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イングリッシュドレープについて僕が知っている2~3の事柄。

REZAによるスティーブン·ヒッチコック氏のインタビューに大いに学んでいます。
そして裁断に思いを巡らせ、モダンでクリーンなカットの型紙を、イングリッシュドレープのための型紙に展開していくと……
あろうことか、日本的な古臭い型紙になっていきます。
では何が違うのかというと芯の地の目と袖山です。
もしくは当時の型紙はAnderson Shepherdなどの型紙がスタンダードとして参照されたけど、芯が硬くてボキシーなものになったのかもしれません。
ヒッチコック氏が言う"7インチバイアス"とはどこがどうなのか友人に尋ねましたが、わからず、何度も観て、それは芯の地の目の角度、つまり18cmほど倒してある、という事だと理解できました。日本でいう通称スコバイ=スコシバイアスにより、柔らかいながら形を保っている。
ドレープの父ショルテにおいては45°正バイアスだったそう。
故に前述のクリストバル·バレンシアが御大のジャケットは脇に斜めの余り皺=ドレープが見られたわけです。ね。
またこの角度だとラペルの折れ線が地の目と等しくなるので胸元をシャープに作りやすいです。
ヒッチコック氏はcontrolled drapeとおっしゃいますが、対置法的で面白い言葉ですね。
皺またはドレープは偶然性や自然に生まれる物の響きをもちますが、それを非偶然的に然るべき箇所に然るべきドレープを生じさせる。
音楽に例えるなら、まるで計算された即興みたいな。また、それこそがドレープが着る人に与える印象で、そこには複雑化な深みが感じられます。アフリカの珈琲豆のように。

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