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ドライブマイカー

ドライブマイカー観ました。

最初つまらなく、思春期に村上作品読んだときの、あのやるせなく空虚な空気がいたたまれなく、春樹作品であることや、受賞の前宣伝やアカデミー賞か?の情報に盛られたか?などと内心ブツブツ。劇場では前半に席を立つ人多いらしく、家人も寝てました。そして3時間半。観終わったときに、何てものを観たんだと感じました。

得体の知れない感動。原作と監督の力量とに、圧倒されました。

と同時に知的な宿題を渡された気がしました。

灘高の名物教師の授業に、本一冊を一年かけて読むというのがあるそうですが、僕はこの知的な挑戦状を正面から受け取って半年から一年または一生かけて読み解こうと思います。

劇中劇であるチューホフのワーニャ叔父さんを読むことから始めようと思います。

レビューに俳優人の棒読み的な演技を批評する声が多いのですが、それは確信犯的な演出です。

きっともっとも長く、もっとも回数観る作品になると思います。

アカデミー賞などという低俗な賞では決して評価できない凄い作品。

あまりにも凄すぎて言葉にならないのです。良かったと言う人多いけど、なんで良かったかを咀嚼できてる人ほぼいないと思います。

ですが僕は感情と知性の嘔吐物を何度も吐き出しては、その劇中作とストーリーと人生論と芸術論の入れ子構造をとことん味わおうと決心しました。

有難うございます。という言葉しか今は浮かびません。


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