【エッセイ】『幽霊池』の思い出,記憶の誤謬
子供の頃、近所の公園でよく遊んでいた。緑の多い広い公園で、暗く生い茂った森の遊歩道に洗面台くらいの小さな池があって、そこがちょっとした心霊スポットになっていた。
どこからどう回ってきた情報なのか、その池の中に石ころを10個投げ入れると水の底から長い黒髪の女の人の顔が浮かび上がってくるという心霊話が出回っていて、僕は友達5人と一緒に本当なのか確かめに行ったことがあった。小学4年の夏のことである。
僕は当時も今も怖がりだが、そういう場であまりに怖がりすぎるといじられの標的にな