現代アートを牽引するTIDEという異質な存在!その作品価値とは?

2021年、ますます混沌とする世界。それは芸術表現の世界にも大きな影響を与え、特に国内のアート作家に熱い視線が注がれています。その中でも才能と評価、そして作家性どれもが高水準な存在といえばTIDE(タイド)さんです。

https://twitter.com/yamamoto_layla/status/1372900130240618503

現代アートの世界ではビビッドな才能を持っている天才がたびたび登場することがあります。若者から名だたる芸術愛好家まで魅了する作品はどこから湧き出てくるものなのでしょうか。今回はTIDEさんとその作品について迫ってみることにしましょう。

貴重な顔出し!TIDEの素顔

TIDEさんは新進気鋭の芸術家ですが、キャリアは10年を超えています。以前は「いでたつひろ」という名で作品を発表していました。繊細な点描画を鉛筆で描いた作品が話題になり、徐々にファンを増やしていきました。

SNSやメディアでは顔出しをしない印象のTIDEさんですが、実はいでたつひろ名義の時代に普通に顔出しでインタビューを受けています。知的な草食系男子という感じでどことなく学者風にも見えます。このインタビューでは服から余計、メガネのつるも黒で統一していて、のちのTIDE時代にも引き継がれるモノクロ趣味の傾向を感じさせます。

https://spice.eplus.jp/articles/112963

このインタビューでは作家としてのこだわり、技術論など、貴重な部分も知ることができます。中でも鉛筆について、「紙やすりで芯を削る方法を使っている」という驚きの手法を語っています。今までよりもシャープな線が描けるようになったそうで、確かにこの時期のTIDEさんの絵はより繊細に進化しているようにも見えます。

芯の削り方については地元の写真屋さんに教えてもらったそうですが、絵描きでも知らないことを知る写真屋というのも興味深い存在です。そういった他業種の方の知識も借り、アップデートしながら自分の作品に落とし込んでいく……。TIDEさんの柔軟さが伺えるエピソードでした。


意外にもスロースターター

TIDEさんは24歳頃から絵描きのキャリアをスタートさせた、言わばスロースターターです。絵描きの天才というと、10代から才能を開花させ周囲に認められ……という早熟タイプが多いイメージですが、TIDEさんはだいぶ異なります。

しかも大学は芸術系でもなく、山梨の大学で文学部の英文学科を専行、その後親しい先生の赴任先のオーストラリアで生活するという変わった体験をしています。しかしそのオーストラリアで様々な人に触れ、多様な価値観を吸収し帰国。それが芸術家としての豊かさにも繋がっています。

そのオーストラリアでは、ひょんなことからアートマーケットに参加し作品を売るなど、いきなり現地の人に認められています。例えばミュージシャンが路上ライブで下積みするパターンはよくありますが、いきなり海外に飛び出していくという大胆さがTIDEさんらしいですね。

紙とペンだけで勝負するという芸術家冥利に尽きるやり方で成功体験を積み、それがさらにTIDEさんの世界を広げていくきっかけになります。


広がり続けるTIDEの世界

TIDEさんが評価されるのは、何も現代アートという世界だけではありません。むしろ、そういった狭い世界に閉じこもるタイプとは正反対で、幅広い活動を行っています。そのキャンバスは雑誌やCDジャケット、看板から書籍装飾にまで至ります。

また、過去には「持参したTシャツにオリジナルプリントを行う」というユニークなイベントも行われています。TIDEさん自身が手刷りでプリントするという、ファン垂涎のイベントでした。

決してアーティストぶるわけでもスノッブな態度を取るわけでもなく、むしろ自分から世界を広げ、アートという一見小難しい世界のハードルを下げているTIDEさん。衣服や装飾品のデザインをむしろ好んで行うのは、TIDEさん自身がファッションに敏感で自分が求める服を作りたいという部分もあるのでしょう。

若い世代にとって、「絵を買う」ということは当たり前の時代になってきました。クルマやブランド品を購入するように、お気に入りの絵を手に入れる。そういったアートとの距離感を縮めるためのステップの第一歩としても、こういったワークショップは機能しているのでしょう。

TIDEさんのこういった”戦略”は、計算高さというよりも、むしろ自然に出てきた発想に感じます。芸術という世界を知ってもらう。身近にアートがある素晴らしさを知れば、絵も飾りたくなるものです。


より手軽に身近になった現代アートの世界

ここ10年くらいで絵画やアートの販売サイトが飛躍的に増えました。老舗サイトともなると20年くらい歴史があるのですが、アートシーンの盛り上がりとともに販売サイトが増え、新進気鋭のアーティストが注目されるきっかけにもなっています。

デジタルコンテンツが繁栄している現代だからこそ、本当に大切なものはモノとして所有したいという欲求。特に絵は所有欲を刺激する最たるものと言ってもいいでしょう。空間を演出するだけでなく、安らぎや癒やしといった心の充足にも役立ってくれます。

特に、TIDEさんの絵は極めてシンプルなモノクロをベースにした作品が多く、調和という面でも非常に適しています。どんな空間にもマッチするその作品性の深みは、実際の作品を目にすると実感できるでしょう。

https://twitter.com/zen_kurokawa/status/1312684202622550017

TIDEさんはたびたび個展を行っているので、機会があればぜひおすすめします。特に大型サイズの絵は絶対に実物を見ないとその本当の価値を理解できません。新たなTIDEの世界を切り開いたともいえる。


Uniqueな作品

そもそも作品の価値とは、作家の価値とは何なのでしょう。それはひと言でいうならば「ユニーク」です。ここで言うユニークは「風変わりな」というニュアンスではなく、「他に類を見ない」、「独特」という意味での「ユニーク」です。まさにTIDEさんを表す最適な言葉でしょう。

例えば、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの『フーガの技法』という未完成作品があります。バッハといえば言わずと知れた18世紀のドイツの音楽家ですが、この『フーガの技法』はバッハの視力低下に伴い途中で作曲が中断されてしまい、結果的に未完成のまま世の中に送り出されることになりました。

バッハの作品性をいかに理解しようとも、この『フーガの技法』を完成させることはできません。なぜなら、他者が加筆、補足した時点でそれはもうバッハの作品ではなくなるからです。実際にそういった不足部分を書き足して作品を完成させる試みも行われましたが、多くは未完のまま演奏されています。

唯一無二のもの。ここが芸術家の素晴らしいところです。作家が生み出す作品は有限です。限られた時間のなかで、すべてを捧げ具現化された作品は、時を超えても輝き続けます。稀代の天才・TIDEさんが生み出す作品もそんな独自性、ユニークさを十分に持った作品ばかりといえるでしょう。


時代に選ばれた穎才TIDEの作品

TIDEさんの作品は一般的にも徐々に浸透し、もはや現代アートという枠組みを超えつつあります。しかし、地に足をつけて邁進し続けるTIDEさんは、少しもブレずに自分の表現世界を追求し続けています。この記事を読んで少しでも気になった方は、TIDEさんのInstagramやTwitterをぜひフォローしてみてください。


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