優しくなりたい 7日目 

暗闇の暖かさに触れて、
小さな井戸の中に居続けてはいけない、
と強く感じるようになりました。

今日は音のない世界。
ダイアログインサイレンスを体験した時のお話。
聴くのが苦手な人との交流が気づかせてくれたもの。

○音のない世界で見つけたもの

ダイアログインサイレンスは夏限定で渋谷ヒカリエで
開催されていた。
暗闇の暖かさに心を奪われていた私は、
会社の先輩を連れて、サイレンスに参加した。

言葉を仕舞って、ヘッドセットをつけることで、
外界の音を遮断して、進んでいく。
聴くことが苦手な方がアテンドを務めてくれた。

『ここでは、声を出すことも、手話も禁止にします』

そうしてプログラムは始まった。

・影を使って何かを表す。
・表情を大きく変えることで何かを表す。
・身振り手振りで何かを表す。
進んでいくごとに、言語がなくても
ものごとを表現できるように
"アイテム"を与えてもらっていく。

そして最後に待っていた
伝言ゲーム。

1人の人が箱の中にある積み木で出来たモチーフを
他の2人に伝えて同じものを作れるか
今までもらった"アイテム"で
それを乗り越えてごらんと笑う。

うまくいく人もいれば、
大失敗の人もいた。
みんなで笑って、握手して。

そしてアテンドの方に少しだけ、
手話を教えてもらった。
『最後にお互い感想を言い合いましょう。』

すると、
もともと聞くことが苦手な人が参加されていて、
手話を使って、
「手話がこんなに便利だったなんて思わなかった。」
と伝えてくれた。
その瞬間まで、多分誰もその人が耳が聞こえていないなんて思っていなかった。

そして、英語で話しだす人も。
日本の方ではなかったのだけれど、
これもやはりわからなかった。

"言葉が国境線を引いていたのか"

これが最も大切な学びだった。
私たちは日本語を使うことで、
そこに国境線を引いている。

これは、国だけではない。
メモ魔であれば、"メモ魔語"によって
国境線を引いている。
化学者であれば化学語、数学者であれば数学語、
それぞれの分野で使う特有の言語によって、
私たちは国境線を引き続けている。

分け隔てなく、いろんな人と話がしたい。
そんな気持ちを持つ自分のやるべきことは
なんなのか。

英語を学ばなきゃ。
手話もやらなきゃ。
今までいろんな焦りがあった。

でも音のない世界は教えてくれた。
本当はそこにはじめから線なんて、
引いていなかったんだよ、と。

だからきっと、
もっと楽しめるんだと思えた。

○大切にしたいこと

◎言葉がなくなると、
今伝えたいことしか伝えなくなる。
→故に普段の会話で得られている情報がなくなり
 偏見を持たなくなりやすい。

◎言葉がなくても、
 感情の表現や位置の説明はできる。 
 →言語が便利なので頼ってしまいがちなだけ。

◎言葉のない世界のほうが心地よく感じる。
 

◉届けたいものは、余計な修飾をせずとも
 伝えることができる。

◉ 便利なものに頼りすぎると、他の選択肢があることに気がつけない。

◉気が付かないうちに受け取っている情報で、
 ダメージを負っている場合もある。
 適度な遮断が心地よさを生む。

*信頼している人とは、言葉ではない何かでコミュニケーションをとる

☆慣れた表現だけでなく、慣れない表現を続けていく。
 →自分が使う言語は分かりやすく。 
  他の文化の言語は理解していく。
☆受け取る情報をわざと制限して
 心を回復させる時間も作る。

耳が聞こえないことも、
結局大きな衝撃を与えてくれた。

結局小さな世界にいることを気がつかせてくれる。

この頃から、
ダイバーシティを大切にしようと
考えるようになった。

どんな人も自分より何倍もすごい。
だから、人とのつながりを大切に、
命を大切に生きていこう。

そして、いつか自分も世界を支えていこう。
そのために少しずつ少しずつ。
頑張っていきます。

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