し、犯人に殺される。爆弾製造研究室も映像に映される。この話の終盤は、本当にミステリーな、犯人も気付かないトリック解明となるので、興味あれば、観て下さい。

この話は、
コロンボシリーズの屈指の10本指に
入る名作だと思います。

脚本に実在の俳優ロックハドソンが登場します。
名前だけの登場で実際には出演しませんが、
彼 ロックハドソンはAIDSにより死亡した。
また彼は、コロンボの次作「警部マクロード」
の、さらにその次作「署長マクミラン」で
マクミラン自身を演じました。

覚えておいでですか?

以下は
Wikipedia「学生運動」解説から抜粋。

この背景には
「学生は世の中をよくするために
身を挺して立ち上がっている」という意識や、
学生運動を「若者のエネルギーの発露」
としてそれを許容する空気が広く存在した
ことが挙げられる。
権力側も一部には学生運動をする学生たちを
「左翼の国士」と見るような風潮もあった。

しかし、内ゲバや 武装のエスカレートで
市民の支持は徐々に失われていく。
1960年代の新左翼党派の再編過程、
路線対立の過程で暴力的衝突は
日常と化していた。党派闘争が発生し、
1970年以降は本格的な殺し合いに
発展していく場合があったのだ。

↑ここまで

◆さらに以降で
日本赤軍の登場、またひいては
学生のみならず、男たちから虐げられた
女性の地位向上のために
ウーマンリブ活動の発展にも繋がっていく。

※例えば、
「まりちゃんず」が歌った♫
「ブスにはブスの生き方がある」という歌は

レコードは即時に販売が停止された。

♫「ブスにはブスの生き方がある」

歌詞が女性をかなり馬鹿にしている、と言って。
ウーマンリブ活動家からの
相当な抵抗と煽りを食って、
現在でも地上波では放送禁止。だが、
インターネット上では視聴が可能だ。

また、次作「尾崎家の祖母」は
「おざきんちのババア」と読ませる。
昭和バージョンと
平成バージョンがある。

♫「尾崎家の祖母」昭和バージョン
~「尾崎家の祖母Ⅰ」

♫「尾崎家の祖母Ⅱ」平成バージョン
~「尾崎家の祖母Ⅱ」

♫「尾崎家の祖母Ⅲ」平成バージョン
~「尾崎家の祖母Ⅲ」

明治➡︎大正➡︎昭和➡︎平成まで
強く生き残る友達の祖母に、
嫌がらせをされる学生を描写している。

これは、意外に宴会での替え歌でも
使えるかも、ね。

言い換えて、
70年代後半からのこの頃から、
女性の権勢が男性を次第に
凌駕していくようになる。
女性はいつの時代でも強く生き残る術を
持ってますねー。

楽曲については、
日本だけでなく、外国でも。

他国エゲレスや紅毛人の国では、
1970.10に発売した曲で、
今度は、女性グループが歌った曲が、
男をかなり馬鹿にしていると捉えられ
放送禁止に、一時的に。

太陽!第2話の2年前リリースの曲。

特に歌詞が卑猥な隠語を連発している?
という理由で放送禁止になったのだ。
当然ながら、彼女らは
ラジオ放送局でも出入り禁止に。

それは、それでも
世界歌謡祭日本東京大会グランプリに
輝いたグループ、
スリーディグリーズが歌った、
「荒野のならず者」
◆いい曲なんだがなー。(筆者感想)
筆者は大ファンです。

しかし彼女らは今では大方、70代後半の
おばあちゃんになっています。
孫もいるようです。
でも、たまに日本で公演しています。
神奈川近辺かな?

♫「荒野のならず者」

ステージでは、左右が逆となる。

マカロニは
そんな時代の若者の代表者の一人である。
太陽にほえろ!もそんな時代背景の中で
始まった番組なのだ。


物語に戻ります

「へぇー。じゃあ火炎瓶の作り方なんですか?」

おい!この日誌は間違ってるぞ、また。

「間抜けはそれだけじゃないらしいぞ」

※間抜けとは、マカロニの勉強不足を指している。

「おいこの日報の誤字、脱字、
 句読点の打ち間違い。
 〆て7か所の間違いだ。至急訂正だ!」

※警察では、現在でも
日報は紙を使った報告なのだろうか?
一般職場では、パソコンで作成し
た報告書をインナーメールで回覧するが。
※このやり方も、問題は多数あるが。
※管理者は全てのメールをチェックしなければ
ならず、余計な時間を費やす事に。

◆この時代には、インターネットはおろか、
パソコンさえ無かった時代。
どちらかと言うと、十数年後80年代に向けて
インターネットでの情報通信技術が
開発されようとしていた時代だった。

そこに入り口扉を開けてシンコが登場。
この時のシンコは、
刑事課捜査一係の課員ではない。
少年係勤務の婦警である。
シンコが刑事拝命するのは、
第38話「オシンコ刑事誕生」から。

※少年係、とは現在では言わないのだろうが?

「ヘェー成績向上ね、マカロニくん。
 この間は10箇所だったもんねー」と
茶化すシンコ。

訂正し、ボスに再度提出しようとした時。
マカロニのデスクの電話が鳴る。

冒頭のマカロニ刑事のテーマ スローバージョンはここまで。

それをシンコが取る。
「早見ですか?はい。
 居るにはいますけど」
マカロニはボスに再提出中。
「はあ?もしもし、どなた?」

「バッチリ直しました。失礼します!」



部屋を飛び出そうとする
マカロニをシンコは呼び止める。
「お友達から、お電話」

俺は、眠たいんだよ!

「風邪引いて寝ちゃったって、言ってくれよ」
「あー眠たいー。お休みなさい」

扉外に出たマカロニを
さらに呼び戻そうとする。

「マカロニちゃん!」とシンコ。

「俺ゃあ眠いんだよ!」と
仕方なく、部屋に戻ったマカロニ。

「出た方が良いわよ」
「名前も言わないし、ちょっと変なのよ」

「もしもし早見ですけど」

「俺よ、今日一日
 お前を楽しませてやろうと
 思ってよぉ〜」と謎の男

「楽しませる?
 あんた誰だい」と笑顔の淳

「そいつは言えないな、早見刑事」

「おい、俺は眠いんだよ。
 それにな、相手の解らない電話を
 受けっている場合じゃねーんだよ」

「いや、お前は必ず付き合うよ。
 付き合わざるを得られないよ。」

「いい加減にしろよ!」

電話を切ろうとするマカロニ
「切るなーっ」とこの男

「爆弾がぶっ飛んでもいーのかよ」

「何?爆弾?」
鬼と山村は、マカロニの電話を凝視する。

井上堯之バンド♫「サスペンス何が起きる」
◆このタイトルは筆者が名付けました。

「冗談はよせよ」

「冗談なもんかよ!今日中に俺は
  爆弾を二つ仕掛ける。
  一つは12時。どカーン!」

「おい本気なのか?」とマカロニ

「残る一つは6時。どカーン!」

「もしもし、一体俺の事
 なんで知ってんだよー?
 ええ?」

「せいぜい、ヤキモキしろよ。バッカやろう」

そこで切れた。
「もしもしおい、おーいっ!」

「どうしたの?早見くん、
 爆弾って聞こえたけど」とシンコ。

「冗談だよっ!」とマカロニ。
「どっかのフーテンが
 俺を揶揄ったんじゃねーか?」

「冗談かどうか、俺が判断する」と鬼。
「報告しろ!」

鬼の指示には素直に従う淳

ボス席に戻るマカロニ。

そこに、ゴリが戻ってきて、
「ああ、参った参った!
 まさかあれが火炎瓶とはねー」と。

話をマカロニに戻す藤堂。

「それでどうした?んだ」

「今日中に爆弾二個を
  仕掛けるって言ってました。」

「何ー?」

「場所は?」

「それが、言わないーんすっ」とマカロニ。
「自分が誰だって言うのも」

「どうも悪戯臭いですなあ、その辺は?」
と山村。

「しかし、なあ」と鬼

そこに、マカロニ席の電話がもう一度鳴る。
いま午前8時45分。

また、あのタレコミか?悪戯か?
即座に電話を取りに行くマカロニ。

もしもし、、、

「ええ?天麩羅蕎麦あ?」
「誰が頼んだって!? 何言ってんだよお」

そのマカロニの返答に、
「お、俺だあ!」と
体育会系ゴリが、電話に代わる。

「俺だよー。え?、石塚。いしづか!
 ちゃんと覚えてなきゃ
 駄目じゃないか?」と切る。

◆なんだあ?ゴリさんの朝食注文か?
◆ゴリは朝食を出前させるのか?またいつも蕎麦だな?
◆しかも、午前9時手前に出前をしてくれる
蕎麦屋が七曲署近くにあるんだなあ?

◆他の回「バスに乗ってたグーな人」でも、
この時間に殿下と一緒に、
飯を喰いに外出する
体育会系ゴリが描かれる。
◆七曲署には一階に署員食堂がある筈だが?
もう食い飽きたのか?

「マカロニ!悪戯だと言いながら

 何をそう苛立つんだ?」

「そりゃ頭に来ますよー。名指しで
 そんな事言われりゃ」

「嘘を付け!」と鬼。

再び一係室の、今度はボス席の電話が鳴る。

「はい、捜査係。早見? 居ますよ」
※次回予告の冒頭シーンは、ここ。

◆第一話では、ボスは、
「はい。捜査課」と言っていたが。
スタッフに指摘されたんだろう。

正式には、七曲署刑事課捜査第一係、である。
捜査第二係もありますからね。
二係は田丸係長。彼が暫く出演する。

鬼はマカロニに代わる。
同時に、デスク二段目に隠してある
電話と繋がるテープレコーダーで録音開始。

井上堯之バンド♫
「サスペンス何かが起きる」

「さっきの続きだ。よく聞けよ早見刑事」
と謎の男

「あー聞いているよ」
「いったいお前誰なんだ!」と淳


山村は
「ボスのデスクの電話、逆探頼む。
 至急だ!」

「冗談はよせって言っただろう?
 俺忙しいんだよっ」と淳

「嘘っ、付け?
 さっきから俺の電話を待ってた癖によ」男

「待ってなんか いねーよ。
 出鱈目じゃなきゃ、
 自分の名前くらい言えるはずだからな」淳

「よせよ。俺を怒らす気か?」と男

「悔しかったら、名前言えよー。
 俺にはな、お前みたいな知り合い、
 居ねーんだよ。」淳

「あ、そーおう、
 知らなきゃ、知らねーで良いんだよ。
 その内判るさ、ドッカーンといったら?
 じゃあな!」男

「おい、待て!名前ぐらい言えよっ!」淳

「正義の味方。黄金バット。
 んふふ、、!」男

と電話は切れる。

「糞ったれー!これでも
 正気な人間ですかねー、
 ねぇボス!」淳

「逆タンは?」と鬼

「全然(相手をキャッチする時間が)
 足りません」と逆探知担当

「またすぐ掛かってくるだろう、
 待機してくれ。  
 それからこの電話
 この男の専用にするからな?」鬼

「了解!」逆探知担当の声

「山さん、これ声紋検査だ!」鬼
今の録音したカセットテープを山村に。

そこに、三度目の電話。

ボスの電話が鳴る。
もう専用になったことが判る。
それを、マカロニが即座に取る。

「あのよー。逆探知で引っ掛けようという
 ケチな真似はすんなよー。
 それくらいの手の内は読んでっからよ。

 うっふっ!だいぶ頭に来てんな!
 いいさ、黙ってきゃ黙ってろよ。
 第一回の爆発まで、三時間あるなしだ?
 誰かが、ぶっ飛ばされても
 オラァ知らねーよ。」と謎の男

「もうよせよ」と淳

「う、ん?何か言ったか?」と男

「あんた、俺を揶揄いたいんだろう?
 だったらもう目的を果たした訳じゃないか。
 いい加減に正体を言えよ!」淳

「信じねーって言うのか、おい。」男

「あー信じるもんか!
 爆薬なんていうもんはな、
 そう簡単においそれと
 手に入るもんじゃねーんだ」淳

「多摩丘陵の工場現場で、
 ちょろまかしたんだよー!
 嘘だと思うんなら調べてみな?」謎の男


鬼は
ゴリを左手人差し指で呼ぶ、
そして耳打ち。
状況をすぐに確認せよ、とのジェスチャー。
即座に飛び出すゴリ。


「爆薬だけじゃなあ、
 どうしようもないんだよ。
 下手に作ったって
 スーとも言やしないよ。」淳

「何だお前!
 俺を引っ掻けて色々喋らす気だな?
 誰がその手に乗るかい!」男は嘯く

そしてまた切れた。

「どうだ?
 まだ何処の誰だか思い出さんか?」鬼

「知りませんよ、こんな奴は?」淳

「知り合いに居なくても、
 何かで早見君を
 恨んでいるでいるかも知れないわ」
とシンコ

「そうだ。その通りだ」と鬼

「(城南署の)2年間の警ら中、
 お前さんだって
 色んな奴と出逢っただろう?
 その中でこういう事する奴いないか?」


鬼は気を強めて
「特にお前さんを恨んでいる奴は
 いないか!?」と
マカロニに指を指す。

井上堯之バンド♫
「愛のテーマ」

マカロニは断言した。
「居ません」とハッキリ。

「そりゃー失敗は何度かしました。
 この2年間、僕は僕なりに一生懸命に
 やってきた積もりです」
「こんな嫌らしい仕返しをされるような奴。
 僕は一人も居ません!」

鬼にしっかり向いて、シンコがいる前で
はっきりと物申すマカロニがいた。

愛のテーマが終わるに被さり、
入り口のドアが急に開く。

「ガセじゃない!本物です」と
体育会系が飛び込んできた。

多摩丘陵の工事現場から、3日前に
ダイナマイトが10本盗まれたという
盗難届が出ていた、と。

鬼は、デスク卓上の緊急要請通報マイクに
話しかける。

※このマイクはいつの間にか
無くなる。

「捜査係藤堂より、本庁へ緊急発令」

「こちら通信係!緊急発令どうぞ!」

「本日8時45分、外線より男の声により
 ダイナマイトによる爆破予告の通報あり。
 年齢推定24-5歳。姓名、職業、所在など
 は不明。都内全域の警戒および爆破処理班の
 出動を要請予告!以上」


その時、野崎が扇子で顔を仰ぎながら、
「エラいことですなあー」と。
「爆破予告とは、また!」

「殿下は?」

画面変わって、
ゴルフ打ちっぱなし練習場。
殿下が、仕事をサボっている。

マカロニのやつ、また何かやったな?

◆こんな殿下のシーンは、初めだけ。
殿下の性格設定もハッキリとは
定まっていない事が判る。この頃には。

殿下の携帯トランシーバーが突然鳴る。

※当時は携帯電話が無かった時代でしたから。

「島です。どうぞ」

「何処にいる?」

「ただいま、区役所脇で聞き込み中、どうぞ!」

※区役所脇、とは。七曲署の建物は
実際に、旧渋谷区役所の建物を借りて
撮影していたために、
現実と仮想物語とのラップが
殿下の台詞に錯綜し、登場している。

◆お判りでしょうか、皆様。

「すぐ城南署へ飛べ!
 以前早見が扱った事件を総なめするんだ!」

「はっはーん!?マカロニの奴、また
 何か?(やったな)」と笑う殿下先輩

「直ぐにだ!それ以上棒振りしていると、
 俺(のクビ)が飛ぶ前に、
 お前の首が飛ぶぞ!」と鬼

よく分かっている鬼藤堂。
殿下が仕事をサボタージュしていることが。

◆ここのサボタージュ(仏語)から、
「サボる」と言う言葉が産まれた。

「了解!」と殿下

代わって一係のマカロニ席。

ゴリに責め立てられるマカロニ。
隣りには山村。
必死で、可能性ある名前を書いて
一人ずつ消していく。

「どうした!?思い出したのかい?」とゴリ

「冗談じゃないよ、覚えのないもの、
 そんな事言われたって
 しょうがないもん」とタメ口の淳

「人生相談のオバさんにでも
 教えてもらうか」と山村。
◆即ち、世話好きの下宿のオバさんの事を
山村は言っている。

午前10時30分

井上堯之バンド♫
「謎は霧の中 別バージョン」

その時、

「はい、朝ごはんっ」とシンコ

トーストとゆで卵、今は懐かしい
瓶の牛乳etc、サラダもある?か、を、
マカロニの為に運んできた。

「サービスしたって無駄だよ。
 解らねーものは
 解らねーんだからな」

この画像は、太陽にほえろ!新番組予告で放映されたものです。

「早見くん、そんな拗(す)ねてる場合
 じゃないでしょう?
 正午には何処かで爆発がっ?」

またボス席の電話。
奴からの専用コールだと判る。

丁度部屋に戻った鬼は、
「待て!、(と全員を止める鬼)

 奴は今、お前を揶揄おうとしてる。
 少し焦らしてやれ」

5回コールして、6回途中で切れた。

「掛けてくるでしょうか、また?」
とシンコ

「その補償はないがね」

また、電話が鳴った。
今度はマカロニ席。
シンコが2回目で出る。

「もしもし、、あー島さん。ちょっと待って」

「マカロニちゃん、島さん!」
◆またまた、ちゃん付けで、
淳を呼ぶシンコ。

「もしもし、46年の分から行くぞ」と殿下。

◆昭和46年は1971年。
マカロニが交番勤務2年目。
今から直近の検挙実績をみて
一係に電話している。

殿下は、以前のマカロニの勤務先
城南署の資料室からの電話だった。

46年1月3日.掻っ払い(かっぱらい)
同5日.勾引傷害(勾引とは誘拐のこと)
同5日.器物破損
8日、、、

あー、暑くて死にそうな資料室。

他署の資料室は
クーラーは元より扇風機もない。

暑い中、下半身は足を組んで、こんな事を何故しないといけないか?と言う愚痴が出てきそうな貴公子殿下。

「、、そこまで」と淳


「どうだい?ちょっとは引っかかる奴が?」
と山村

「ダメです。特によく覚えている事件じゃ
○○が合わないのが多いし」

◆ショーケンのこの台詞。聞き取れない。
「○○が合わないのが多いし」

※皆様、この台詞○○が聞き取れますか?
何を言おうとしているのか?
ハッキリ発音しなさい、マカロニ先生。

「しかし、奴さん、連絡遅いねー」と山村。


午前11時04分。

BGM...恐らく
前作「東京バイパス指令」時の効果音が、

皆の焦りを醸し出す一係に被っていく。
◆井上堯之バンド♫ では、ない。

🟤ショーケンが、自分たちの仲間、
井上堯之バンドを
岡田プロデューサーに紹介しなかったら、
太陽にほえろ!音響担当は、
この昔使っていたBGMを流用させる
つもりだったらしい。

当時、岡田プロデューサーも、
番組音楽などは、二の次で最初の頃は
一切頭に無かったと言っている。
それで、ショーケンが音楽はどうするつもりかと。

岡田プロデューサー

番組が成功した大きな理由は、
ショーケンが紹介した
この井上堯之バンドの音響効果により
番組露出の大奏功に繋がったのは
言うまでもない、これは皆が認める事実だ。

何でも、やってみるもんですね。
結果は後から付いてくる。


滲み出る汗を、首周りを拭く藤堂。
「全く叶わんなーこりゃあ。
 減刑を待つ死刑囚の気持ちは
 こんなもんかなぁ」と鬼

その時、またアイツから電話。

マカロニが飛びついて出ようとするが、
「待て!シンコ、出ろ!」と鬼

「早見は今お茶を飲みに行ってる。
 まるで
 気にしていないようにして喋るんだ!」
とボスの指示。

「はい。捜査係です。」とシンコ

「早見を出してくれ」

「早見さん?今ちょっと、
 お茶を飲みに出掛けてますけど。」

「お茶を?あの野郎、舐めやがって!」

「貴方なのね?さっきから早見刑事を
 揶揄っている人?」

それをボス席で、隣りにはマカロニ。
イヤホンで聴いている。

「揶揄って!?」と謎の男

「あんたいくつ?18位ねきっと。
 駄目よこんなつまらない悪戯しちゃ!」

「、、野郎っ、俺はそんな餓鬼、、、
 引っ掛けようったって無駄だ!
 あんた婦警だろ?」

明るく振る舞うシンコ

「違うわ?ここのお茶汲みよ。」とシンコ

「ふーん?本当かな?美人かい?」

「そうね、皆さんそう言うわよ。
 ねえ、あんた何が言いたいの?
 男ならね、もっとハキハキしなさいよ」

「ほらほら自我が出てきた!婦警って
 そういう言い方するんだよな、
 あんた歳いくつ?」

「85っ!」

「へえっ!ははは、ははは。
 85か?」

場面には、
男が電話してる公衆電話ボックスが映る。

爆弾予告する三田。

「ははは、こいつはいいや!
 あんた気にいったよ、あのなー
 いい事教えてやろうか?

 今二つめの爆弾を
 どこに仕掛けようかなあ、って
 考えているんだ、ってところなんだ」

「二つめ?」とシンコ
「駄目よ、いくらそんな事言ったって
 誰も信じないわ」

BGM...これも恐らく
前作「東京バイパス指令」時の効果音。

「その内、皆んな真っ青になるぜ。
 さあーてと何処にしようかな?」
その時、
シボレー コルベア コンバーチブルが
駐車場に滑り込んできた。
「俺たちはプロだ!」でも使われたクルマ。今回は幌をとってオープンにしている。しかしNo.プレートは一緒。

※このセダンが1967年ウルトラマン。
科特隊専用車として使われた
シボレーコルベアである。

これが、シボレーコルベア1963年式

◆このシボレーコルベア コンバーチブルは、
「俺たちはプロだ!」でも、幌を被して
再利用、撮影している。
何ぶん、金が無かった制作側。なんだろう。
よく分かります筆者は。

「俺たちはプロだ!」の映像より
その時の映像↓後ろ

後ろに石原プロのキャンピングカーが!見えますか? 同じクルマを使っている撮影チーム。

「もしもし、85歳の人よ。今決めたぜ。」
 二つめをな!
 どいつもこいつも、碌な奴はいねーよ!」

「もしもし、冗談でしょ?」

「そんなに信用出来なきゃ、
 爆発の現場を見せてやるよ。

 早見に言え!
 登戸鉄橋の北側の河原へ、12時迄に
 一人で来いってな?!
 一人でな!」

電話ボックスから出て、
オープンカーに近づくこの男。
ブルーメタリックのコンバーチブルだ。
どうも有名人のようだ。

これは、第二話のコンバーチブル。

この有名人は日本テレビ放送局裏口に
向かって歩く。キャーキャーとサインを
強請(ねだ)るファンに取り巻かれて、、、

「跪坐なクルマに乗りやがって!」
「死ぬんだな!」


◆犯人役の松山省二(現:松山政路)は

円谷プロ、1967ウルトラセブンの後番組
同、円谷プロ「1968怪奇大作戦」の
科学捜査研究所 SRIの
新人捜査員ノム役だった

左下が松山省二。
愛称SRIジャケットのノム。
初期の怪奇大作戦(昭和版)映像↓
番組スチール広報写真
捜査車両トータス(亀の意味)  と ノム(野村洋)。

◆ベース車両はスバル360の軽トラ版。
スバルサンバーです。
軽トラックをこんなクーペに改造している。
現在でも「赤帽配達トラック」のクルマとして
お馴染みです。
◆円谷プロもウルトラシリーズ初期三作目を
過ぎて金銭的余裕が生まれたかな?
こんな撮影車両を改造できるんだから。
円谷プロは、当時いつも貧乏会社でしたから。

◆尚、テキサス時代終了後、
中期太陽にほえろ!スコッチ第一期編
(ボン、スコッチ時代の一作)
「おさな子」で山村のもらい子、
山さんとは血の繋がらない「山村隆」の
生命をマグナム44で狙い撃ちにする
凶暴なヒットマン一匹狼の殺し屋 九条を、
松山氏は演ずる。
この回でもマカロニでなく
松山氏は、また露口さんと対決します。

ここまで第一ステージとします。
次回予告含めオープニングから
18分10秒

次は、第二ステージへ。

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