見出し画像

【GOZ:アニメーター個展】アーティスト本人が作品を語る時代

時代を語った作品たち。それを生み出したアーティストたちがいま、作品を語る。このトピックでは、「アーティストのネクスト フェーズ」を、知ることができる。業界と慣習に縛られているふりで実は自ら踏み出すことを躊躇っているアーティストの、ために書く。

--------------------------------------------------------------------------
アーティスト情報局:太一監督
×
日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
--------------------------------------------------------------------------

近年に、ここまで芸術に注目が集まっている時代は無い。
一方でアーティスト自身はといえば、ここまで将来を観通せない時代を経験したことが無いと聞く。ごく一部の“頂点業界”を除いては。

“アニメーション業界”の驀進が止まらない。
コンテンツ産業界においてかつてはニッチなマーケットとされていた空気など微塵も無くしかし、その時代の慣習をそのままに。作業量は増え続けるばかり。さらなる高品質を求められる状況から、アーティストは熾烈な日々を生きている。それでも刺激的なニュースに追われる頂点業界は、なお華やいで。

社員アーティストが、疲弊している。自身のIP.を扱えない彼らは個人の活動に自由を選べず、受注仕事に追われる毎日に創作人生を消費し、老いていく。

一方、フリーランスには近年の芸術界の活況が、届いていない。芸術界への注目は“王道メジャー”と“最先端メディアアート”に限定されているため、多くのアーティストがどちらにも参入できずにいる結果だ。

八方塞がりに見える現場、“アーティスト本人”のなかに、新たな動きが誕生した。彼らは既存の法則に縛られず、例外を恐れる挑戦を選ぶ。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:「GOZ:アニメーター 郷津春奈個展」が、SynchroArt銀座店にて開催された

国際映画スタジオNOMA主催による、"GOZ"ことアニメーター 郷津春奈の初となる個展「GOZ:アニメーター 郷津春奈個展」が、SynchroArt銀座店にて開催された。

GOZはアニメーターの巨匠、板野一郎を師とし、サンライズ、MAPPA、手塚プロダクションなどのアニメスタジオでアニメ制作を担当するとともに、書籍や企業プロモーションアニメ制作など幅広く活動している。

本個展では、普段スタジオで絵を描き続けている郷津が、開催期間は会場内にスタジオ置くという試みを実施。普段の作業風景が見られるほか、アニメーターと話せる場を創出する。「GOZ:アニメーター 郷津春奈個展」は、SynchroArt銀座店にて2021年10月31日まで開催された。

GOZが語る。「今回の個展のテーマは”呼吸”。モノクロの原画アートがまるで息をしているかのような様子を会場でご覧ください。会場にきていただきいろんなアニメーションの表現の方法をみて感じていただけたら嬉しいです。また、今回の銀座個展を機に世界に向けてNFTアートもお届けできたらと考えております。デジタルならではの新しい表現をアニメーターとして発信し続けたたいと考えております。」- OCTOBER 31, 2021 animeanime.biz -

■ 最新国際ニュース:アニメーター"GOZ"のこと

アニメーター郷津春奈は、アーティスト「GOZ」を生み出した。

郷津春奈は国際メジャーのアニメーション界に学び、各国との連携を経て、業界内外に多くのネットワークを構築した。彼女の国際活動には明確な目的がありその為に必要な最適化が徹底されている。たとえば、“紙”をベースとするアニメーターの作業にデジタル作画の手法を採用し、スタジオのデスクに向かわねばならない状況をテレワーク化した。GOZが語る。「“紙”がいちばんです。紙でしか描けない表現がありそれは、忘れるべきでは無い魅力です。わたしたち“アニメーター”はただ画像を生み出しているのではなく、作品の中に息づくキャラクターたちと、対話しているんです。便利だという理由で、デジタルを選択することは出来ません。ただし、アーティストの可能性を拡張するテクノロジーの採用を拒むべきではありません。すべては選択肢であり、これから誕生する作品に必要なプロセスです」

GOZは初個展に、“メディア アート”の手法を採用した。コンセプトは「アニメーションを、飾る」。この前例無いデジタル最先端の展示方法にも拘わらずGOZは、すべての作品を“作画机”から、“紙と鉛筆”で生み出した。GOZの作品はアートとギャラリーに精通した一流のコレクター太刀を魅了し、すべてのタイトルにオファーが入る盛況となった。やがて、成果が数字として表れる。アニメーター郷津春奈、そしてアーティスト“GOZ”が打ち出した決断ははたして、日本ギャラリーの中核において受け入れられるのか。主催のNOMAは、運営管理組織のシンクロアート財団による誓約成果を、公表するとしている。 - NOVEMBER 01, 2021 NOMA -

『 アーティストの、次 』

アーティストの人生には、寿命がある。それは、人生寿命よりも短い。そして“黄金期”はその中に5年未満しか無い。科学的に証明されている事実である。

華やかなメジャー業界の中で社員アーティストを生きていれば、自分の作品を持てないままに枯れる。フリーランを貫いていれば、時代のムーヴメントに乗ることなく、恩恵を受ける機会も無いままに老いる。

もう一つ、
誰も挑んでいないまったく新しい可能性を生み出す、という路があるのだ。それは誰もが捨てた可能性かも知れないしかしもしかしたら、“誰も選べなかっただけの価値”かもしれないのだ。国際的な成功者たちはそれを、チャンスと呼ぶ。

『 編集後記:』

主役、コンセプト、展示方法、環境、ゲストから国際メジャーのクルーたちまで、世界初尽くしの個展が開幕し、閉幕した。

前代未聞を積み上げたこの大胆な試みが“成果”となるか否か、それは運営管理組織による発表を待つしかない。映画館とスクリーンを通して観客と接してきたアーティストが、コレクターと会話して、作品を語る。

それはやがて、結果となる。
ともすれば買い手はつかず、無茶なアーティストと無謀なキュレーターによるクルーたちへの謀反かもしれない。だがわたしは、成果つまり“誓約価格”を発表すると決めた。きっとそれは、後続アーティストたちの勇気になるはずだと信じられるから。

アーティストGOZに、最大の敬意を表する
あなたはアニメーターとして立派であり、アーティストとして素晴らしい

昨日と今日を区別無くそれでも今をみつめながら、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記