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72-73マカロニ青春偶像五編(1/5) ショーケンが番組降板の申し出をした頃の作品。 淳はジャズを愛し、真は優しい心を持つ彼の本音を突く。 戦争嫌いの「太陽初の黒人」が殺人犯。 第15話「拳銃とトランペット」【前半部】

✅石原裕次郎降板問題が一段落付いた頃に
今度はショーケンが降板を申し出てきた。
番組開始3ヶ月目を過ぎた頃。
🔵裕次郎✖︎ショーケンが入れ替わるように
太陽にほえろ!マカロニ役を降りたいと言う。


制作側は、ショーケンまでもが
居なくなるとはとんでもない!
岡田、梅浦両プロデューサーも
必死の説得工作をしていた時期の作品。

岡田晋吉

梅浦洋一2

✅太陽!初の黒人が犯人。
 太陽初の犯人が白人だったのは、
 第10話「ハマッ子刑事の心意気」
 何方も横浜で殺しをやった。


1972.10.27放送
脚本:小川英,中野顕彰
(旧名中野顕彰の初脚本)
現在は中野圭一郎(なかのけいいちろう)

監督:金谷稔


■ストーリーダイジェスト

現代平成から令和では、
表現できない映像、地上波では放送できない
文言、看板、宣伝、世情風俗がこの回には
一杯出てきます。また1ドル360円→300円に
変わった50年前の時代。そういう台詞あり。
映像と筆者の解説をお読み頂き、動画を見て下さい。
かなり、時間をかけた文面になりました。悪しからず。

よって今回も前半部と後半部に分けます。


ストーリー↓

あの例の白い覆面車の山村に藤堂から、
無線を通じて連絡あり。

「黒人男性が、大麻10kgを梶田組に
 売り込んで来た、と言うんですね」と山村
 それに、黒人は、、と続く。


🟢ちょっと休憩◆蘊蓄太陽にほえろ!15-A

※このマカロニ時代前半では、
 この梶田組と戸川組が
 新宿界隈(七曲署管内)に犯罪の根を
 蔓延らせている、、というストーリー上
 の設定です。竜神会は既に解散している模様。

※あのチンピラ隆もその梶田組に憧れて、
 一方で兄貴と慕い、藤堂に協力する話
 「第12話 彼は立派な刑事だった」では
 この梶田組は拳銃の密売を主軸にしていた。

※戸川組勢力が、ここ数年かなり縮小したため
 新たに資金源獲得のために、繰り返された
 市民の覚醒剤摂取で、街にはその犠牲者が
増え続け、
 またも汚れつつあった。
 これは10年後の話。1982年。昭和57年。
 ゴリの前に立ち塞がるダーティーな奴、栗田。
 演ずるは、故仙波丈太郎。
 そんな男が率いる新生戸川組を根絶しようと、
 組に囚われた青年を救う為に、
 男石塚、ゴリは覚醒剤工場を拵えたヒューム管
工場に、
 単身突っ込み最後の銃捌きを
 見事に見せる。やはりゴリは銃が上手い。
 トシさんより、一枚も二枚も上手。
 これは「第525話 石塚刑事殉職」から。

※太陽にほえろ!初期の名作編
 第16話「15年目の疑惑」では、
 梶田組の地回りのイシケンが事件の鍵を握って
 15年前の迷宮入り殺人事件と絡んでいく。
 これは既に蘊蓄話【前半部】【後半部】で
 分けて内容を綴りました。


↓ストーリー続き

しかもボスは言う
「その黒人は前夜に横浜で殺人事件を
 起こし、大麻10kgを奪って逃げていた」
 のだ。

✅上記のボスの台詞が、「横浜で、、」が
 「オカマで、、」と聞こえる。

「正体不明だが、相手は言わば手負いの獣だ」
気を付けろよ!と山村に。



公開中の「バンクジャック」は
1971年のアメリカ合衆国の映画。
この映画看板が、殿下運転中のウィンドウを
スルーして発見できる。

バンクじゃっく

(ここはほんの一瞬ですが、ほとんどの方は見落とすでしょう)

その殿下と山村はある喫茶バーに駆けつけた。
バーの客(北川陽一郎)が、
公衆電話を15分も使っている黒人に対して怒っていた。


「何処の公衆電話だ?」と山村

 相手が15分も電話しているから、電話を借りに
 来たのは分かるが、追っている容疑者が
 たぶんその黒人だとは山村の長年の刑事の勘。
 この黒人が公衆電話に居ると、、


🟢ちょっと休憩◆蘊蓄太陽にほえろ!15-B

★電話を掛けようとしている演者、
 北川陽一郎は太陽!準レギュラー。
 のちに七曲署鑑識課助手「高田」を演じる。

北川洋一郎

 後日の回で、
 一係に、事件の謎を解明できる証拠を山村に。
 それを提供する大事な役どころを演じた。
 その回第41話では、
 自分の上司の鑑識主任の一係の捜査妨害を暴き
 山村に陰で協力をする名演技は記憶に残る。
 ※鑑識課員としては41話の台詞が長めです。

 この証言と未だに見えざる証拠を掴もうと
 その山村の力強い台詞には
 「これは俺の仕事なんだ!やらして下さい」
 山村の背後には、沈む夕陽が映る。
 ボスも泣く泣く認め、
 当時39歳の山さんは若手並に
 捜査令状なしで、現場に突っ込んでいく。

 ※ここも夕方と午前が逆の描写となっている。
 ※スピーディーに映像が進行するから、
  視聴者はのまれてしまって気付かない。

 
 そこで、犯人が「最早言い逃れが出来ない
 確かな証拠」を衆人の前で見せつける。
 だが、この独走で山さんが
 ◆「警部補から降格」になったこの話は
  有名である。
  すぐ多分カムバックしただろう事が、
  野崎の台詞で、映像で確認できる。

 しかし太陽!ファンには忘れられない。
 これもマカロニ時代の秀作であり言わば
 名作の範疇に加えてもいい出来映え。

 サブタイトルは「第41話 ある日、女が燃えた」

 後年、ブルースが新人時代に同様の状況設定が
 ある。山村がブルースをぶん殴るシーンあり。

尚、北川陽一郎は東宝の専属俳優であり、
 これだけでなく、現場検証シーンには、必ず
 以降も顔を見せるので今後もお見逃しなく。

鑑識課員高田役は、

第74話「ひとりぼっちの演奏会」
シンコ主演(1973年)まで。
ジーパンがシンコを陰ながらフォローしていく。


最終は、別役で第386話「信頼」(1979年)が最後。


↓ストーリーに戻ります

山村と殿下は店BARを出て、

井上堯之バンド♫「マカロニ•アクション」

公衆電話から出た黒人を追跡したが
地下鉄入り口で発砲してきたために
見失ってしまう。

しかし山さんは、その黒人かどうかまでは
識別出来なかったと、ボスに報告。
殿下もそれを証言する。

追跡終盤に、殿下が角を曲がった場所に
行き着くが、そこは丸いウィンドーの店(画面左手)。

霧の旅より


この「丸いウィンドーの店」も実は他の建物だが、
喫茶店「ラ・メール」として
後年、殿下主演のミステリー話に登場する。
同じ様な丸い窓にヨット⛵️のペイント。
第して「第143話 霧の旅」


第15話「拳銃とトランペット」top

ここで、ボスやゴリ、野崎、淳がやってくる。
※少し、ここはおかしな描写じゃないか?
 先程一係の無線機の前にいたボスが、何故か
 外に出て部下を引き連れている。

一係の覆面車(名前が解らないあの白の車)の
無線に、
「中川という男から、藤堂に黒人の情報があるそうです」
という連絡が入る。

✅一係に応援に来ていた庶務の女性?の声か?
 声はシンコではない。


呼び出された藤堂は淳を連れて
※ゴリや野崎は少し「!」。
新入マカロニもあの爺さんに会わせられると
直感していた。

ばあー「はなぶさ」に向かい、情報屋の中川
(故多々良純)と会った。


藤堂は
「とっつあん!元気かい。紹介しとく。
 こいつは通称マカロニ。
 今度来たうちの新入だ!」

「マ.カ.ロ.ニ?洒落た名前じゃねぇかい?」
既に真っ昼間から酔い続けている。


第15話「拳銃とトランペット」中川


(多々良純)演ずる中川が勝手に歌い出した、
「おい。にいちゃん。こんな歌知ってるかい?」
マカロニに聴かせた自作の♪「ボスの歌」
  ひとつとせ、
  一人で天下の七曲。
  背負(しょ)ってたつよな[良い男]

✅太陽!を辞めたくなっていた裕次郎を
 スタッフがヨイショした歌。
 制作側が作詞したものと、思われる。
これを故多々良純に歌わせている?
上手い演出と感じる。「ボスの歌」だと。

    (裕次郎、あんたがいなきゃ!と言う意味)
    (裕次郎、辞めてもらっては困る!番組を)

これが、歌詞の真意に隠されている。
この歌を側で聴いているボス裕次郎の顔。

藤堂と中川

《少しニヤけている》
この時のボスの顔は、演技ではない。
皆様どう感じますか?

Rutubeで確認できますよ。

Rutube 太陽にほえろ 第15話「拳銃とトランペット」

「良い歌だろ!いつか、にいちゃんにも
 また作ってあげるわ、な?」とマカロニに。

「焦らすな。俺たちは暇じゃない。
 さっきのは本当のネタか?俺たちが
 黒人を探している事を何故知ってる?」


マカロニが急かしてやっとこさ、
中川が教えたビリヤード店「赤玉」には
全員突入したが、男は最早居ない。

「またあの老人に
 引っ掛かりましたな?」山村

中川は孤独で淋しいために、酒浸りになり、
誰かと話したいときに
七曲署一係捜査員をいつも呼び出している、
とゴリや殿下はマカロニに説明。

マカロニは怒るが、
そんな中川をボスが信用する理由は、
「10に1つ、本ネタがあるから」であった。

そんな馬鹿げたネタに振り回されるボスには
半ば信頼感を無くしたいマカロニ。

山村とマカロニは

しかしボスの勘では、
「大量の大麻を捌くルートは、
 梶田組か戸川組か李という男に
 限られる」と。

梶田はもう大麻に手を出さないと
考えられたために、
[だから、次の第16話では梶田組は拳銃密売に
手を出していた]のである。
※うまく話を繋げていますね。

ゴリは戸川組を、
野崎は李を、
殿下は黒人相手の商売をしている女マギーを
其々張り込むことになった。
他方、
山村と淳は黒人の聞き込みで街に出た。


変装メガネの淳はあるジャズバーに向かった。
リズムに合わせてハイハットロッドを叩く、
サチオ(佐藤仁哉、当時19歳)という若者が
気になる淳。

そしてロッドでテーブルを叩き続ける彼に
次第に惹き込まれ、スウィングミュージックの
ように、

ジャイブす

合わせて淳もリズムよく両手の指でテーブルを叩き、
足もそれにつられてジャイブしていく。
二人の共演にいつのまにか、周りの観客も
惹き入れられる。

サチオとジュン

◆マカロニは俳優である前は、
 ミュージシャンだからな。
 ザテンプターズのボーカル萩原健一。

ショーケン

マカロニは
「黒人を知らないか?」と尋ねる

サチオは黒人ならたくさん知っており、
ディジーガレスビー
チェットベーカー
マイルス・デイヴィス

クリフォードブラウン
そしてサムジョーンズ

上記は全て実在の人物。
最後のサム・ジョーンズ
(Sam Jones、1924年11月12日 - 1981年12月15日)は、
アメリカ・フロリダ州ジャクソンビル出身の
モダンジャズのベース奏者。

しかし、物語に出て来たサムジョーンズは
トランペッター。チコ・ローランドが演じている。
また同時に殺人鬼ギルを演ずる。

チコローランド

✅ チコ・ローランド
(Chico Lourant、1929年3月30日- 2015年7月20日)は、
日本で活躍したアリゾナ州ツーソン出身の俳優。
本名はアーサー・ローラント。

1960年代から1970年代にかけ、日本の映画や
テレビドラマで黒人役として活躍した。
1980年代中盤の時点では外国人専門芸能プロダクションの
国際部長を務めていた。
2015年7月20日、アリゾナ州ツーソンにて86歳で死去。


サチオは、
中でもサム・ジョーンズ(チコ・ローランド)の
レコードを15回も聴くほどのファンだと言う。

※昔はCDが無く、カセットテープが関の山。
 好きなレコードを集めている若者も少なからず。
 

ジョーンズは期待のトランペッターだったが、
レコード1枚出した後にベトナム戦争に行き
戦場で失踪していた。


✅ベトナム戦争の反戦歌。数年後には
 沢山作られたが、最も有名な歌が
 ジョンレノンの「イマジン」である事を
 今の若い人はご存知でしょうか?

✅2022.6月になっても戦禍が衰えないかの国の事を鑑みて、
 太陽!蘊蓄話で、この話を取り上げました。
 
 RutubeのRは、かの国です。
 配信サーバーもかの国です。
 国名はnoteでは御法度。表示不可。

✅1971年に日本では大ヒットになった、
 かの国の恋しい女性を想うラブソング。
 仲雅美の♫ ポーリュシカポーレ
 歌詞にかの国Rが繰り返し出てきます。
 沖雅也にそっくりですが、別人です。

ポーリュシカ・ポーレ - 仲雅美 (歌詞CC付)

作詞:橋本淳、
作曲:レフ コンスタンチノヴィチ クニッペル。
 ↑同曲をリンクしておきます。
※尚、
 太陽!ゲスト女優シリーズ★その1にも
 リンクしております。


第15話「拳銃とトランペット」6

サチオの仲間の女のルミ(吉田未来)は淳に、
「日本にいる黒人」としてギルを紹介。

サチオは、「ギルがジョーンズのトランペットを
ジャズじゃない」と真正面から否定したため、
あの黒人ギルを嫌っていた。

「ジャズの解らない奴は黒人じゃないんだ、
 そうだろう淳」と。

ギルは、サム・ジョーンズ(チコ・ローランド)
その人だった。チコ・ローランドが二役。
これも太陽!初の黒人が二役は初めて。

第15話 ギル


場面がかわり、

BGM♪「夜明けの停車場」(石橋正次)
マギーの部屋で、彼女が独りでいる。

殿下は商売女マギーと会い、

小磯マリ

マギーは「不景気で、その上、一ドルが300円に
なってちまって大損だよ!」と嘆く。

✅ 戦後、固定相場制がひかれ、
 まず1ドル=360円という水準からスタート。   
 長く続いた固定相場の時代から、
 円とドルの通貨の交換比率を示す外国為替レートは、
 
その後、
 スミソニアンレート(1ドル=308円)
 という時代を経て、1973年2月より
 完全な変動相場制に移行した。

完全な変動相場制に移行する前。
この頃の物語で、「一ドルが300円に
なってちまって大損だよ!」と言う台詞が
時代を表している。

殿下が言うには、
友人のリストを作ること、
ハジキを持っていた奴
ペイを持っていた奴
思い出すだけの特徴を書くように、と
甘い顔でマギーに迫り説得。懇願した。

✅殿下はBAR関連の女の付き合いが
 多いね。関心するわ。捜査経費で飲みに行って
 いるのかな? 

   だから16話のようにボスも心配するのだろう。

「捜査経費を無駄に使うなよ?殿下」


あとは
第15話「拳銃とトランペット」【後半部】に


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