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追想〜変鯛が「アレ」を手に入れるまで

なんとなく、運試ししたくなる時はないだろうか?
今回は、その運試しをエッチなことに盛り込んだ男の……ちょっぴり哀れな話だ

おっと。
コイツは日記も兼ねているから、
アダルトショップに侵入する件を読みたい人は「A」へ。結果だけ知りたい人は「B」まで飛ばしてくれb
ごめんね。手間かけるね。

あれは、昨日の午後1時のこと。
俺は見知らぬ街のよく知らぬ道を歩いていた。

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辺りは、田んぼだらけで何もない。
道路沿いには飯屋の一軒もなく、人の気配もない。たまに干物のような爺さんとすれ違うくらいだった。
まあ、俺の住むI県ではよくある風景だな。

そんな閑散とした殺風景な道を、俺はかれこれ30分歩き続けていた。
理由は主に三つ。

一つ。某家電量販店が「ゾイド」の投げ売りを始めたこと。
二つ。その某家電量販店が近場だと、この田園を抜けた先にしかないこと。
三つ。車を手放して久しく、移動手段が公共交通機関とチャリンコしかないこと。

これらの理由から俺は、イイ歳こいて見知らぬ土地をのっしのっしと練り歩いているのだ。
まあ、この頃は運動不足だったし、冒険は嫌いではない。それに、車の維持費を払うのならば趣味に金を回したいと考えていて、今の俺はそうしても許される立場にあった。だから、満更でもないのだ。

そうして、田園を抜け、まるで境界線のように敷かれた線路を横断すると大通りに出た。
スマートフォンの誘導に従い更に歩き、ようやく現れた飲食店の脇を抜けていくと、道案内のアプリが目的地周辺であることを告げた。
顔を上げると、家電量販店の看板がデカデカと掲げられているのが見え、その奥に某家電量販店のテナントが見えた。

駅からここまで40分の長い道のりだった。正直、道の途中に何もなさすぎてとっくの昔に潰れてんじゃないかと5回は疑った。
だが、俺はやった。たどり着いたのだ!!

 これでゾイドが買える!!
 嬉しくなって俺は走り出した
 走って走って
 そして見つけてしまった。

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 赤くてしましまの建物を!!

その時俺の脳は光の速さで指令を出した
「帰りにこの書店に寄りなさい」
俺の全神経が答えた
「喜んで!!」 

〜〜「A」〜〜

〜30分後〜

家電量販店で3箱のプラモデルを仕入れた俺は、脳の命令に従い、「赤くてしましまの建物」の自動ドアの前に立った。
赤外線センサーが反応し、ゆっくりとドアが開くと、ムワッと店内のにおいが鼻をついた
大人のお店特有のにおいだった。
においになれると同時に、店の中を素早く見渡す
なるほど。入り口から見て右側が「そーいうビデオ」のコーナーで、左側が「そーいう本とその他」のコーナーか。
俺くらいの上級者になれば、この時点で店内の間取りは掌握できる。それが初めて訪れる店であるとしてもだ。
そう……俺の狙いは「その他」。そして、その他の中の「中古一般書籍」のコーナーだ。

何故、大人のいかがわしい書店に普通の中古の本が置いてあるのか……。
それは、俺にも分からない。
書店としての体裁を保つため?あるいは、アダルティーなアイテムだけでは赤字になってしまうから?
理由は、いくらでも浮かぶが答えは分からない。
確かなのは、中古本が一冊50円という破格の安さで買い叩けるということだけだ。
それだけ分かればいい。それで十分だ。
ありがたいことに、このいかがわしいお店に入ろうという未成年ボーイはそうそういないので、本のジャンルは豊富で幅広い。
 往年の名作ライトノベルや、ためになる自己啓発本、宮沢賢治やら太宰治やらの教養ある文学もある。
 それを何冊も制限なしで買えるだけ買ってイイのだ。まさに大人のムードで隠された本好きのパラダイスだった。
 そうして、俺は慣れた手つきで気になった本を20冊ほどカゴに入れると会計を済ませた

これで手荷物はプラモデルの箱3箱と本が20冊。
これらを抱えてまた40分の道のりを歩くのは気が折れそうだが、俺のじいちゃんは、富士山の頂上までスイカを抱えて登ったんだ。このくらいは大したことじゃない。
 そんなことを考えながら店の出入り口に差し掛かった時だった。
 俺は、見つけてしまった。出入り口の脇に設置されたそれを。
 赤いボディに、500円二枚の投入口。カプセル取り出し口には処女膜よろしくプラスチックのカバーがかかっている。
 これは、大人のためのガチャガチャ……
 

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「アダルトグッズガチャ」

 値段は一回千円。カプセルの内訳はA賞〜G賞プラスエクストラ。運が良ければ最新オナホゥルが手に入るというわけだ。

 ふむ。自分の運を試すにはちょうどいいかもしれない。「股」とない機会ってやつだ。
 俺は自分の運を信じることにした。

 財布から金色に輝く二つの500円玉を取り出し、優しく投入口にインサートする。
 そして、年上のお姉さんがショタの育ちざかりオトゥイントゥインをそうするように優しくレバーを握ると、ゆっくりと右回転させた。
 ガチャン。と景気の良い音がなり、取り出し口に黒い玉が現れる。
 さあ、何賞だ?あたりか……ハズレか……?
 俺は丁寧にカプセルを開けて中のプラカードを取り出した。
 その中身は……

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「匠賞」

 あ、アルファベットですらねえ!?
 そうして俺は、このカードと引き換えに、このオナホゥルを手に入れたのであった。

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 生きて帰ってこれを使ってイこう。

 そう胸の中で決意すると、俺は駅を目指して殺風景な田園地帯へと歩いて行った


〜〜「B」〜〜

 投入金額
 1000円

 このモデルのネットにおける最安値
 178円


 結果……

 惨敗だったけど、締まりは良かったし気持ち良かったので本人は満足しているb

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