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星野源の音楽について

‪星野源のアプローチに安倍晋三が乗っかったからってなんだってんだ。そんな当たり前のことに、ポップカルチャーを巻き込むな。‬

‪誤解ありきの無双の音楽

そもそもポップミュージックは、特定のコミュニティや思想の枠組みにとらわれない、もっと大きな不特定多数にむけて発信をする音楽だ。だから楽曲やミュージシャン自身が、社会に本人の予期せぬ扱い方をされてしまうことは、別に今に始まったことじゃない。‬

‪でも星野源は、そういったポップミュージックの不確かな部分もしっかり受け止めた上で、日本のど真ん中でポップミュージックを歌い続けている唯一無二の歌手だ。忌野清志郎も甲本ヒロトも小沢健二も耐えられなくて降りたステージに立ち続け、背中キズだらけになりながらもダボっと着たパーカー1枚でひょうひょうと歌い続けている、無敵のポップスターだ。‬

アプローチは一つじゃない

‪一方で、そういった八方美人なスタンスで自分たちの意思が湾曲されてしまうことを何よりも嫌い、はっきり「NO」を突きつける音楽の一つがやっぱりHIPHOPだろう。だから、すぐにKDUBSHINEさんがツイートで星野源を批評したことも、見事だと感じた。常日頃から、自分の意識と居場所が明確な人ほど俊敏で逞しく、余計な批判を加えない。

たった一つの回答だけが正解じゃないからこそ、音楽には多様なジャンルやコミュニティがあって然り。で、その囲いを飛び越したところで関わろうとするポップミュージックのパワフルな部分に、僕は今一番、感動と興奮をしているのだと思う。‬

見えない不安と向き合う人へ

そんなポップミュージックの在り方、手法、星野源の立ち位置を全く尊重しないで、しかも自分がどんな立ち位置から発言しているかも明確にできない人が、彼を批評したり、意見を引き出そうとしていることに目眩がする。ポップミュージックは圧倒的な輝きと人間愛に溢れた音楽。彼が賭ける想いの一端に、せめて少しは目を向けてみてはどうだろう。悪い話じゃない、最高のポップミュージックの話。
その先は好きなように批判をすればいい。でも「星野源は何か発言した方がいい」だなんて…、安倍晋三よりも気が滅入るアプローチだ。

‪あの日「うちで踊ろう」の動画を見つけた僕は、リビングのPCを開いて、ボロボロのiPhoneを立てかけた先で、半分ヤケクソになって手拍子で踊った。顔を出すのは嫌で、後ろ向きで、でも白のパーカーを着て。‬‪星野源へのアンサーではなくて、自分へ。

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