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ライバルを公開、チャンスを公言する 国際的なアーティストたち

企画を隠して暗躍する日本流は、昭和で絶えた。
“オンラインという国際マーケット”で活動する現代アーティストたちは、大胆なプロジェクト遂行方法を選んでいる。「オープン × 正直」という、小学校で習いながら大人の大多数が実行できていない課題を、消化してみよう。

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太一(映画家):アーティスト業界情報局
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 最近のはなし: 』

アーティスト、事業家の動きが激しい。
誰もが新たなアクションへと、移行しようとしているように見える。

ただ、明らかな“差”が目につくことも正直なところで。
クオリティに、差が大きい。大きすぎる。
まるで夏休み明け初日の、自由課題提出情景だ。

差を生んでいるのは、「仕込み量と質」に他ならない。
目先のニュースやプラットフォームに飛びついて、表層だけに食らいついている素人たちが多すぎる。この18ヶ月の生き様が、露呈しているわけだ。

世界一次停止が現実になった瞬間、近未来に備えて生活と業態を再構築、または最適化した者たちは今日、壮大な仕込みを経て、成果に向かおうとしている。一方、最初の10ヶ月を“既存活動の維持管理”に投じた人物たちは遅れ、体力無く、初夏の日差しにも笑顔が凍っている。

もっと早く、決意しておけばよかった。焦る。

さて、はじめよう。

『 公表できない要因 』

“弱みを握られると負ける”
などというファンタジーが、信じられている。

いちいちその他人の弱みを攻撃しようなどという間抜けな投資が、存在するだろうか。せいぜい、痴話喧嘩止まりなのでは無いだろうか。KPI(重要業績評価指標)で示せずROI(投資利益率)など、ゼロどころかマイナスだ。

他人や他社に妨害されるほどの自分になれることは素晴らしいだが実のところ、妨害したくなるほどの成功者は、手の届かない場所にいる。また、妨害しようとするようなレベルの人物は落伍者であり、その実行力を有していない。

アーティストも事業家も、次回作案も開発中事業案も構わず、公表している。それは度胸でも覚悟でも無く、同士を募る上でも効率的な手段だとされている。後先を気にせず、公表する時代だ。

『 正直になれない構造 』

“嘘をついて煙に巻く”
まるでダークサイドの理論が活用されている社会は、恐ろしい。

“嘘”は、つかない方が良い、と習った。ただし、「嘘をついてはいけない」という人がいれば、それは間違いだ。嘘をつくことは罪には該当せずしかし、不利益という負債の創造なので、“嘘はつかない方が良い”という教えが、妥当だ。

正直になれないアーティストや事業家たちは必然、地位が低い傾向にある。俳優やタレントなど、自身が商材である業種ほどに、傾向は顕著だ。
すべての会話、情報共有にテンポが遅れるうえに、開示する情報のエビデンスが薄弱なため、信用を得られない。結果、評価が低く、地位は掴めていない。

『 臆病は、悪くない 』

また、“臆病だから”という理由で、正直にならない者がいる。
この中には国際的な成功者も存在するので、無碍には語れない。

臆病だから、とはつまり、自身を知られることを好まない状況だと理解できる。自身が“表現者”であるアーティストや事業家たちは、作品や実務に注目を集める職責において、裏方の自身を隠したい本能を持っている。

自己承認欲求と創作意欲を併せ持つ人物たちは、2つの課題、をこなさねばならない点において、立場に弱い。

ならば、“臆病だから正直にならない”ことは理想だろうか、といえば、そうでもない。「臆病な自身を“正直に”さらけ出す」という方法が有効だ。アーティストであれ、実業家であれ、タレント性を以てレンズの前に立つことが必要な時代になっている。それは、作品や事業への“タイトル”に該当する。

臆病なままの姿を晒せばいい。「目立ちたくない」なんて嘘は要らない。そんなアーティストや事業家は、独りもいない。
独りも、いない。正直にどうぞ。

あぁ、ところで。
まだ日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際News:NETFLIXが狙っているターゲット、NETFLIXを狙える企業を紹介:NETFLIX公式より

NETFLIXは、どこを買収すべきなのか。明らかな候補を含め、サプライズ情報を共有すます。コンテンツ産業界には、悪意ある買収や高額な報酬に群がる賊が潜んでいる。NETFLIXは、視聴者が会社を買収するために有効な業界地図を提供することを目的としています。まず、NETFLIXが映画スタジオを所有したい理由について、です。歴史的なコンテンツのライブラリは、まるごと購入することが安上がりです。また、シリーズ作品を創るためのフランチャイズ的作品をに入れられます。ストリーミングでシリーズをすべて最後まで再配信する権利を得られる上に、ゼロから生み出すよりも簡単です。問題もあります。NETFLIXは数々の大ヒットしたオリジナル作品を生んできましたが、興行的には、成功しているとは言えません。では、買収候補スタジオについて検証します。「①ソニー ピクチャーズ」利点は、ハリウッド6大メジャースタジオの中で、独自のストリーミング プラットフォームを持たない最後の企業だということ。難点は、6大メジャーで最も、作品ラインナップが弱いこと。価格は、50ー100億ドル(5,500億円ー1兆1,000億円)でしょう。評価額以上に成長する余地があると考えます。「②ライオンズゲート」利点は、ソニーに次ぐ高収益をあげているスタジオです。難点は、“Starz”というストリーミングサービスを持っていること。NETFLIXとバッティングします。作品フランチャイズを持っていますが、契約期間が20年しか通用せず、他のスタジオよりも小さいです。価格は、30-50億ドルでしょう。「③MGM」Amazonが買うが、失敗です。メジャーですら無い“ゾンビ”スタジオであり、スタジオ資産は無く興収はわずかです。“007”のフランチャイズを看板にしていますが、単独保有ではありません。資金難により大部分の作品カタログを売却済みなので、著名な作品すら含まれていません。評価額は50億ドル以下です。「④A24」価格が高いのでライオンズゲートの方が妥当です。「⑤ViacomCBS」巨大なので合併候補止まりですが、シナジー効果は無いでしょう。「⑥Discovery」長年交渉してきましたが、避けられました。「⑥Spotify」クレイジーだが興味あり。それでは最後に、「誰がNetflixを買収できるのか?」について。Netflixは、時価総額で世界のトップ50に入る巨大企業ですが、買収されるのではなく、自分自身を売りに出すのではないかという噂が絶えません。問題は、率直に言って、Netflixが成功しすぎたことです。株価があまりにも高いため、買収するには大き過ぎます。2つの企業なら、可能かも知れません。「Apple」ストリーミング事業参入に失敗しており、NETFLIXを買収すれば解決できるでしょう。しかし、連邦政府がそれを拒むでしょう。米国司法省が認めれば、可能になります。「Facebook」Apple以上に、シナジーを生めるでしょう。しかし同社が抱えている独禁法問題、プライバシー問題がNETFLIXブランドを傷つけます。彼らにとってNETFLIXは手頃な価格にみえるでしょうが、視聴者の信頼は低く、過去の買収でも失敗しています。 - MAY 25, 2021 NETFLIX -

『 編集後記:』

NETFLIXが検討している買収企業候補の評価と価格、そして、「NETFLIX」を狙える企業のリスト公表だ。

企業はここまで、“公式発信”できるものなのか。驚愕に値する。
それはそのまま、エンターテインメント記事として成立しておりまた、視聴者への信頼を得る機能を果たしている。

企業の抱えているチャンスを公開することは基本、高評価を生む。
ライバルを公開することは、世相を味方につけ、業界への牽制になる。

日本企業には “広報部” や “ブランディング ユニット” が存在するが、アウトプットは昭和と大差ない。「デザイン コンサル」への知見が低くまた、プロフェッショナルが少ないことが要因だろう。

世相を読んで企業構造をデザインする“アウトプット”のプロフェッショナルと契約して指揮を委ねられないなら、せめて、「徹底オープン」「本心発進」をはじめてはどうだろう。どうせもう、社会は企業を信用していない。

言うも易くなく行うは難し、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記