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レスリング選手松雪泰成として。今を噛み締め、一生懸命やる話。

久しぶりにnoteを書いております。松雪泰成です。
11月も中旬になり、空気が一気に冷たくなってきて年末を感じ出す季節になってきておりますが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

この時期は体調を崩しやすいので食事、睡眠、運動を高い水準で保つとともに、手洗いうがいをしっかりしていきたいところであります。

この記事の本当に伝えていことは後半にありますので、お急ぎの方は2つ目の太文字までスキップしていただいけると幸いです。



自分との対話から逃げない。逃げるのは楽だけど戻るのが余計しんどい話。

6月の明治杯の意気込みの記事を書いて以来のnote更新で、明治杯が終わった段階で試合の振り返りの記事を書くべきだったのですが、全身全霊で望んだ試合で良くない内容の試合をして負けてしまい、試合についての記事を書く気になれませんでした。
気持ちや感情がそもそも自分の中でまとまっていなかったうえ、文章を書かないという選択をすることで、強引にでも心境をまとめることを避けていたのだと思います。 

文章を書く生活から書かない時期を経験して感じることは、これまで事あるごとにnoteを書くことを意識していた自分にとって、noteを書かないという行為は自分の感情に向き合うこと、自分自身と対話することを避けることであったということです。
日常の解像度を低いままに保ち、高い鈍感力を維持することはメンタルヘルスの観点からはメリットも多いようにも感じるけど、僕としては自分自身の感情や周りの出来事に対する解像度を下げることはある種の現実逃避のように感じたし、この期間を良い時間であったとは感じることはできませんでした。

鈍感力を高めることで気にならないことは多くなるのかもしれないけど、それは日常生活での気付きに対して疎くなることでもあると思うし、気付きや発見、自分の感情に対してなんとも思わなくなるのは、寂しいことのように感じます。
常に何かを感じられる心でありたいと思うし、自分自身にカッコつけることなく素直に向き合うことを大事にしたいです。
「カッコつけててカッコ悪い」が1番カッコ悪いですからね。
別にnoteじゃなくてもいいと思うし、他にも手段はあると思うけど、僕にとってはこれが自分の気持ちや感情をまとめる最良の手段だと感じたので、この方法での自分と向き合っていきたいを思います。

これまでも文章を書くべきだと思っていたし、書くことで自分の気持ちを整理する必要があることはわかっていましたが、最終的に「書かなかった」「書けなかった」というのは自分の弱さであり、甘えです。
競技で勝つ負ける以前に、自分自身に勝つことを重要視していきたいし、僕が考えるカッコイイはそういうところにあると思っているので、自分が大切だと思うことを大切にする努力を怠らないようにしていきたいと思います。



終わりを思い描くことから始める。

これは僕の座右の書の一つである「7つの習慣」の第2の習慣であります。

noteを書く必要性を冒頭から長々書いたわけでありますが、久しぶりに書いている理由が他にあって、応援してくれている皆さんに伝えておいた方がいいと思うことがあります。

それは、パリオリンピックへの挑戦を最後に今の会社との「レスリング選手」としての契約は終了するということです。

10月30日に会社に出社をし、所属会社から明確に伝えられました。

パリオリンピックをレスリング人生の集大成とするつもりで元からやってたので、パリ後の次の4年に挑戦したいという思いはなかったのですが、自分のレスリングの辞め時は自分で選べると思っていたので少し戸惑いました。
アマチュア競技のプロ選手は結果を出すことが最重要で、新卒で入社してからの3年半で全日本で優勝することができなかったので仕方ないことだと思うし、会社の立場として妥当な判断だと思います。

12月の試合で負けたら今の会社とのレスリング選手としての契約は終了するわけで、天皇杯までは残り1ヶ月とちょっとになっています。
いつまでレスリング選手をしていられるかはこれからの結果次第ですが、残りの時間が短くて、すぐそこまできていることが明確になりました。

僕の階級は世界選手権の代表が負けて、オリンピックの代表選考は振り出しに戻っています。
パリオリンピックの後、自分のキャリアをどうするかなど考えることは多少増えましたが、天皇杯で勝つために全身全霊で取り組むことは変わりませんし、オリンピックに出場するという思いは変わりません。
どのような状況や境遇であっても今を一生懸命に取り組むしかないし、頭を使い、体を動し、今に集中して取り組むことが未来を創る唯一の手段である事は理解しています。
目標はブレてませんし、燃えています。
やるべきことをきちんとやっていき、自分史上最高の状態で挑めるように作っていきます。

今年の世界選手権で日本の選手団は多くの出場権と出場を決定させた選手を輩出しました。
レスターホールディングスの僕以外のメンバーは自分の階級のオリンピックの代表が他の選手に決まっており、明治杯で負けた僕にとっては今の段階でチャンスがあることに感謝し全力で勝ち取りに行く義務があります。
大学を卒業してからも不自由なくレスリングをさせていただいた会社には大きな感謝があるしオリンピックに出場することが最大の恩返しになると思います。
会社だけでなく今までレスリング選手としての僕を創ってくれた全ての人に感謝し、恩返しができるように取り組んでいきます。


残りの時間が短くなっていることを肌で感じ、1日1日を大事にしようと思えています。
レスリング選手としていれる時間が幸せだし、今はこの幸せな時間を噛み締めて過ごしています。

この幸せな時間を延ばすために、他を探してレスリングを続けるという選択肢もあるのだろうけど、もともと明確に2028までやるつもりがなかった僕がしがみついてレスリングを続けるのは、次のキャリアへの判断を遅らせるだけの延命措置にしかなりません。
心境は常に変わり続けるものなので、この挑戦の後もレスリングを続けるという選択を取る可能性はゼロではないのだろうけど、競技スポーツとして、プロとして戦うこの時間を全力で生き、結果にこだわってやっていきます。

永遠に続かないとはわかっていても、終わりが見えてくると少なからず焦りや戸惑いは出てくるもので、まさに人生の縮図であり人生は細かい〇〇人生の繰り返しなんだと感じさせられます。

レスリング選手の松雪泰成としての取り組みや姿勢を後進に伝えていくとともに、周りや誰かにポジティブな影響を与えられるような存在を目指して、悔いの残らない時間を過ごしたい。
この幸せな時間を噛み締め、レスリング選手としての時間を長くいられるよう、天皇杯で勝つための取り組みをしていきます。

12月、勝ち抜きます。
引き続き応援してくれると嬉しいです。

松雪泰成

11/7 神奈川出張で練習に来た親父。

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