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マンドロンチェロの曲作りの話です

マンドロンチェロ奏者の鈴木太良です。初めて他の人の記事を引用してみました。共感するところが多いからです。

「むらおかかなこ」さんという作曲者の方が書いてある記事で「楽譜ソフトで作曲すると、音型のキレイさで判断してしまう」という趣旨です。作曲をセーターに喩え、「おしゃれ?ダサダサ?のっぺり?」と表現するところがユニークだと感じました。

実際私自身も音型から作り始めて、そのような感覚になったことがあります。

ただ私の場合は、作曲方法歴がだいぶ変です。

私が作曲を始めたのは大学を卒業した年です。時間があったので作曲をしたのですが、YAMAHA製のMTR(多重録音ができる機械)を持っていたので、ギターを弾いて、マンドロンチェロで重ねるという方法で作曲し始めました。

その後MTRはDAWソフト(いわゆる作曲ソフト)に変わりました。

そう!ここまでの時点で一切楽譜を書いたことが無かったのです!

なので自分の曲を販売する際はだいぶ苦労しました。マンドリンオーケストラの譜面は読めるのですが、私が書くフレーズはシンコペーション(なんかかっこよくて複雑なリズム)が多くて、自分の頭の中の音を譜面化することに時間がかかりました。

フルート奏者の母のために曲を書いたときは譜面作成ソフトで作ったのですが(もちろんそのソフトには再生機能がついています)、私の場合は頭の中で鳴っている音を並べないと良いものができないのでやはり私にはDAWソフトでの制作が性に合っていると感じます。

無料のMusescoreなどの譜面作成ソフトでも楽器の音色などはかなり忠実に再現されているのですが、操作性や自分自身の感覚としてDAWソフトが一番しっくりきます。DAWソフトには五線譜におこす機能もついており、それもあって楽譜作成ソフトは使わない感じです。

奏者として色々な譜面を見て思うことは、「譜面上キレイなものは音楽としても美しい」です。あ、逆かな?「音楽としてキレイなものは譜面上も美しい
例を挙げると、J.S.バッハの曲は音楽として美しいだけでなく、譜面も美しいです。非常にシンプルなんですよね。

マンドリンでバッハというとイスラエルのアビ・アビタルが思い浮かびますね。彼が10年以上前に来日した際、話したことがあるのですが、彼はバッハの自筆譜(コピー)でないと演奏できないと言っていました。小節の中での音符の埋まり方などが、まるで感情が入っているようだと言っていました。

このように五線譜というのは、ただの記号ではなくもはや揮毫だと思います。図らずもダジャレになってしまいました(笑)

譜面とはそういうものなので、楽器奏者の方は大事にしてくださると嬉しい限りです。
最後までご覧いただきありがとうございました。それでは~


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