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人、色、言語、、日々の泡。

僕が現在通っているUC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)という大学はサンフランシスコ近郊のいわゆる"ベイエリア"と呼ばれる一帯にある、バークレー市にキャンパスを構えている。

College of Environmental Design ー環境デザイン大学院ー のLandscape Architecture学科に在籍しているのだが、その中には2年間コースと3年間の修士課程があり、2年コースには主に、既に大学で建築やランドスケープを学んでいたものが採用されて在籍し、3年コースは全くの別分野から来た学生が主だ。僕は後者の3年コース。

更に細かく区分するならば、Environmental Planning というコースがLandscape Architecture学科の中に存在し、こちらは2年間。3年コースの学生と共に初めの秋学期を共に過ごし、その後はより詳細な学習課程へとシフトしていく。より多量なデータを相手に、マクロな視点で地球・地域環境全体のプランニングを包括的に請け負うプロフェッショナルを養成する、そんなイメージでしょうか。

僕はというと、Environmental Plannerではなく、一般的な方のLandscape Architectを養成する3年コースに在籍しています。北海道大学で学んだ生態系管理学は前述のEnvironmental Planningに通じるものなのだけれど、目指すべきところが違うので。もっと早く気付けていれば30歳にもなって大学院に入り直さずに済んだのだが、まぁ今更言っても仕方ないものは仕方ない。光陰矢の如し。

同期入学の3年コースの学生には、14人のLandscape Architectの卵、6人のEnvironmental Plannerの卵、合わせて20名。これは他大学と比べるとかなり少人数で、米国ランドスケープ三大大学院(ペンシルバニア大とバークレーを合わせて)の一角を担うハーバードの場合はLandscape Architecture学生だけで30人もいる。概ねバークレーの倍の人数だ。これだけの学生を毎年輩出しているのだから、業界にハーバード卒が多い訳だ。もちろん彼らがとても・とても優秀な学生達の集まりなのだろう、という事は言うまでもなく。

さて、20人の同期を見渡して見ると、学部を卒業したての22歳から、子持ちの40代までと学生の年齢層は幅広い。それでも概ね30歳前後かな。男女比は女14男6人という何ともアンバランス(聞けばハーバードはもっと女性に比率が偏っているそうな)。
国籍別にみると、コロンビアと日本から1人ずつ、中国から2人、あとの16人はオールホワイトのアメリカ出身です。僕は正直この事実に当初とても驚いたのだけど、他の学年を見渡しても、やはりアメリカ人がとても多い。圧倒的マイノリティなイエローモンキーとしてホワイトウォッシュのランドスケープ業界にダイブ出来て良かったなーと、たまにハッとさせられる時があります。

ただ、これはLandscape Architecture学科の状況で、他のプログラム、例えばArchitectureー謂わゆる建築学科ーの1/3近くは中国系の学生。大学内を歩いて日本人と思しき人に会う事はほどんど無いのだけど、中国・韓国系の学生はめちゃくちゃ多い。ヒスパニック系の方達も合わせて、スタジオの外に一歩出ればホワイト感は一気に薄まります。と言うわけで、日常で日本語を話す機会はほぼゼロで、英語でのコミュニケーションに疲れたり、自分の会話能力や語彙力の低さに嫌気がさして苛立ったり。

そんな日々が嘘かのように半年があっという間に経ちました。なんとかなるもんですね。いや、なんとかなるどころか完全にアウトでした笑。肌の色なんて誰も気にしない。英語で円滑にコミュニケーションが取れて普通。アジア人なんて珍しくなんともない。言い訳する余地もないくらい素晴らしい環境です。もっと成長しないと。

人種や民族的アイデンティティについて、アメリカ在住の日本人の社会学者によって書かれた興味深い文章をシェアさせて頂きます。

「一般の日本人は、国籍・文化・血統の3つが「日本人」として一致して、はじめて"日本人"だとその人を認識する」そうで。

圧倒的乾季(僕が入国した日から133日間一滴も雨が降らなかった)と、急な雨季の始まりに付いて行けず体調を崩すこともあったけれど、それでもあっという間でした。光陰矢の如し。

日々、上がることも下がることももちろんあるけれど、出来るかぎり浮き沈みの少ない毎日に。日本じゃない場所で、敢えて居場所を探そうと決めたのだから。

ピース

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