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【カンヌ国際映画祭】日本の頂点よりも、世界は近い

ハーバードよりも、国際ランキング36位の東大を卒業する方が難しい現実を知るべきだ。ともすればあなたの業界よりも、頂点は近い。
このトピックでは、「世界の頂点の歩き方」を、知ることができる。地球に生きて日本の土になることを決めているアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 社会は甘くない、という嘘 』

日本人は、他人に厳しい。一方で日本人は外国人に、とても親切である。“外国人から評判が良くて日本人の満足度は低い国”の、基本原理だと想っている。だが日本以外のすべては外国であり、活況の“オンライン”は、外国だ。“日本の常識”を活用できる場所が極端に縮小していることに気付くだろう。

語弊を恐れずに申し上げるが、世界は日本ほど厳しくはない。

“楽だ”などとは言っていないしかし、義務教育中の担任が教壇から、「社会は甘くありませんよ!」と説いたことに疑問を持てる貴方なら、大丈夫。社会は甘くはないが、教員は社会を知らない。

日本国内で聞こえてくる国際常識の多くは、“間違い”ではないが、「嘘」だ。世界の頂点は、あなたが現れるのを待っている。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:カンヌ国際映画祭がマルシェを通じて、ドキュメンタリー映画の支援を表明

カンヌ国際映画祭の責任者、ピエール=アレキシ シェヴィット氏は、今月のカンヌ映画祭のマルシェで32の進行中のドキュメンタリー作品を紹介し、そのうちの1本に賞金を授与すると発表した。

マルシェは7月6日から15日まで開催され、カンヌ国際映画祭(7月17日終了)と同時開催される。Cannes Docs(※カンヌ国際映画祭ドキュメンタリー部門)は毎年、世界中の様々な映画祭や団体と提携し、数週間から数ヶ月以内に映画祭での公開を目指すドキュメンタリー作品を紹介している。

このようなドキュメント・イン・プログレスのショーケースは、映画製作者だけでなく、映画祭のプログラマーや販売代理店など、新しい作品を探している人たちにも役立つように設計されている。

ドキュメンタリーのプロジェクトは、ポストプロダクション資金や一般的なギャップファイナンスを求めている場合が多く、共同制作の機会を求めている場合も多い。与えられる賞の中には、モナコを拠点とするInternational Emerging Film Talent Associationとの提携による「Docs-in-Progress Award」も含まれており、この賞には賞金と同団体によるプロフェッショナルな長期フォローが含まれている。

IEFTAのマルコ オルシーニ会長は、「
IEFTAは、新興地域から世界的な映画の才能を発掘し、育成するために設立された非政府組織です。我々はカンヌとのパートナーシップを通じて、ドキュメンタリー映画制作者を支援できることを誇りに思っています。賞の発表は、“Doc Day”に制定されている7月13日に行われます。」と語った。 - JULY 03, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

カンヌ国際映画祭がドキュメンタリーのジャンルをさらに、大きく支援するという記事。

ドキュメンタリー映画の快進撃が止まらない。一方でストリーミングにおいて数字は「“長編”ドキュメンタリーは人気が無い」と示していることを、理解しておくことも大切だ。雑多な情報は多角的な検証の結果にはじめて、価値化される。

『 “嘘情報”の見抜き方 』

SNSを中心に拡散され続けるデマに、疲弊憔悴している人々がいる。彼らの多くは“拡散した張本人”であり、悪意のない心美しい人々だ。それらの情報は“フェイクニュース”ですらなく、弱者が自身を肯定するために添えた小さな嘘の塊だ。弱者の声は、大きい。だが、嘘の情報は、簡単に区別できるのだ。なんなら、文章を読むまでもなく。

嘘の情報は、「遅い」のだ。

嘘情報には必ず、“核となる事実”が含まれている。その核には当然、“誕生日”がある。情報収集を欠かさない人々はその誕生日を、共有している。

嘘が生まれるのは必ず、その“後”であるために、更なる情報のアップデートに対してタイムラグが生じている。しかも目的が“拡散”であることから、“最新情報”と銘打たれていることが常だ。

一方で、まったく困っていず、いっさい被害に遭わない人々がいる。
自身で活動して手に入れた、“一次情報”を駆使する人々だ。彼らは常に取材のために行動し、アップデートを欠かさず過信せず、精査を欠かさない。

『 レッドオーシャン、日本。 』

日本語圏で活動するアーティストは、レッドオーシャンである。

かつては国外からの流入を排除するに好都合だった“言語の壁”だが、パンデミックが引き起こした加速社会での“オンライン化”が、爆発的な数の“クリエイター”を生み続けている。

アーティストの覚悟はさておきその作品を求める観客やゲストたちの大多数は、“一般人”なのだ。一般人は数の論理を越えられず、業界のみならず作品のコモディティー化は加速する。あなたの作品とクリエティヴは、“一般人作品”と混ざる。群衆の中の叫び声は、届かない。

プロフェッショナルのアーティストは、日本の外から、声を発する時だ。

『 業界、世界の頂点は遠くない 』

業界、世界の頂点で称賛を浴びるには神の力が必要だろうしかし、その環境に身を置き、関係者と語らう“取材”は重要だろう。コースもゴールも観ずに、レースに挑むのは不合理な考え方だ。エベレストの山頂には長蛇の列があり、1時間待ちも珍しくない。事実だ。それでも、立つ意義がある。

レッドカーペットを歩き、壇上に立ち、見回してみるといい。

照明はなく、押しかけるカメラもない、ファンの声援はないしかし、貴方にかかる声があるだろう。「次のわたしと、交代してくれないか?」そこにはきっと、貴方と同じ想いでその場所までやってきた、「同志」がいる。どこかの国からやって来たその同志も貴方と同じその壇上に立つことを夢観て、人生を賭している。

あなたは同志たちとともに、照明の熱に笑む瞬間に挑む。

『 編集後記:』

飛鳥Ⅱが停泊していた。

豪華客船での船旅にはエレガンスな非日常と成功者のファンタジー時間が満ちていると考える人々もいるが、そんなことはない。出港中の笑顔が並ぶデッキは排気ガスで昭和が香り、ドレスアップの前には髪を乱しながらも救命胴衣をかぶっての避難訓練。現実は常に、手の届く場所にある。

それでも我々は、ムーンリバーをよぎるクジラの群れに驚嘆し、深夜の共感を求めて振り返る。上方、操舵室の常夜灯に浮かぶ艦長の笑顔が敬礼を返してくださる、その瞬間のために。ただ独りで。

クジラの歌は聴こえなくても観客の喝采を夢見て、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記