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内向的な人が仕事で疲れすぎないために-書籍『「静かな人」の戦略論』-

はじめに

内向的な人は悩みや不安が絶えない

「知らない人やたくさんの人と話すのが苦手」
「新しい場所や環境では緊張する」
「ギスギスした人間関係が耐えられない」
こうした内向的な性格の人は、仕事や人間関係で多くの悩みや不安を抱える傾向にあります。
たとえば、初対面の人に明るく振る舞おうと無理をする、取引先との食事会でうまく話せずストレスを感じるなど。そうして一日の終わりにはクタクタということも多いのではないでしょうか。

内向的な性格と向き合うのは大変

私自身も内向的な性格で、周囲から「もっと気楽に」「自分の気持ちを素直に伝えるといいよ」と言われることがあります。しかし、そうしたアドバイスをいざ実践しようとすると、「相手に迷惑じゃないかな…」「相手にちゃんと理解してもらえるかな...」とあれこれ考えてしまい、結局うまくできないことが多いです。
さらに、失敗して自分自身を責めたり、後悔を引きずって気分が晴れなかったりといった状態が続くと、心や身体に支障が出てしまう可能性もあります。

疲れすぎないために

ジル・チャン氏の経験

『「静かな人」の戦略論』の著者であるジル・チャン氏も、「エレベーターに乗ったら"閉じる"ボタンをすぐに押す」「人に会いたくないのでゴミ出しが嫌い」など、根っからの内向的な性格です(MBTIという性格診断では内向型指標がなんと96%!ちなみに私は76%でした)。

そんな彼女がキャリアを歩み始めた頃のこと。仕事で「活発」「ポジティブ」「元気いっぱい」といったイメージを体現しようと努力した結果、周囲の価値観にどっぷり浸かり、豪華な宴会や高級店での買い物も楽しむようになっていました。
そんな時に彼氏から、「ちょっと前まで、そんなのくだらないって笑うような人じゃなかったっけ?」と言われて、自分を見失っていたことに愕然(がくぜん)とします。

そして、『内向型人間のすごい力』(スーザン・ケイン著)という本との出会いもあり、彼女は内向的な性格を隠すのをやめて、自分らしさやコアバリュー(中核的な価値観)を理解し、自身の強みを生かしたキャリアを歩むことにしました。

内向型ならではのコミュニケーションの取り方

彼女は、自身のこれまでの経験から、内向的な人が仕事で活躍したり、コミュニケーションを取ったりする方法として、次のようなものを紹介しています。彼女のアドバイスは等身大で、無理のないものが多いと感じます。

  • 新しい職場では、いちばん親切そうな愛想のいい人を見つけて頼りにする

  • 社交イベントでは、無理のない目標を設定する(例:誰かひとりに話しかける)

  • 仕事で外出する時は、途中で休憩できる場所(カフェなど)を確認しておく

  • 相手の提案を即断できないときは、「明日の正午までに連絡します」と伝えて回答を保留する

  • マネージャーの役割になったときは、会議の場以外でも、同僚たちと個別に話す機会を作る

  • 何が問題が生じたときには、相手を尊重しつつ(必ずしも同意する必要はない)、双方が納得のいく落としどころを探す

  • 自分の主張を相手に十分に理解させるために、相手への共感+中立(客観)的な情報+自分の要求を伝える

最後に

内向的な人は、自分のことを「○○が苦手」「××ができない」と否定的に捉えがちで、そんな自分の性格を変えたいと考える人も少なくないように思います。しかし、ジル・チャン氏のように、外向的になろうとするのをやめて、自分の内向的な性格とうまく付き合うことで、職場できちんとパフォーマンスを出すことができます。

もし皆さんの周りに「無理して頑張りすぎているなぁ」と感じる人がいたら、この本を贈ってみてはいかがでしょうか。