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【業界寿命】「ローカル アーティスト」と「国際アーティスト」

目の前の現実は、誰かが創った。世界が一時停止した現代、価値観が一変した社会に現状維持は存在しない。このトピックでは、「生き残るより生き急ぐ創作人生」を、知ることができる。正直現在が幸せな直近未来が観えていないアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 “国際アーティスト”というフェーズ始動。 』

世界の価値観は変わった。
多くの人々はいまだその現実を受け止めていないがアーティスト、アーティストだけは気付いていなければならない。これまでの業界常識は通用せず、観客が求めるものは“演出”から「真実」へと変容しさらに、「ローカル アーティスト」と「国際アーティスト」区分が誕生したことにも。

NETFLIXを初めとするストリーマーの台頭と、YouTube等のプラットフォーマーの認知拡大により、“世界総クリエイター時代”が幕を開けて久しい。現在では“一般人”をクリエイターと称し、無名な素人を“アーティスト”、ハイアマチュアを“プロフェッショナル”と認識されるようになった。

一方で“本来のアーティスト”格差は拡大し、国内や業界内に限定、または依存している“ローカル専業”のアーティストと、進化した「国際アーティスト」を生んだ。この区分に個人の意思は関係なく、各国パートナーと共に国際マーケットを舞台に活動しているアーティスト以外は全員、「ローカル アーティスト」である。

そんな中、注意点がある。“オンライン主軸のアーティスト”についてだ。ここの読者には認識されているとおりオンラインとは“海外”であることから、たとえローカルな活動が主であろうともオンラインをベースに活動しているアーティストは、国際アーティストであると言えるただし、“日本語の壁”を越えて各国との連携を行っている場合に限定されることを認識しておきたい。「国際アーティスト」は激増しており、業界を越えた“コミュニティ”を形成している。そういったコミュニティをみつけて参加することもまた、新たな活動常識だと言える。

世界は一時停止し、一般認識は変わり、業界もまた運命と共にあるのだ。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:テレビニュースの未来は、テレビにはない。

ニュースは、1940年にNBCがローウェル トーマスのNBCラジオニュース放送のサイマル放送を開始して以来、テレビの主役となっている。デジタルネイティブの技術的な習慣が、これを覆そうとしている。

GetWizer Consumer Insights社は、VIP+のために独自の調査を行い、メディアとテクノロジーに関する消費者の動向を調べる特別レポート「The Demographic Divide」の基礎となるデータを提供した。

テレビニュースにとっての第一の脅威は明らか。視聴者が減少しているのである。15歳から29歳までのデジタルネイティブは、どの世代よりも全国ニュースやローカルニュースに無関心であり、ニュースへのアクセスさえ気にしていないことが分かった。

これまでのテレビビジネスは、若い視聴者が入ってきて、年配の視聴者が去っていくというベルトコンベアー モデルで成り立っていたが、もはやそうはいかない。

ストリーミングで育った世代が、ストリーミング ニュースのスコアが比較的低いことも注目に値する。利用率はテレビよりも高いが、ソーシャルメディアの利用率には及ばない。FacebookやTwitterは自分たちはメディアではないと主張しているが、アメリカの若年層の4分の1近くが唯一のニュースソースとして利用しているのであれば、彼らはメディアである。

テレビニュースが時代に合ったものであり続けるためには、時代に合わせて変化していかなければならない。もしテレビニュースが今行動を起こさなければ、多くの潜在的な視聴者の間で無用の長物となってしまう危険性がある。 - SEPTEMBER 15, 2021 VARIETY VIP+ -

『 ニュースのよみかた: 』

“テレビニュース”はデジタルネイティヴ層に利用されていず、“メディアではない”と宣言しているSNSでのニュース活用に負けている。いま変化のための行動を起こさなければ終わる、という記事。

行動を起こしても終わるが、「業界の消滅」を目の当たりにすることには価値がある。現在の地上波テレビニュースで自身の最新情報をアップデートしようとしている人々はそもそもに再起不能だが、その状況に危機感を感じている情報リテラシーの高い人々、特にアーティストには、貴重な経験となる。

『 業界は人が創った 』

業界は人が創り、時代が壊す。
これは有史以来繰り返され続けてきた常識でありながら多くの“業界人”は、そのことに気付かないふりで困窮しやがて、共に沈む。業界常識に従うことはこそ、現代の非常識なのだ。ここ「アーティスト情報局」読者の国際アーティストであれば心配は無いので、話を続けておく。

最新を捉え、近未来への路に精通しており、デファクト スタンダードの基に国際マーケットで活動しているアーティストだけが、「選べる存在」である。ピサの斜塔を修復するなら建て替えた方が容易いしかし補強と修復を続けるのは、“選べる”ためである。情報を持たず知見に狭くローカルを生きる者がどれだけ吠えようとも、業界を護る実力は無い。

業界を護るも、新たな業界を構築するも、選べるのは“最先端”を闊歩する国際アーティストのみである。彼らは業界にいず、コミュニティの中に在る。


『 希望しかない世界 』

知識と情報が足りないアーティストは、罪である。業界には元より協賛者やクルーなにより、観客に対しての罪である。興味と勘に頼る創作活動を続けている素人は、「アーティスト」を名乗ってはいけない。

これは自己啓発ではなく、デファクトスタンダードにおける「マナー」の話だ。世界が動き出している。現在、新たな価値観のもとに活動し始めた各国各業界が、国際アーティスト主導の下で、再構築され始めている。

知らないなら、知ればいい。
世界第3位のコンテンツ産業大国にして“言語の壁”に護られた難攻不落の楽園に暮らす日本人アーティストには、かつてないチャンスが巡っている。

本物のアーティストたちはこそ、“コミュニティ”を目指すことだ。もう貴方が安住できる業界は存在しない。上客であった企業に依存していられる時代では無い。世界が、貴方を必要としている。

安心とは、停滞を意味する。アーティストには不必要だ。世界が安心を失った現在には、希望しかない。アーティストには世界を輝かせる責務があるのだから。

『 編集後記:』

「毎月ひとりのアーティスト支援」をミッションとしているわたしは気がつけば、“キュレーター”の職域に触れている。気をつけたい。

どんな業界にも活動域にも“プロフェッショナル”が存在しており、新参者やマルチ ハイフネーションを生きる人々が軽々と「肩書きを追加」することはとても失礼な行為なのだ。動画マンがアニメーターを名乗るのは、問題がある。写真家がシネマトグラファーを名乗るのは、違う。監督が脚本家を名乗ることも演者がプロデューサーを名乗ることも、とても失礼だ。

せめてプロフェッショナルとして認められる実力とそして「貢献」を積んでからだ。わたしは「映画監督」であり、それ以外はすべて一流に遠い。ならばこそ、この無名を脱するべく尽力している次第である。

一流のクルーに愛されて感謝を忘れず、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記