優しくなりたい 6日目
ハンマーで頭をぶん殴られたような衝撃。
ダイアインザダークとの出会い。
暗闇体験のお話。
社会人になり、バリアフリーやユニバーサルデザイン
という言葉をよく耳にした。
プラスチック容器を扱う上では特に大切な考え方。
でも、上辺だけでその言葉を使うのは違うと思って
いろいろ学んでいたら出会ったのが、
ダイアログインザダーク。
暗闇の中で見ることが苦手な暗闇のプロである
アテンドに暗闇の過ごしかたを考えさせてもらう
素敵な素敵なプログラム。
目以外のなにかでものを見たことはありますか?
https://did.dialogue.or.jp/about/
革命的な体験だった。
今日はその体験と学びのお話。
○暗闇とバリア
2017年の夏、
『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
著者:伊藤亜紗様 光文社新書
という本を読み、その中に出てきた
ダイアログインザダークというプログラムに
興奮気味に1人で突撃した。
暗闇の中でのコミュニケーション。
視覚障害の方の"苦しみ"を少し知ることが
できるかもしれない。
そんな思いで参加した。
1人で来る人用のプログラムもあったが
よくわからず、複数人で参加している人の輪に
突っ込んだのでとても緊張したことを覚えている。
入り口から入ると、目を開けても何も見えない。
最初に"もの"を認識したのは鼻だった。
「笹?草のいい香りがする。近くに草がある!」
すると、参加者が大きな声で、
「この辺りに草がありますよー!
顔の高さぐらいだから気をつけてー!」
その後も大きな声での
情報の交換会が自然と行われた。
「ブランコ!ブランコだよ!
乗ってみるから離れてね!」
「橋だ!段差があるよ!」
そして広場にたどり着いた。
(芝生だ…!)
そしてアテンドが声をかけてくれた。
「ではここで鬼ごっこしようか。」
?????!
目が見えないのに鬼ごっこ??
「ちょっと待ってね、……ここまでは範囲だよー!」
????!!!
遠くでアテンドの声がした。
走った。
この暗闇で走って、
しかも今遠くで手を上げてくれている。
鬼ごっこが始まると、
「壁があって危ないよ」
「ここに椅子がある。」
「ぶつかっちゃった。ごめんなさい。」
と大きな声でコミュニケーションが取られる。
「最後にみんなで軽食を取ろうか。お酒もあるよ。」
席に座り、みんなで軽食を取りながらの談笑。
この間、ずっと暗闇の中。
暖かい暗闇。苦しみなんてものはなかった。
みんな昔からの知り合いのように仲良くなれた。
そして、薄暗い部屋で目を慣らし、
元の世界に帰ってきた。
……振り向くと、一緒に歩いた方々がそこにいた。
顔を見た瞬間、話せなくなった。
旧来の友達かのようだったのに、
赤の他人に逆戻り。
「あ、どうも……」
バリアってなんだったんだっけ?
見ることが苦手なみなさんは、
見る以外の能力で私を助けてくれて、
あの暗闇の暖かさを教えてくれた。
苦しんでいると思っていた人たちは、
自分より強くて、凄くて、暖かかった。
バリアに囲まれていたのは私だった。
目が見えることで、人の目を気にして
いろんな壁を自分で作り出していた。
この体験を忘れてはいけない。
できないことはあってもいい。
補い合って生きていく。
障害という言葉がなくなり、
自分もバリアから解放される世界を
本気で目指していきたいと強く思った。
疲れた時にはあの暖かな暗闇に戻ろう。
きっとまた、知らずに作ったバリアを
感じることができるから。
○大切にしたいこと
◎暗闇では、みんなが声を掛け合って、
まるで昔からの友だちのようになれる。
◎目が見えなくても、それ以外の五感が
ものを見させてくれる。
◎目が見えた瞬間に、
今までできたことができなくなった。
⇨目が見える自分の方がバリアを持っていた。
◎視覚障害という言葉で、
無自覚のマウントを取っていて、
自分の立ち位置を守ろうとしていた。
◉人の目があることで、緊張したり
できることができなくなったりする。
◉情報があれば誰かの助けになるし、
自分も情報が欲しい。
⇨明確にwin-winの時に人は動ける。
◉目がなければものが認識できないというのは
思い込みでしかない。
⇨強烈な思い込みは、強烈な体験でしか
覆せない。
◉バリアに晒されていることを自覚したくない
自分がいる。
⇨人間は普通でありたい欲がある。
◉誰かの上に立っていることと感じられるように
していることで自我を保とうとすることがある。
*人の目を気にして、本心が歪んでいないか?
問いかける時間を設けよう!
⇨人の目で意見が変わるのは、コアとは言えない。
☆共感力を磨いて、誰もが活動しやすい
組織づくりを目指す。
⇨win-win(三方よし)を作り出せる人へ!
☆やったことないことに挑戦し、
積極的に固定概念をぶち壊す。
⇨特に差別につながる感情は、さっさと壊す。
*自身の一般的な部分と
特出している部分を分けて
自己他己分析を行い、自分の心を+に保ちたい。
*誰かを犠牲に振るのではなく、
自分の弱さと向き合い、他者の強さを認めることで
優しい世界を作っていく!
ここに書いた学びは本当に一部です。
バリアとはなんなのか?
偉そうにして何もわかっていなかったのは
自分の方だった。
我以外皆師なり。
不器用な自分を認め、それも愛して、
コツコツと積み上げていくしかない。
コロナが落ち着いたら、
またあの暖かな暗闇に帰ろう。
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